【連載】日本のゆとりが訊く。 アメリカの新生態系ミレニアルズは「青二才」の、あれこれ。一人目「怒られたら、笑っちゃいます」
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青二才、一人目:「怒られたら、笑っちゃいます」。Jo Rosenthal

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「最近の若いのは…」
いつの時代も、職場やどこぞやの酒の席で交わされる“若者ろん”。
これ、いわれ続けて数千年。歴史をたどれば古代エジプトにまで遡るらしい。
みんな、元「最近の若者は……」だったわけで。誰も一度は通る、青二才。

現在、青二才真っ只中なのは、世間から何かと揶揄される「ゆとり・さとり」。
アメリカでは「ミレニアルズ」と称される世代の一端だが、彼らもンまあパンチ、効いてます。

というわけで、ゆとり世代ど真ん中でスクスク育った日本産の青二才が、
夏の冷やし中華はじめましたくらいの感じではじめます。お悩み、失敗談、お仕事の話から、恋愛事情まで、プライベートに突っ込んで米国の青二才たちにいろいろ訊くシリーズ。
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記念すべき青二才一人目は、Jo Rosenthal(ジョー・ロゼンタール)21歳。
お母さんが「可愛い私のマシュマロちゃん」と形容するほど、小さくてとってもキュートな女の子だ。
ニューヨーク地下鉄の駅構内の小さな売店からはじまり、MOMAで常設展示をするまでに到達した、ZINEカルチャーの中核「8ball zines」の一員として身を置く。その傍ら、「いままでキスした男の子たちの似顔絵シリーズ!」など、彼女の人生と人間性まる出しの作品を製作。フレッシュでスウィート、やりたいことは何でもやります!な、彼女に訊きます。「青二才・Joのあれこれ」

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Heaps(以下、H) :ジョーさん。こんにちは。

Jo(以下、J):ハーイ!私の名前はJoね。Joeじゃなくて、Joね。

H:ジョ(ェ)じゃなくて、ジョ-!ですね。ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ち?

J:フロリダ州マイアミ生まれ。高校卒業までずっとマイアミ。
でも不思議な事に一度たりとも、フロリダが合っていると感じたこと、なかった(笑)

H:フロリダかあ。ビーチのイメージです。アートにはじめて触れたのはいつ?

J:4才のときね。母が、兄と私をミュージアムに連れて行ってくれたの。そこで紙とペンを渡されて「いまから1時間であなたが思う“アート”を出来る限り表現してみよう」って。
その時の気持ち、まだ鮮明に覚えてる。
「こんな楽しいことしながら生活していけたら、超しあわせなんだろうな」って。

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Joの作品。自宅の壁に。

H:クリエイティブなお母様ですね。やっぱりアート方面に進みたくてニューヨークへ?

J:マイアミに住んでいるときから何度も来てたんだけど、住みはじめたのは4年ほど前から。パーソンズ美術大学に通いはじめたの。

H:へえー。それですぐに、自分の作品とかZINE作りをスタート?

J:最初に励んだのはまず友だち作り。兄(現在同じアパートメントに住む)が先にニューヨークに住んでたから、そのおかげもあって本当にたくさんの人に出会えた。
それでみんながアートショーに誘ってくれて、ZINEを作りはじめた。

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Joさん、机もにぎやか。

H:お兄さんに感謝ですね。お兄さん、昼間なのにもうあっちでウィスキー飲んでますよ。

J:そう、それでね、その時気づいたの。ZINEを作ることで、たとえたった一人の人しか見てれなくても、自分の自身の内面をポシティブな方法で表現できる、って。
私にとってはそれがとても大切なんだなってことを。

H:それでいまは8 ball zinesの一員ですもんね。忙しいジョーの1日ってどうはじまるの?

J:朝はとにかく時間がない。“速い”が一番大切。普段メイクもしないしね。起きて、バスルームに直行。顔洗って、歯磨きして、鏡を見て「ああー、もう次の日になったのか」って具合にね。

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Joとお兄さん、おやつ大好き。/span>

H:じゃあ朝ごはんは食べない派だ。

J:朝ごはんはいつも外でとるようにしてる。これも可能な限り”速く”ね。

H:咀嚼も速い。

J:あと、私本当に忘れっぽいから、朝食をとる間に「今日は何をしないといけないのか」を思い出して整理するの。

H:早食いしながら考えるなんて、働く男っぽいね。 よく行くお気に入りの朝食は?

J:チャイナタウンにあるDimes(ダイムス)。友だちが働いてるの。あとは、スムージーショップ!だって私って、本当にスムージー人間だから!

H:8ball zinesとの出会いは?

J:1年程前まで、ロリマー駅でやっていた期間限定のZINEショップ”Newsstand”で彼らの存在を知ったのね。ヤバい、イカしてる!って思ったんだけど、同時にナーバスになった。

H:ほう、なぜナーバス?

だって、彼らが取り合ってくれるとは思わなかったから。でもとんだ勘違い。
思い切って声かけたの、「はーい!私はジョー。ZINEを作ってるんだけど、何でもいいから手伝えない?」って。そしたらレレ(8ball zinesファウンダー)が一言。
「クール!とりあえず、来週からスタジオに来なよ!」。これが、私の8ball zinesの一員になるまでのストーリー。超シンプルでしょ?

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H:話が早いね。オフィスの近くにいい感じのホットスポットってある?

