動きを止めない、忘れられないために。国境を越えて“目に映す”〈ミャンマー民主化運動とアートピースの活力〉

「人々はクリエイティブなアートピースに、負の感情とは“逆の感情”を求めるのではないでしょうか」
Share
Tweet

映画やテレビの普及が、遠い世界の出来事を“見えるもの”にようにしたように、インターネットにおけるソーシャルメディアの普及は、それらをさらに身近に見えるものにし、関与できるようにした。そしてそれは、2021年2月に発生したミャンマー国軍によるクーデターに対するプロテスターたちの闘い方も変えている。ソーシャルメディア上で拡散される「アートピース」が、彼らの新たな“武器”だ。

クーデター発生後、ミャンマー国内のみならず、世界のさまざまな場所で人々はインターネットを介して抗議の意思を、「アートピース」とともに発信しはじめた。自身で作ったものであろうと、だれかが作ったものであろうと関係なくシェアされ拡散され、大きなムーブメントに繋がり、世界中に新たな連携を生みだしている。

いち早く動きだし、10日間で6,000人を集め、迅速に“目に移すこと”“連帯すること”をすすめてきた、運動の原動力となるアートコレクティブに取材した。

ミャンマー、動きを止めないためのvisibility(目に映ること・映すこと)

「upload here(ここにアップロードしてください)」

 クリエイティブの力でミャンマーの民主化運動を推し進めるアートコレクティブ/プラットフォーム/キャンペーン「Raise Three Fingers(レイズ・スリー・フィンガーズ、以下RTF)」のウェブサイトにいくと、その二文字がある。

 そこをクリックすると、「あなたのアートを将来的にソーシャルメディアや、オンライン、実際の展示やイベントで使用するかもしれません。すべては、ミャンマーのムーブメントや支援のためです」との案内がでる。


(出典:Raise Three Fingers Official Website)

 このサイトでは、世界中どこからでも自由にオリジナルのアートピースをアップロード&ダウンロードすることができ、著作権フリーで自由な二次使用やリアルへ出力することができる。各アートピースには「シェア」ボタンがあり、そこからソーシャルメディア上で拡散できる。また、拡散だけでなくプリントアウトをしてデモのプラカードに貼ってもよし、Tシャツやステッカーを作ってもよし。
 実際のサイトには、ミャンマーのみならず、米国や英国、フランス、ポルトガル、イタリア、ブルガリア、オーストリア、日本、韓国、マレーシア、ベネズエラ、アルゼンチン、ボリビア、コロンビア、オーストラリア、ニュージーランド、インドなどのアーティストたちが自らのプロテストアートを提供している。アートといっても、イラストからグラフィック、水彩画、ミーム(ネット上で拡散されるネタ画像)、写真、彫刻(を写真に撮ったもの)までさまざまだ。



(出典:Raise Three Fingers Official Website)

 今回のミャンマーにおけるプロテスト活動では、アートピースを利用したアピールが目立つ。インターネット上に投稿されたイラストやグラフィック、ミームなどがリアルの場に出力されプラカードやポスターとして利用され、リアルでおきた象徴的な出来事はネットを介して拡散し、さらなるアートピースの題材として利用される。それを裏付けるかのように、実際ミャンマーの活動家からは、こんな声も挙がった。

「ソーシャルメディアは新しいバトルフィールド(戦場)。デモのライブストリーミング、カラフルなミーム、バイラルアートワークは新しい武器だ」

 抗議の意思をクリエイティブの力に変え作品を生み出すアーティストや、声と思いを自分なりにかたちにする一般の制作者たち、それらのアートピースを抗議の意思を持って拡散するユーザーたちにとって、RTFは、ハブスポットだ。

 社会風刺から悲痛な叫びが聞こえてきそうなシリアスな作品から、ユーモアにあふれたアートピースまでを「アップロード」「ダウンロード」「シェア」することで「目に映して忘れない、忘れさせない・メッセージに共感する・行動に移すこと」が生まれる。

 この連鎖がどのようにミャンマーの民主化運動の背中を押しているのか、RTFの運営に携わるKC(仮名)さんにチャットを通じて話を聞いた。

HEAPS(以下、H):クーデター発生から約4ヶ月(記事執筆時 6月中旬)が経過しました。依然として多くのアートピースが投稿され、プロテストアート拡散のハブスポットとして機能し続けているRTFですが、どのようにはじまったのですか。

KC(以下、K):前身は「Art For Freedom Myanmar(アートフォーフリーダム・ミャンマー)」というフェイスブックのグループページでした。開設したのは、ミャンマー初のアニメーションスタジオ「Pencell Animation(ペンセル・アニメーション)」で働くアニメーションディレクターのノーベル・アウン。
きっかけは、クーデターが発生した2月1日以降、ソーシャルメディア上に膨大な量のアートが溢れたことです。クーデターに対して抗議の姿勢を示すため、みんなさまざまなメッセージやプラカード、デジタルアートやグラフィティといったアートピース、ミームを制作し、ソーシャルメディア上で投稿・拡散をしていたんです。

H:それを後押しするプラットフォームを作ろう、と。

K:そして、アーティストや個人が制作したアートワークをオープンソースで共有しプロテスト活動のために自由に二次使用できるようにすることが目的でした。アートフォーフリーダム・ミャンマーと「Latt Thone Chaung(ラット・トーン・チャウン)*」、英国の「Professional Cartoonists Organisation(プロフェッショナルカートゥーニスト・オーガナイゼーション)**」の3団体、その他ミャンマーのクリエイターや社会活動家などとの連携により結成されたのが、現在のRTFです。

*ミャンマーの映像制作グループ。グループ名はミャンマー語で「3本の指」の意味。クーデター下にあるリアルなミャンマーを記録するべく、通常テレビで放映されないような、物事の裏側で起こっているリアルな事実を伝えるため、ミャンマーの人々にインタビューをおこない、ミニドキュメンタリー形式のビデオを配信している。

**英国に本拠地を置く、プロのカートゥーニスト達によって結成された団体。英国におけるカートゥーンカルチャーの保全やアーティストの権利保護を行い、イベントの開催などを主催する。ミャンマーを支援するために風刺漫画の制作などをおこなう。

H:開設した後の反応がすさまじかったと聞きました。

K:はい、開設から10日間で世界各国から約6,000人もの参加がありました。前身のアートフォーフリーダム・ミャンマーはプロテスト活動で使用するアートピースをミャンマー国内の人々と共有することが目的だった。対してRTFは、グローバルなクリエイティブコミュニティの協力を得て、ミャンマーの人々の本当の声を広げていくことを目指しています。

H:驚くべき参加者数。今回のクーデターに対する世界的な関心の高さを感じます。ここまでのエンゲージメントを集めることができたのは、なぜでしょうか。

K:1988年や2007年の革命運動とは異なり、現在のミャンマーのプロテスト活動はデジタルに精通した若い世代が、ネットを媒介としたソーシャルメディアやを舞台に、ハッシュタグやミーム、ビジュアルアートを武器に、日々の抗議活動や運動の方向性を導いている。これが大きな要因だと思います。

H:デジタルネイティブ世代の力ですね。

K:既存の国内メディアはライセンスを剥奪されたり、軍によってジャーナリストの拘束が発生していて、国内外での情報共有がますます困難になりつつあります。ソーシャルメディアでは、「#WhatsHappeningInMyanmar」や「#KeepItOn」などのハッシュタグが、ミャンマー国内の人々にとって情報を入手し、状況を世界に拡散するために不可欠なものになっているんです。

H:ハッシュタグは、今回のプロテスト運動でも重要な役割を果たしています。RTFはインスタでも「#fightwithart」や「#SaveMyanmar」など、いろいろなハッシュタグとともにアートを共有しています。

K:クリエイティブを武器としたプロテスト活動を世界に知ってもらうこと。民主主義、自由、人権を求めて闘いつづけているミャンマーと連携してもらうよう、世界のアートコミュニティに呼びかけているんです。


