2012年、米作家のスーザン・ケインがTED Talks(テッド・トーク)で発表した「内向的な人が秘めた力」というタイトルのスピーチをご存知だろうか。
社交的で活動的、いわゆる外向的な人が評価され「内向的な人」に対して偏った見方を持たれやすい米国社会(世界各国の社会にもいえると思うが)で、「いやいや、内向性って実はね…」と、その誤った認識に異を唱え、内向的な人々の素晴らしさを説いたスピーチだ。
そんなスピーチのように「内向的でもいいじゃん」と肩に手を置いてくれるような一冊のジンがある。カリフォルニアの漫画家で“内向き”な女子、エリカ・スジュール(Erika Sjule)が自身の体験を元に作った『Looking Inward(ルッキング・ インワード)』だ。
誌面では、内向性にまつわる研究や逸話、内向的な著名人の発言などにイラストを添えて彼女なりの“内向的とは”を定義。心理学者カール・ユングが提唱した「内向的・外向的」という概念についての小難しい話も、心理学を学んだ経験のある作者がイラストつきで紹介してくれるので気軽に読める。中でもオススメは「内向的な人が言われ飽きていること」など、“あるあるネタ”漫画。
あのマハトマ・ガンディーやアインシュタイン、ビル・ゲイツ、さらにオードリー・ヘプバーンやエマ・ワトソンまで内向的人間だと言われている。
内向的な自分・あの人は、根暗でコミュ障…、と決めつける前に。まずは「内向的」の意味を履き違えていないか自問自答してみよう。ジンを読んだ後には、きっと内向的ってそんな悪くないんだな、と思えているはず。
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All images via Erika Sjule
Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine