今週、一度もペットボトルに触らなかった人はあなた、もしくはあなたの周りにはいるだろうか(いや、いないだろう。漢文調で強気に反語だ)。現在、地球では毎分100万本のペットボトルが買われているのだ。そして、その91パーセントがリサイクルされていない*。2050年までには、海に流れるペットボトルを含めたプラスチックゴミは、魚の総量よりも重くなると見積もられている。リサイクル、の前に「リフューズ(Refuse、拒否)」、少なくとも「リデュース(Reduce、削減)をしないと…海がヤバイ。ということは地球がヤバイ。
*世界でみると日本のペットボトルのリサイクル率は高い。米国に比較すると約2.5倍。
でもまあ過激に訴えたところでねえ…資源のムダとわかっていても喉乾いたらコンビニで水買っちゃうよねえ。じゃあ、喉乾いてもいいようにウォーターボトルユーザーになって「みんなでペットボトルを消費する量を減らしませんか?」とはClosca(クロスカ)。彼らが提供するのはこれまでになく持ち運びに特化したマイウォーターボトルだ。
マイボトルやマイタンブラーの長続きしない理由に「だって、持ち運びが面倒…」。エコ対策にも推奨されたものの、日常的にドリンクをテイクアウトしている人たちの中で「実際にマイタンブラーを持参している人は全体の2パーセントにすぎない」。だって、その日に持ち歩くカバンに入らなかったらそもそも持てないし…。そこでクロスカは、マイボトルと取り付けのベルト(マグネット付)を一体化、自転車はもちろん、カバン、バックパック、ベビーカーなどに簡単に取りつけることができる。シンプルなデザインと機能性にこだわっているため「カバンに取りつけても落ちそうでイライラ」ということもない。また、ガラスの中で最も強度の高い一つ、ホウケイ酸ガラスを使用。衝撃に強く、耐熱性にも優れている。なのでウッカリ落としても問題なく、熱湯を注いでも問題ない。「すすぐだけ」で大丈夫なのも面倒くさがりにはうれしい。
華奢な鞄でもしっかり固定される。
さて、ここまでであればウォーターボトルが少し進化しただけかもしれない。クロスカがもう一点特化しているのは、公園やドリンクのテイクアウトが可能なレストランやカフェなど「給水ポイント」を登録していくアプリも併せてリリースしていること。ユーザーらが自ら給水所を追加していくシステムで、現時点ですでに世界中の56,000箇所が登録済みだ。現在地から最も近い給水ポイントを教えてくれるので、水分補給が多くなる夏場も「とりあえず買うか…」を避けられる。
マイボトルに「リフィルしてください」というお客さんが身近にいることで、レストランやカフェなどの提供側にも問題意識の共有が自然と行き届き、認知の拡大にも繋がる。遠い世界各地に同じウォーターボトルユーザーが繋がっていることも、見えないからこそのロマンある結託感が湧いてきたり。「ウォーターボトルのユーザーコミュニティを広げて、ペットボトルのゴミを減らしたい」というクロスカ、彼らが見ているコミュニティの広がりは世界だ。プラスチックボトルの問題は世界規模、であれば世界規模で繋がってポジティブに問題解決に取り組んで然り、か。
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Photos via CLOSCA
Text by HEAPS
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine