「サステナブル(持続可能)ファッション」。平たくいうところの「環境や社会にやさしいファッション」は、もはや“流行”なのかと思わせるほど、世界規模で浸透している。たとえば、30年保証付きTシャツ&スウェットや“子どもとともに成長する服”だったりと、大手ブランドや新ブランドもサステナブルを意識し、サステナブルな服が続々と誕生する。
ここまで世界を巻き込む「ファッション業界のサステナビリティ」だが、それを加速させたのは間違いなく、2013年バングラディシュの「ラナプラザ・ビル倒壊事故」だ。違法増築が原因で縫製工場ビルが崩壊、労働者1100人超が犠牲となった惨事は、ファストファッションがひた隠しにしてきた「工場労働者の劣悪な労働環境」を明るみにした出来事となった。
世界中が「自分の着ている服は誰が作ったんだろう」と気にしはじめる中、第一線でファストファッションの不透明さに警鐘を鳴らし続けてきたのが非営利団体「ファッション・レボリューション(Fashion Revolution)」。
「#whomademyclothes(#だれが私の服を作ったの?) 」のハッシュタグとともに、ファッション生産の裏側の透明化とサステナビリティファッションの啓蒙、これまでのファッションのあり方の革新を目指す彼らは今回、ジン『MONEY FASHION POWER(マニー・ファッション・パワー)』を作った。
「あなたのいま着ている服の裏側を暴く」をテーマに、「あなたの服にはどんなコストがかかってる?」「サステナブルな服を買うことでどんなポジティブな変化を実現できる?」など目から鱗な事実を含めながら、世界中のコントリビューターから集めた詩やイラスト、写真など、ジンならではの表現方法で綴(と)じる。
またインドやカンボジア、バングラディシュの工場労働者100人の賃金とその生活に密着したプロジェクト「GARMENT WORKER DIARIES(ガーメント・ワーカー・ダイアリーズ)」も掲載した。
ファストファッションの代表格、H&MやZARAでさえも「サステイナブル」を考える時代。新聞にもネットにもSNSにも“サステナブルファッション”、“アンチファストファッション”の文字が並ぶいま、「知らなかった」ではもう済まされない。『MONEY FASHION POWER』なら、いま考えるべきファッションを、一から丁寧に教えてくれるはずだ。
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All images via MONEY FASHION POWER
Text by Shimpei Nakagawa
Edit: HEAPS Magazine