青二才、十一人目「ケイシーを演じるまでは、脇役のシーン出演。ネットフリックスのこのシリーズは私にとって合宿みたい」

【連載】日本のゆとりが訊く。世界の新生態系ミレニアルズは「青二才」のあれこれ。青二才シリーズ、十一人目。
Share
Tweet

「最近の若いのは…」これ、いわれ続けて数千年。歴史をたどれば古代エジプトにまで遡るらしい。みんな、元「最近の若者は……」だったわけで。誰もが一度は通る、青二才。

ゆとり世代ど真ん中でスクスク育った日本産の青二才が、夏の冷やし中華はじめましたくらいの感じではじめます。お悩み、失敗談、お仕事の話から恋愛事情まで、プライベートに突っ込んで世界各地の青二才たちにいろいろ訊くシリーズ。

十一人目「ケイシーを演じるまでは、脇役のシーン出演。ネットフリックスのこのシリーズは、私にとって合宿みたい」

はい、間髪入れずに御免ください。どうも、青二才シリーズです。本当はね、この記事は新年早々に出るはずだったんですよ。それがもう編集部どうしたのってくらい遅くて、お蔵入りするのだけはダメだって僕プッシュしたんです。新年のご挨拶”には遅いので割愛させていただき・・・(今年も「青二才シリーズ」どうぞよろしくお願いします)。令和れいわってうるさいけど、令和早々、重量級青二才を2組み引き連れてズカズカ土足でお邪魔させていただきます。さらにもう一人出て、三連発。春の青二才祭り。

重量級1人目であり、青二才十一人目(ほらやっぱり読みにくい)は、ブリジット・ランディ=ペイン(Brigette Lundy-Paine)、24歳。「あれ? 見覚えがあるような」なんて思った人、そうです。こちらの彼女、ネットフリックスで放映中の人気シリーズ『Atypical(邦題:ユニークライフ。シーズン2が終わり、現在シーズン3に向けて動いている)』で主人公の妹役Casey(ケイシー)を演じ、新世代的な肩書きとも言える「ネットフリックス俳優」として、言わずもがな現在各方面から引っ張りだこ。とまあ新鋭俳優として多忙な日々を送る彼女だけれど、それでいてプライベートではマガジン制作や、パフォーマンスバンドなど、カジュアルにやってのけちゃう自由奔放さはすがすがしい。

今回は、友人からの紹介ということもあって、新鋭俳優をキャッチすることに成功。そこで調子づいた筆者、図々しくもダメ元で「自宅で取材させていただいてもよろしいでしょうか?」と聞くと、思いの外一つ返事で「オッケー」。ということで、早速、「ネットフリックス俳優」のご自宅、お邪魔させていただきましょう。「青二才・俳優、ブリジットのあれこれ」。

H:明日からまたLAらしいね。っていうかブリジット、いまさっき起きたでしょ?

B:バレた?(笑) 朝までパーティーしてて、さっき起きたの(笑)

H:寝起きそうそう、ありがとう(笑)。軽めなところからいこうかな。生まれはポートランド、育ちはノースカリフォルニアのブリジットだけど、どんな子どもだったの?

B:おとぎ話とお人形遊びが大好きな、お茶目で、ドリーミーな幼少期を過ごした。あと、小さな頃から本を読むのも好きで、小4でレイ・ブラッドベリの『華氏451度』を読んだりしてた。

H:早熟だなー(笑)。両親ともに舞台俳優みたいだけど、やっぱり両親はもともとブリジットに役者の道に進んで欲しかったんだろうか?

B:間違いなくね。私が初めて舞台に出演したのは、2歳の頃。といっても、赤ん坊の私が舞台の最後で持ち上げられるだけの出演だったんだけど。でも、そんなふうに小さな頃から舞台関係に囲まれて育ったから、演じるってことはいつ何時も私の人生の一部で、とても自然なこと。

H:24歳にしてすでに長いキャリアだね。当時、演じることについて強く印象に残ってる想い出ある?