RTFのインスタ投稿には、たくさんの#が。

H:数十年前にプロテスト活動に参加していた世代は、新しい世代の「ソーシャルメディア×アート」を中心とした活動をどう思っているのでしょう。

K:その世代の人たちとはあまり話さないので、わかりません。

H:あ、あまりそこは交流ないのですね。さて、RTFには、スクロールが止まらないほど、大量のアートピースが投稿されています。

K:そうですね、現時点で約1,500点、投稿者も45ヶ国以上から参加してくれています。

H:作品アーカイブページでは「プロテストアート」という項目とは別個に「スリーフィンガーズ」という項目もある。

K:RTFのキャンペーンでは、特に「Three-finger salute(三指敬礼)」に焦点を当てています。三指敬礼は、抗議行動や芸術において、抑圧に直面したときの団結と抵抗のシンボルとして使用されているんです。このシンボルは、ここミャンマーだけでなく、ミルクティー同盟*として連携しているタイ、香港、台湾など、同じように政治的な苦難に直面している人々にも語りかけています。

*反権威主義、民主化の促進などの目的をもったタイ、香港、台湾などのアジア諸国が一致団結し、ハッシュタグやミーム画像などでオンライン、そしてオフライン上でも繋がりと連帯を強める昨今のムーブメント。




H:アートピースの中には、ジョークやパロディ、風刺やミームまで、ユーモラスなものを多く目にします。実際のシビアな状況とユーモアに富んだアートピースとの対比がとても印象的。このようなアートピースを作り出すアーティストたちの感情は、どのようなものだと思いますか。

K:クーデター発生以来、800人以上が殺害され、4,000人以上が逮捕などの法的な制裁を受け*、ソーシャルメディアのタイムラインには多くの暴力的な映像や画像があふれ、みんな常に恐怖を感じています。仲間を殺された人、軍による家宅捜索に怯える人、生存者としての罪悪感を感じる人だっている。相当なストレスやトラウマに苛まれています。このような状況があるからこそ、人々はクリエイティブなアートピースに、負の感情とは“逆の感情”を求めるのではないでしょうか。

*ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」による報告数。

H:三指敬礼がお弁当のおかずになっているイラストや、少女漫画のようなタッチの女の子の瞳のなかに三指敬礼が見えるイラスト、国連が全然助けになってくれないことを風刺した架空のチャット画面のイメージなど、ユーモアやウィットに富んでいる。

K:ユーモラスなミームや風刺的なアートピースは、みんなの心にとっての“助け”になっているのかもしれません。ミャンマーで人気のソーシャルメディアのアカウント「poosovercoups*」のように、社会的な批判をユーモアを交えて人々に伝えるスタイルが人気なのも、そういう理由かもしれないですね。

*3,000以上のフォロワーを持つミャンマーのインスタグラム・アカウント。軍批判などのミームを多く投稿している。



H:世界からの注意や関心をひきつけるために「ソーシャルメディアで拡散されること」は、非常に重要なことになります。拡散されやすいアートピースには特徴があったりするのでしょうか。

K:世界的にミームとしてよく使われている、バットマンがロビンを平手打ちしているイラスト*がありますが、これを元にしたミームがよく拡散されました。ミャンマーの若者にも馴染み深いポップカルチャーを題材にしたものは受け入れられやすいと思います。

*バットマンのコミックの一コマで、バットマンがロビン(バットマンの相棒)を平手打ちしながらセリフを叫ぶコマがあり、セリフ部分がそれぞれのシチュエーションで置きかえられる。不平不満を表すミームでよく使用される。


ミャンマー軍の司令官が「我々の民族、宗教、繁栄を守れ!」と叫び、仏陀が「黙れ!」と言いながら司令官の顔を平手打ちする。

ミャンマー軍の司令官が「国家機密、射殺命令、逮捕状!」と叫び、覆面をしたデモ参加者が「ちくしょう!」と言いながら司令官の顔を平手打ちする。

H:一番バイラルとなったアートピースは?

K:たくさんのアートピースが次々と投稿されていますし、その時々に起こった出来事がモチーフになることが多く、週ごとに違うアートピースがバイラルになるので一概には言えませんが…。あ、早い時期から拡散され、いまでも高く評価されているのは、ミャンマー人アーティストたちによる三指敬礼をモチーフにしたコラボレーションアートですね。ミャンマーの国軍によるクーデター発生からわずか2日後の2月3日に、エー・チャン・アウン率いる11人のミャンマー人アーティストによって、フェイスブックを通じて配信をしながらライブペインティングされたものです。

H:アートピースには、手描きのイラストからデジタルアート、切り絵風のグラフィック、古典的なカートゥーンスタイル、アートをプリントしたTシャツまで、いろいろなアートのメディアム*や表現がありますね。多様だからこそ視覚的なメッセージの訴求や拡散のされ方も幅広いのだなと思いました。グラフィックならキャッチーさ、古典的なスタイルならアート鑑賞の意図でもエンゲージされるでしょうし。

K:どんなメディアムでも大歓迎ですよ。これまでたくさんのアートピースの形がありました。たとえばグラフィティや彫刻、折り紙、写真、コラージュ、モザイク 、変わったところではビスケットなんかもあったりします。

*アート作品の表現方法の分類。絵画、彫刻など表現素材によって分類されることが多い。


Works & Image by Pablito Zago




H:ビスケットまで! これらの作品でもって、アーティストたちはみんな自らのクリエイションを無償で、多くは匿名で(安全上の理由から)提供しています。RTFに参加する彼らの気持ちやモチベーションはどのようなものでしょうか。

K:実際にアートピースを提供しているアーティストで、RTFの設立メンバーでもある3人が言っていたことを紹介しますね。

私は映像制作の分野で長年働いてきました。このムーブメントにおいて、私が実際に盾を持ち前線でデモ活動をしても、役には立たないでしょう。私の役割は映像コンテンツを制作すること。私たちはこの戦いがまさに自分たちのためであり、民主的な革命を起こさなければならないことを十分に理解しています。国際社会はその“証人”になるのです。証人がいなければ歴史を振り返ったとき、なにが正しくてなにが正しくなかったのか、その確認作業をすることができません。これは私たち自身の闘いですが、すでに国境を越えた闘いなのです。

Maw Khun Thit(モー・クン・ティット)
「ラット・トーン・チャウン」ファウンダー / RTF設立メンバー
誰が最前線で闘っていても、ネット上で叫んでいても、象徴となるシンボルとアイデアがそこにある限り、私たちは前進することができます。それがアートの力だと思っています。人々がもつ複雑な感情は詩や言葉、絵画やアートにこめられており、人々はそれらのアートに込められたシンボリック(象徴的)な感情に共感しやすくなるものです。三指を掲げ、三指敬礼をモチーフとしたアートを制作し、それらを掲げる。そういった単純なことでもミャンマー国内、全世界に広がれば、誰も無視できないほど大きなムーブメントとなります。銃を抱える国軍は、私たちを容易に殺すことができるでしょう。しかし、我々のムーブメントは決して彼らには殺すことはできません。

Nyi Maw(ニイ・マウ)
「ラット・トーン・チャウン」ファウンダー / RTF設立メンバー
離れた場所(自国である英国)から傍観していると、ミャンマー国軍が自国民をどのように扱っているのかを知るたびにぞっとします。このような行為が続くことは許されることではありません。私たちにできることは、私が住んでいる国の政府にこの問題を提起すること、行動を起こしミャンマーの国軍へ圧力をかけること、そしてそれを維持することです。政治的な問題と寄り添うための芸術が、これまで以上に必要とされたことはないでしょう。

Carol Isaacs(キャロル・アイザック)
「プロフェッショナル・カトゥーニスト・オーガナイゼーション」メンバー

H:軍による独裁的な臨時政権下では、クリエイティブ活動をはじめ、さまざまな表現に規制が入っているのではと推測します。アーティスト活動もリスキーなこと?

K:その通りです。アーティストやデザイナー、映画製作者、詩人、ブロガー、俳優、歌手、インフルエンサーなど、社会的に発言力のあるクリエイターが軍部からの標的にさらされています。最近も2人の詩人が殺害されたばかりです。私たちの団体の創設メンバーや一緒に仕事をしていたアーティストを含め、多くのアーティストが拘束されたり、逮捕状を出されたりしている状況です。身を潜めているアーティストが大勢いるんですよ。

H:軍部のクーデターがクリエイティブ業界に与えた危機がそんなに大きなものだったとは。

K:軍部の検閲は、社会全体はもちろんのこと、特にクリエイティブシーンやメディアコミュニティに深刻な影響をあたえています。そんななか私たちは、プロテスト活動においてアートを存続し、みんなのファイティング・スピリットを維持したいと思っています。そして、不遇の状況にあるミャンマーのアーティストのために、世界的な連帯も生み出したい。

H:このようにアートを作り、見て、拡散して、という行為、つまり常にアートピースを「人々の目に映る・映す」ということはプロテスト活動にどう影響をあたえていると思いますか。

K:RTF創立メンバーの一人、モー・クン・ティットの言葉がまさにその答えになると思います。

アートはプロテスト活動において非常に実用的です。人々を活気づけ、感情に訴え、人々の団結を促進し、さらなる実行力をあたえることができると思っています。たとえば、「ブロークンダウン・カー・キャンペーン*」やミャンマー伝統の巻きスカート「ロンジー」をバリケードとした抗議活動**において、その動きは顕著だった。自分の主張を文章で説明するだけではなく、そこに絵や映像をくわえてクリエイティブなアートとすることで、より人々への訴求が強まり、彼らの心を動かすことができるのです。

*国軍や治安部隊の車両の通行を妨害するため、民主活動家がおこなったキャンペーン。ボンネットを開け放ち、プラカードやアートピースでデコレーションした多くの車で道路を塞ぎ交通を麻痺させるもの。

**国軍や治安部隊の侵入を防ぐため、あらゆる通行路に女性用のロンジーが吊るされた。男性が干してある女性用のロンジーの下を通ると不運が訪れる、というミャンマーの迷信を利用したもの。

H:ミャンマー国内の状況やクリエイティブによるプロテスト活動をインターネットを通じ、世界に向けて発信しつづける。そして全世界から集まったアートピースをプロテスト活動に利用する。まさに新時代の闘い方の一つ、という印象をうけます。

K:ミャンマーのこの状態が長引くにつれ、世界のニューストレンドのサイクルは日々めまぐるしく変化し、ミャンマーの出来事の重要度にかかわらず、時間の経過とともに、否が応でもみんなの注目は薄くなっていく。私たちは「ミャンマーの闘争がまだ続いている」ということが無視されたり忘れ去られたりしないように、平和と民主主義を求める人々の声に寄り添い続けたいと思っています。



H:RTFがスタートしてから、ミャンマーの若者世代の政治的主張の振る舞いの変化などは感じましたか? リアルの場でもネット上でも、感じたことがあれば教えてください。

K:若者世代についてというよりは、ミャンマーで活動するアーティストについての視点からでしたら。たとえば、Koolという名で活動している女性アーティストは、2015年に発足した民主政権以前の独裁的な軍事政権下に感じていた政治的な怒りや憤りを、今回のクーデターをきっかけに思い出し、積極的にアートピースやミームを制作しています。また、以前はグラフィックアーティストとして活動していたKaiというアーティストも今回のクーデターをきかっけに、政治的な訴えをおこなうアーティストに転身しました。彼のアートピースはムーブメントのなかで拡散されました。デモ活動の最前線で働く救急隊員のためのガイドなども制作しています。

H:RTFは、これから引き続きどのような連携や連帯で、アートピースを通しての運動を続けていきますか?

K:現在、デジタルアートや音楽、グラフィティなどのクリエイティブ分野を通じて、韓国や香港などから多くの支援をしてもらっています。また、非営利のクリエイティブコミュニティ「Art Help(アートヘルプ)*」やクリエイティブスタジオ「Fine Acts(ファイン・アクツ)**」とコラボレーションも続行中。これらの連携によって、RTFがより一層世界に拡散することを願っています。

*非営利団体のアートパブリッシャー。400万人のメンバーコミュニティを持つ。

**グローバルに展開する、クリエイティブソリューションによる社会的問題を目指す非営利団体のクリエイティブスタジオ。

Interview with Raise Three Fingers

All images via Raise Three Fingers
Eyecatch Image Graphic: Iori Inohara
Text by Kento Nakatoki
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

↓↓↓毎日お知らせ含めて配信中。HEAPS(ヒープス)の公式ツイッター↓↓↓

Share
Tweet
default
 
 
 
 
 

Latest

All articles loaded
No more articles to load