街のゴミ箱からまだ使えるものを救出する「ダンプスター・ダイビング」。遡ること6年前、ヒープス編集部は「ダンプスター・ダイビングツアー(ゴミ箱ダイブ)」*に取材で参加した。月に2回の活動日をフェイズブックで確認し、その日は老若男女15人以上が集結。夜9時半からオフィス街のゴミ箱を順々に巡り、通行人から好奇の目にさらされながらもゴミ袋を開けては漁り(そして閉じ。開ける前より綺麗に、を徹底)廃棄物を救い分け合う、を2時間行った。
大量消費への反対、資源の無駄遣い、労働の搾取や動物の権利を無視した購買への反対——これらへの表立った意思表明やアクションがまだしばしば過激とされていた当時は、少数派の変わった活動というのが正直なところだったように思う。
しかし、いま、そこに新たなダンプスター・ダイバーが加わっている。
「自分ではいらないけど、使えるものを救ってコミュニティに寄付してる」
「私たちの世代って、気候変動や食品ロスだったり、社会問題にしっかり声をあげるじゃん?」
「よりサステナブルな習慣を持つから、環境に良いダンプスター・ダイビングにも従事するんだろうね」
団体から単独での活動へとシフトし、よりカジュアル化しながら、昨今の社会課題への意識が後押しとなって、ダンプスター・ダイビングにも変化が起きている。TikTokでその実践を共有している二人組に、話を聞いてみたい。
*弊誌が参加したのは編集部のある米国ニューヨーク州マンハッタンにて。米国ではすべての州でダンプスター・ダイビングは合法とされているが、そのエリアでのルールで禁止されていたり、おこなった状況によっては“違法になる場合”もある。国によってはそもそも違法であり、私的妨害及び窃盗とみなされることもある。
週1で10ヶ所巡る2人組に聞く。TikTokで動くダンプスター・ダイバー・ライフ
ダンプスター・ダイビングは大型ゴミ容器(米国でよく目にする、大人の身長をゆうに超えるどデカいゴミ収集箱)、ダイビングは潜るという意味。文字通り「ゴミ箱へダイビング」すること。想像に難くないが、その活動とは量販店が出したゴミ箱(またはゴミ袋)を漁り、まだ使えるものや食べられる廃棄物を持ち帰るというもの。80年代からはじまったとされ、そこには「資源の無駄遣い」や「労働の搾取」「動物の権利を無視した購買を控える」というフリーガニズム*が関係している。
*Freegan(フリーガン)は、「Vegan(ビーガン)」と「Free(フリー:自由、無料)」を掛け合わせてつくられた造語。
フリーガニズムを実践する人、経済的な理由を持つ人または単に節約したい人たちが合流して「ダンプスター・ダイビング」はおこなわれてきた。大量消費・大量生産への反対、廃棄物削減や生活費節約など目的はさまざまだが、いずれも根底には「もったいない」がある。
数年前、ダンプスターはとにかく「少数派」で、ゆえに集まって活動していた。エリアごとのウェブサイトやフェイスブックグループに活動日を書き込み、コミュニティで集まり、みんなでダンプスターポイントを順々に巡っていく。参加してみて、効率が悪いということもわかった。日用品が欲しい人、食料品が欲しい人はそれぞれなのだが、一緒に周回するために、お目当てのポイントに辿り着くまでに時間がかかる。かといって、隠し撮りされたり冷やかされたりもするので1人でやるには勇気がいる。団体だからできる、という印象もあった。
しかしいま、TikTokでダンプスター・ダイブのスキルや知識を共有し合い、単独(1人、もしくは2、3人など少数)で、それぞれが行きたいゴミ箱をピンポイントで漁ることにシフトしているようで驚いた。実際、TikTokの「#dumpsterdiving」動画の視聴回数は約1億回にものぼる。
なかでも今回話を聞いたポートランド拠点のビン・ビッチーズは一際人気だ。ルームメイトであるZ世代のコートニー(24)とミレニアル世代のリア(30)からなる女性の2人組で、素早くゴミ箱を漁る様子や持ち帰った廃棄物紹介、まだ使える商品を捨てる企業をあえてタグ付けし注意喚起する動画なんかを投稿。それらが話題になり、アカウント開設から9ヶ月でフォロワーは2万8,000人を超えた。
コートニー(左)とリア(右)。
HEAPS(以下、H):なぜ2人はダンプスター・ダイビングをはじめたんでしょう?