B:仕事として初めての舞台が12歳の時に出演した、劇作家マーティン・マクドナーの『Pillowman(ピローマン)』っていうダークで強烈な戯曲なんだけど、その中で二つのシーンに出演して。一つ目のシーンは、私が小さなイエスを模した少女として、ステージの上で十字架に貼り付けられて泣いたあと、生き埋めにされるってものだったんだけど。


まだ眠そう…。

H:ヘビーだ…。

B:それを毎晩やるわけで、「これ世界一おかしな話」って心底気に入っちゃたわけ。2つ目のシーンは全身グリーンに塗られた状態でステージに上がって手話をするものだったんだけど、もちろん日中は学校に通ってたから、全身緑色で学校に行ったこともあったわ(笑)

H:パンチあるね(笑)。ちなみにクラスメイトの反応は?

B:私を心から応援してくれていた先生が一人いて、彼はそれをみてはしゃいでたんだけど、その他は別にどうでもいいって感じだったかな。クラスメイトは、みんな私のことを変なやつだと思ってたはずだし(笑)

H:(笑)

B:確実にそう思われてたわ、うん(笑)

H:学校に行くのは好きだったの?
 
B:時々(笑)。中学生ってみんな学校が嫌いでしょ? 中学って最悪じゃん。

H:微妙な時期だよね、中学って。ちなみに役者一家に育ったからこそのいわゆる反抗みたいなものは?

B:うーん、なかったかな。演じることは両親からあたえられた贈り物だと思ってる。

H:「もうイヤだ〜」なんて思ったこともナシ?

B:あっ、でも高校生の時にごく短期間だけどあったわ(笑)。「もう極めちゃったでしょ? これ。お終いだな」って思って、科学者になろうと思って。

H:ほうほう。

B:何かで世界に影響を与えられないかなと考えてて、「うん! 科学だったら、世界をポジティブに変えられる」って思って。それで環境科学を勉強しようと思って7つの大学に出願したんだけど、でも見事に全滅(笑)。

H:あらま。

B:一方で、演技の方もニューヨーク大学とシカゴにあるデポール大学に出願してて、どちらも受かったんだよね。それが演じることを続けようって思うきっかけになった。というか、いま思えば科学の道に進んでなくてよかったなって思う。だって私、科学全然得意じゃなかったから(笑)

H:かなり直感的な決断だったんだね。

B:科学って、非常に大事なことだと思うんだけどね。でもいまは、社会に影響を与えられる可能性を演技で見つけられたから。


ブリジット、だんだん起きてきました。

H:かっこいいね。突然だけどカルロ・ロヴェッリの本、読んだことある?

B:えっ、ちょっと待って。実は、いま私ちょうど彼が書いた時間についての本読んでる!

H:まじで? タイミングが恐ろしいね(笑) 以前、HEAPSで彼のインタビューをして、彼は元々ヒッピーで社会変革を夢見た青年だったんだけど、時間とともに「ヒッピーとしてでは社会は変えられない」と身を以て感じて、物理学者に転身。いまは物理学を通して、社会にメッセージを伝えているんだけど、ブリジットの話を聞いて彼のストーリーを思い出したよ。

少し逸れたけど、高校卒業後、ニューヨークに拠点を移したブリジット。理由はニューヨーク大学に進学するため?

B:そう。でももう一つ合格内定をもらってたシカゴにあるデポール大学の演劇学校って素晴らしい学校なんだけど、学校見学でシカゴより先にニューヨークにきたのが間違いだった(笑)

H:と言いますと?

B:この街がもつエナジーと私がもつエナジーがぴったりハマったというか。「ニューヨークって私みたい。これは私のペースだわ」って具合に、着いた瞬間に恋に落ちちゃった。その後、帰りの飛行機の乗り換えでシカゴで少し時間があったから、シカゴの街も見て回ったんだけど、「絶対ないわ」って(笑)

H:ちなみにドラマや映画にではじめたのはいつ頃?

B:19歳くらいの頃かな。いまのエージェンシーに所属したのがそれくらいだったから。

H:初めてのオファーがきた時はどんな心境だったの?

B:初めての仕事はMTVのドラマだったんだけど、給与明細のメールをみて「オーマイガー! やばい! 1話でこんなに?」って(笑)

H:最近ではネットフリックスから映画まで引っ張りだこのブリジットだけど、そのきっかけはなんだったんだろう?