J: SOHO(ソーホー)にオフィスがあるんだけど、すぐ近くのThe Smile(ザ・スマイル)はとっても美味しい。だけどちょっと高すぎ!
チャイナタウンにあるヴェネッサ(Vanessa’s dumpling house)はニューヨーク・イチの餃子ね。

H:餃子うまいよね。日本だったら王将って餃子屋がいいよ。

J:でも、ほとんどが夜遅くまで作業してるから、大抵はどこにでもあるピザかな。なんだかんだ、みんなピザ大好き。

H:じゃあジョーのソウルフードはピザ?(笑)

J:ごめん!食べ物じゃないんだけど、ソウルといえば、グーグリーアイ!身体中に貼り付けるだけで1日が終わっちゃうなんてこともあるの。
Joといえばグーグリーアイよ!グーグリーアイは私の名刺!

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冷蔵庫にもグーグリーアイ。

H:だから部屋に小さい目玉が落ちてるんだね(笑)。
苦労もピザも分け合う同僚とはよくハングアウトするの?

J:もちろん!同僚が一番の友人!
みんないままで出会った人たちの中でも、一番魅力的な人たちなの。友人としてはもちろん、アーティストとしても尊敬できる。

H:アメリカって同僚同士であんまり遊ばないって聞いたけど、そんなことないんだね。

J:私たち、みんなで共有してるグループチャットがあるんだけど、毎晩「今日俺のショーがあるから遊びにきなよ」って誰かしらから連絡あるの。そんな感じで絶対誰かと会う。
アートという共通言語のもと集まる「家族」のような存在かな。

H:遊びと仕事の両立はバッチリだね。恋と仕事もうまく両立できるタイプ?

J:うーん、いまの私にとってニューヨークで誰かとつき合うって難しいかも。だってニューヨークの人って忙しいし、いつも急いでるイメージなんだもん。
それに加えて本当の意味でお互いを知ろうとしていないようにも思えちゃう。
Tinderみたいなデートアプリも持ってないしね (笑)

H:え!Tinder持ってないの!

J:そういうアプリのせいなのかわかんないけど、「セックスなしであなたのこと知りたい!」みたいな人、いないと思っちゃう。これまでたくさんのひどい男にぶちあたったし。
一度に15人の女とデートしているようなね。だからまだデートと仕事の両立は難しいかな。それと、創作活動に専念してるから、みんなと何かやるってほうがデートより数百倍も楽しい!

H:ジョーさんならあと30年はモテ続けそうだから焦る必要ないですね。誰も知らないジョーの秘密って教えてくれる?

J:私って本当に秘密がない!自分でも自分の秘密がわからないくらい。誰かれ構わず、私のこれまでの人生包み隠さず、全部話しちゃうもん。
しいて言うなら……15歳までバービー人形とずっと遊んでたわ。15歳にもなると誰もバービー人形で遊ばないんだけどね (笑)

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時々、いまでもひとり人形劇をするそうです。

H:仕事とかで、誰かに怒られたときの解決方法は?

J:いつも“笑っちゃう”。怒られたり、怒鳴られたりするのが本当に苦手で、そういうときに真剣になれないの。で、いつも笑っちゃう。
もし笑えないほど怒られたら泣いちゃうかな。
理不尽なやつには「私に怒鳴る権利なんてあなたにない、あなたの負けね」って心のなかで思う (笑)。

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H:僕の場合は笑ってると余計相手を怒らせちゃいますよ。ストレス解消方法は?

J:とにかく笑うことかな!人生の友である兄と一緒に、セレブが床に転げるマネみたいな、くだらないおふざけをしてこれまでの人生を過ごしてきたわ。「笑う」ことが一番のストレス解消方法ね。

H:そのマネ、教えてください、やってみたい。

J:そうだ、あとはアイスかな。気分が悪くなるまで、食べられるだけアイスを食べる。ストレスなんてひとっ飛び。

H:お気に入りのフレーバーは?

J:コーヒー・ストロベリー・ミントチップ。バニラは普通すぎてつまらない。

H:青二才だからこその楽しいこと・悩みを教えて

J:自分の成し遂げたいことに取り組んでるいま、やっぱりたまに不安になっちゃうときもある。「もうぜーんぶやめて、田舎にいって大きな牧場で牛とか羊を育てたいなー」とかって考えたりすることがあるんだけど。
でも毎日、自分を鼓舞して、出来る限り笑顔でいれられるように勤めてる。笑顔と笑うことで何でも成し遂げられる気がするの。ただ座って、難しい顔してるくらいならね。

あと、アートの世界は意地悪な人も沢山いる。そんな傲慢な嫌なやつらが、アートの世界を牛耳るってこともものすごく不安ね (笑)。

楽しいことかあ。ダンスは大好きかな。下手なんだけどね(笑)。 
かかってる音楽がクソみたいな廃れたバーを適当に選んで、狂ったように朝まで踊り続けるの。兄がよくギターを弾いてるから、それ合わせて歌うのも大好き。歌もめっちゃ下手なんだけど(笑)。

H:これからも、忙しくてもジョー個人の活動は続けていくよね?

J:ZINE制作とペインティングを主にやっていく予定。でも文章を書くのも大好きだから、ペインティングとライティングを共存させるアートを作りたいと思っている。

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H:最後に、期待の青二才としての将来の展望を教えて。

J:たくさんありすぎて困っちゃう。本も書きたいし、サタデー・ナイト・ライブ(1975年より毎週土曜深夜に放送されているご長寿コメディ番組)にも出演したいし、ピクサー映画も作りたいし、自身のギャラリーでの展示もしたいわ。
でも一番確かのは、いつも「笑顔」でいること。周りの人を「笑顔」にしたいし、そんな人たちに囲まれて生きていきたい!


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Aonisai 001: Jo

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Jo Rosenthal (ジョー・ロゼンタール)
1994年生まれ。8ball zinesのメンバーとしてZINE製作する傍、数々のグループエキシビションに参加する。またモデルとして日本のメディアにも度々露出される。
Instagram@justjorosenthal
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Text by HEAPS,Editorial Assistant: Shimpei Nakagawa
Photos by Mihee Suh

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