ニューヨーク在住17年、週に4度のライブハウスを欠かしたことはない。
行ったライブハウスの数はもはや200を越える…(と思う)。
そんな音楽ライター、サワイ・ヨウコが独断と偏見で選ぶ、いま聴いておきたい、知っておくべき現場のインディーバンド。
#017
毎日がハロウィン? シアトリカル・バンド
「VIENNAGRAM」
![IMG_1951](https://heapsmag.s3.amazonaws.com/wp-content/uploads/2016/08/IMG_1951.jpg)
VIENNAGRAM 7/6/2016 @ Good Room
インディーバンド、と言ってもいろんな種類がいる。VIENNAGRAM(ヴィエンナグラム)は、ディズニーランドのような娯楽を提供する、フリーキーなシアトリカル・バンドである。現メンバーは3人で、キーボード、ベース、ドラム。
何といっても、ベーシストはマジシャンで持っていたコインを触らずに曲げたり、鼻に長〜い釘をドンドン打ち込んでいったり、ビックリ仰天な技を披露する。
![IMG_1948](https://heapsmag.s3.amazonaws.com/wp-content/uploads/2016/08/IMG_1948.jpg)
“VIENNAGRAM”のお楽しみショー、といった、ショーのはじまりを告げるインスト音楽が流れメンバーが登場。曲は、魔法にかかったといおうか、サウンドトラックのような、シアトリカルでポップな曲が大半。ドラマーがヴォーカルを取り、一曲終わるたび背後にふっ飛び、コスチュームを変える。バッドマンだったり、ドラキュラだったり、赤だったり金だったり、とにかくキテレツなのである。ドラマーが首をかしげながら、操り人形のように歌うのを見ていると、自分まで催眠術にかかってしまいそうになる。
![IMG_1927](https://heapsmag.s3.amazonaws.com/wp-content/uploads/2016/08/IMG_1927.jpg)
![IMG_1976](https://heapsmag.s3.amazonaws.com/wp-content/uploads/2016/08/IMG_1976.jpg)
![IMG_2032](https://heapsmag.s3.amazonaws.com/wp-content/uploads/2016/08/IMG_2032.jpg)
ドキドキ、ワクワク、これ、新しい体験。
彼らの物販コーナー(手書きのポップだらけ)だけが、一つのお店のように独立し、ショーが終わると、ベースプレイヤー(マジシャン)がそこに飛んで行って物販を売る。ビジネスもキチンとするヘンテコ・バンドは、ロードアイランド州プロビデンスに生息する。プロヴィデンス、やはり恐ろし。
![IMG_1995](https://heapsmag.s3.amazonaws.com/wp-content/uploads/2016/08/IMG_1995.jpg)
Phots by Tetora Poe
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サワイ ヨウコ/Yoko Sawai
ニューヨーク在住歴17年の音楽ライター。音楽イベント企画、メディアコーディネイト、レコード・レーベル経営(コンタクト・レコーズ)。ブルックリン・ベースのロックバンド、ハード・ニップスでも活躍。hardnipsbrooklyn.com