B:正直にいって私にもそれはわからなくて。というのも、選ばれるか否かって私にコントロールがないというか、どうすることもできないから。もちろん、映画やドラマの仕事をはじめて5年以上たつから、「オーディションでは何をすればいいのか」っていうのも分かってきたけどね。

H:ブリジットの1日ってどんな感じ?

B:時と場合によるんだけど、たとえば前にLAで撮影してた映画だったら、朝5時には起きて家に帰ってくるのは午後6時くらいだから…12時間くらい現場にいる感じ。ただ、キャストも多かったし、私が端役だったっていうのもあって、1ヶ月半の撮影期間のうち現場に行くのは1週間に2日で、あとは滞在先のエアビーにいる感じ。

H:すごいねスケジュールだね(笑)その映画は2019年に公開予定?

B:そうそう。シャーリーズ・セロンに、ジョン・リンスカ、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーなどなど、すばらしいキャストなんだけど。

H:顔ぶれが凄いね(笑)。これまで誰もが知る俳優たちと共演してきたブリジットだけど、現場での振る舞いというのか、ブリジット自身のキャラってどんな感じなの?

B:それ、おもしろい質問だね。映画の撮影現場での私のペルソナは、言うなれば「ただ現場をたのしみたい、何も知らないティーンネイジャー」って感じ(笑)。

H:ハハハハハ(笑)

B:というのも、「私は、南部のど田舎出身であなたたちのことをまったく知らない」くらいの心持ちでないと、彼らがもつパワーというのかオーラに飲み込まれるというか、圧倒されちゃって言葉も出なくなるっていうか。まるでその場で石のように固まっちゃう感じ。だってこれまでずっとテレビの向こう側にいたひとたちが目の前にいるわけだから。
震えも数日間止まらないくらいなんだけど、何がおもしろいってその感覚が私自身大好きで。他にそんな感情を味わえるものってない。それに、その感覚っていうか緊張感って、時として演技をよりいいものにしてくれると思うから。



H:ブリジットはプレッシャーが好きなタイプだ?

B:うん、間違いなく。

H:俳優活動以外にもマガジン『Waif(ウェイフ)』を作ったり、パフォーマンスバンド「Subtle Pride (サトル・プライド)」としても活動してるよね。俳優業と、マガジン制作、バンド活動の3つはそれぞれブリジットの人生にとってどんな役割なんだろう?

B:「演じる」ということはもはや私自身というか、演じている時がもっとも心の落ち着く瞬間で。

H:それは役柄がブリジット自身とかけ離れていたとしても?

B:うん、だって私自身の中にも他のキャラがたくさんいて、時にそれを演じちゃうくらいだから(笑)。最近だと、“ニューヨーカーガール”がよく出てくる。

H:いま喋ってるのは、どのブリジットなんだろう(笑)。マガジンは?

B:マガジンに関しては大学時代からの友人グループとやっているんだけど、俳優業で表現できない部分の表現活動ね。バンドは、とりあえずやりたいことをやるって感じで、ライブは数えるほどしかやってないけど、狂気じみてる(笑)。

H:次回のライブ、お誘いお待ちしております(笑)。ここからはブリジットが出演しているネットフリックスドラマ『Atypical(邦題:ユニークライフ)』について聞きたいんだけど、ブリジットが演じるケイシーは主人公のサムを支える妹というメインキャラクター。やはりすごい倍率の中でケイシー役を勝ち抜いたと思うんだけど。

B:実は、オーディション会場には行ってなくて。

H:えっ???

B:ユニークライフのキャスティングディレクターとは以前にも他の仕事をしたことがあって。このドラマの話を聞いた時に、自分でビデオを作って彼に送ってみたの。それを彼がプロデューサーに送ってくれて、そのビデオをみて「ケイシー役は、この子だ」っていうことで決まったの。ベルリンに向かう道中でビデオを送ったんだけど、次の日には決定の電話があった。初めは信じられなかったな(笑)。

H:晴れてネットフリックス俳優になったわけだ。ケイシーを演じるにあたっての条件とかあったの?

B:撮影中は同じ髪型を保たなきゃいけない。次シーズンに向けて髪の毛を伸ばそうとしたりね。あとはランニングのトレーナーともランニングの練習もした。

H:ん? それは体型維持のため?

B:だって、ケイシーは陸上部に所属してる設定なんだけど、シーズン1の自分が走ってる姿を画面越しで見て、「これは、まずい。クソだ」ってなって(笑)。走ってるのに走ってないように見えるんだもん。そこから大学陸上部のコーチに「走り方」を教えてもらった(笑)。

H:シーズン1、2を通してケイシーの走り方に違いが見れるんだね(笑)。他のインタビューで「台本を読んで以降、ケイシー役を演じるのを待ち焦がれてた」と語っていたよね。

B:ケイシーって、昔から私がなりたいと思っていた人物像なの。私が16歳の時といえば、恐怖心だったり、羞恥心っていう感情があって、いつも「誰かになりたい」って思ってた。その時に、ケイシーのようにいられていたら、もっと幸せだったんじゃないかなって。その一方で、恐怖心だったり、羞恥心という部分を除けば、ケイシーと私には重なる部分が多いとも感じてて。


H:ケイシーを演じることはブリジットにとってとても自然なことなんだ。(※次のケイシーの回答に、ネタバレ含まれます)

B:シーズン2の最後には、ケイシーが親友(女性)とロマンティックな繋がりを感じて終わるんだけど、そのシーンを演じることは私にとって特別なことだった。私自身、同じ経験があったんだよね。でね、私のお父さんなんて「我々家族にとって、これは過ぎる。お前がこの役を演じてるのを観てられない」なんて言ってそのエピソードを最初は観たがらなくって(笑)。彼らも、私を起点に自分自身を出演キャラクターに重ねてしまうみたい。

H:自身がクィアであることを公言してるブリジット。ケイシー役を通して、多様性について世の中に働きかけているっていえると思う。ただ、トピックが繊細であるがゆえに、代弁者として気をつけてることってあるのかな?

B:ティーネイジャーってとても繊細だし、クィアのティーネイジャーを代弁するのであればなおのこと、慎重にならなきゃいけない。だからこそ、このシリーズのストーリーはじっくり慎重に書かれていて。制作総指揮者であるロビアとはそういった部分について幾度となくディスカッションを重ねてきた。

H:ブリジットも脚本制作に携わってるってこと?

B:脚本について口を出したりはしないけど、彼女とはいい関係を築けていて、ストーリーについて相談を受けることもある。

H:すばらしいチームワークだね。

B:間違いなく。このシリーズに携わる人みんなの名前を知ってるのはもちろん、ジョークも互いに言い合える、いわば家族のような間柄ね。

H:すごく初歩的な質問なんだけど、誰かのライフストーリーを演じることで自分自身を見失うこともあるのかな? 「あれ? ブリジットに戻れない」みたいな感じで。

B:あるある。それがたとえ脇役でもね。演じていると、どうしてもそのキャラクターの癖を身につけちゃうんだけど、意外と根づいちゃうわけ。だから身につけるだけでなく、取り除くっていうのも意識しなくちゃいけない。

H:普段どうやって取り除くの?

B:ニューヨークに戻ってきて友だちと時間を過ごして、自分が誰だったかを思い出す(笑)


遊びに行く。

H:そういう意味でも、ニューヨークにも拠点は必要なんだね(笑)。ちなみに社会が持つブリジットのイメージと、ブリジット自身のギャップに悩んだりすることって今まであった?

B:ある程度はほっておくべきだと思うかな。人ってみんな自分が考えたいように考えるでしょう。現代においては、インスタグラムのおかげっていうかインスタグラムのせいでもあるとも言えるよねえ。

H:ブリジットはインスタを駆使してるよね。普段のブリジットを包み隠さずというのか。それも狙ってのこと(笑)?

B:オープンにポストするのは大好き。でもインスタっておかしな媒体じゃない? 馬鹿げていると同時に美しいというか(笑)。みんなストーリーテラーになれるもんね。

H:ちなみに、現代的っていうと、ブリジットがまさにそうだけど、ネットフリックスをはじめVODサービス*のオリジナルコンテンツで演じることもだよね。当事者として、ネットフリックスで演じることと、テレビや映画といった従来の媒体で演じることの意義について違いはあるのかな?

B:うーん、違いを聞かれるとわからないけど、一つ言えるのは、みんな私をケイシーとして知ってくれてること。もちろん私という存在をケイシーという役を通して知ってくれた人が多いと思うから当然だし。知ってもらえるのはすばらしいことなんだけど……

*ビデオオンデマンドサービス:ユーザーがそれぞれのタイミングで、さまざまな映像コンテンツを視聴できるサービス。Netflix(ネットフリックス)、Hulu(フールー)、Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)など。

H:テレビでいろんな番組に出て俳優も、じゃなくて、“ケイシー”だけで入っているからだろうね。現状に納得いってなさそうだね、まあでも、遅かれ早かれ嫌でも“ケイシー”は手放すだろうし。

B:うん、本当にその通りだし、それでいいと思っていて。今後何シーズン続くかなんて誰にもわからないからね。それに永遠に16歳は演じ続けられないわけだし(笑)


H:一方で、ネットフリックスシリーズのメインキャラクターを演じることで、役者として成長したと感じる部分は?

B:役者としていろんなことを試すことができる機会。とても感謝してる。ケイシーはシリーズを通していろいろと経験していくわけで、それを演じることで自分の限界を試すことができるから。ケイシーを演じるまで、脇役としてシーン単位で出演することはあっても、作品を通して演じることはなかったから。だから私にとってこのシリーズは合宿とも言える(笑)。

H:今回は自宅で取材させてもらってるわけだけど、実は最初、自宅で取材させてもらえるとは思ってもなくて。俳優さんだし。でもダメ元でとりあえず聞いてみたら、一つ返事で「オッケー」って。インタビューしてても思うけど、オープンだよね。本当に。

B:まあスケジュール的に今日は絶対に起き抜けになると思ってたからなんだけどね(笑)

H:正直にありがとうございます(笑)。さっきブリジットもいってたけど、SNSによって一人ひとりが少しづつだけど自分の声を持ちやすくなってきてるよね。そんなご時世において、俳優としてのブリジットはどんなかたちで携わりたい?

B:難しいなあー。というのも、インスタグラムでのポリティカルな考えだったり主張をポストすることって、場合によってはただの自己満足になってしまうこともあると思ってて。活動家であったとしても、必ずしもインスタグラム上で見せびらかす必要はない、よね。

H:確かに難しい。自分がやっていることや実生活と、SNSの相対関係って。

B:まあとにもかくにも、クィアの権利っていうのは私にとっていつ何時も一番関心事であり、一番伝えたいこと。私のおばあちゃんはゲイなんだけど、昔からいつも彼女に「もし私に何かできることがあるとすれば、マイノリティをノーマライズすること。なんとかするから」って約束しているの。

H:時代は変わってきてるよね、最後にブリジットの今後の展望を教えてください。

B:私の知ってるアーティストたちがみんな寄り合って、互いを笑わせ合えるようなプラットフォームを作りたい。私たちがやってるマガジン『ウェイフ』みたいなね。プロダクションカンパニーとレコードレーベルをやりたいねってみんなで話をしてるところ。
俳優としては、資金調達をしてるインディペンデント映画が数本あって、それを完成まで持っていきたい。あと、いつかヨルゴス・ランティモスみたいな自分が敬愛する監督の元で演じたいね。

***
Aonisai 011: Brigette






Brigette Lundy-Paine(ブリジット・ランディ=ペイン)

1994年生まれ。
彼女を作ろうと頑張る自閉スペクトラム障害を抱える男の子とその家族のドラマが描かれる、ネットフリックスで現在放映中の人気シリーズ『Atypical(邦題:ユニークライフ)』で主人公の妹役というメインキャラクターを演じる新鋭俳優。
そのほかにもウディ・アレン監督の『Irrational Man(邦題:教授のおかしな妄想殺人)』、『Action Point(アクション・ポイント)』など話題作にも出演する。
俳優業の傍ら、友人らとマガジン『Waif(ウェイフ)』を作ったり、パフォーマンスバンド「Subtle Pride (サトル・プライド)」のメンバーとしても活動中。

@briiiiiiiiiig

Photos by Kohei Kawashima
Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

Share
Tweet
default
 
 
 
 
 

Latest

All articles loaded
No more articles to load