Courtney(以下、C):パンデミック中、暇潰しにTikTokで動画をいろいろ見てたんだけど、そこにダンプスター・ダイバーのコミュニティがあって。その動画を見まくっているうちに「うちらもやってみる?」って感じで。
Leah(以下、L):特に影響を受けたのは、テキサス在住の女性ダイバー。毎回たくさんの廃棄物を持ち帰ってくるわけ。「テキサスだからできるんだろうな。環境に配慮している人が多い印象のポートランドでは難しいかもな」なんて思いつつ。
H:なるほど、ポートランドではそもそも廃棄が少ないかもですね。テキサスは米国で2番目に大きい州ですし、大型ストアやチェーン店なども多く廃棄物を出す店の数も比例して多そうです。2人は昨年の暮れ、大型百貨店チェーンのノードストロームのゴミ箱へ初ダイブ。
C: TikTokで多くのダイバーたちが大量の廃棄物を見つけていたのが、ノードストロームやバス&ボディー・ワークス(ハンドソープやボディクリームなどのボディケア商品を販売する米国のチェーン)。だから、ノードストロームが入っているショッピングセンターに行ったんだ。すぐにバッグや下着、新品の子ども用テニスシューズや180センチ以上のキャットタワーなんかを発見。しかもタグ付き。「ポートランドでもできるじゃん」って。
初ダイブで持ち帰った戦利品。
L:服はほとんどボロボロに切り裂かれてた。縫えば使えると思って持ち帰ったけど。
H:ボロボロに。そういえば雑貨チェーンのベッド・バス・アンド・ビヨンドのゴミ箱には潰されたりスプレーされている廃棄品がありましたね。これって店側の意図的なダンプスターダイバー回避策?
@binbitches Seriously @bedbathandbeyond this is beyond reason 😡🖕 ##dumpsterdiving ##bedbathandbeyond ##crockpot ##fyp ##binbitches ##trash ##dumpster ##bbb
C:そう。まだダンプスター・ダイビングをはじめたての頃、ベッド・バス・アンド・ビヨンドの店員2人が、ショッピングカートいっぱいの商品にスプレーかけたり、ナイフで切り裂いてゴミ箱に投げ込むのを見たことがある。
L:シロップや粘着性のあるものを付着させたりもしてるね。
C:そうそう! ロボット掃除機ルンバを3つ見つけたことがあったんだけど、どれも配線部分にシロップがぶっかけてあってた。
H:店側、そんなことしてるんだ。初ダイブ前って、やっぱりいろいろ準備したんですか。
C:な〜んにも。
L: 手袋も、ゴミを掴む道具も、持って行かなかった。唯一持って行ったのはハンドサニタイザー。
H:意気込んでのぞんだというより、様子見程度で行った感じだ。ダイブ経験を重ねたいま、絶対に持って行くものはある?
L: ガラスの破片から身を守るため、ゴミを掴む道具「グラビークロー」は何個か持ってるよ。おかげで廃棄物も取りやすい。
C:特にバス&ボディー・ワークスでは、よく割れたガラスが散乱しているからね。あとハンドサニタイザーとタオル、念のため救急箱を車の中に置いておくのもいいね。
L: もしゴミ箱の中に入るなら、サンダルではなく靴を履くこと。濡れてるものもあるから、ウォータープルーフだとなお良し。ちなみにうちらがダイブするのは日中だけ。その方が(視界が良くて行動しやすいから)快適だよ。
@binbitches Pt 1 of our first soup bag finds from @ultabeauty ✨💦
これがグラビークロー。
@binbitches 1000 follower! For thanks, here's a throwback to a first ✨ ##fyp ##reuserecycle ##feelingood ##thankyou ##trash ##garbage ##dumpsterdiving ##donatedontdump
H:コートニーがゴミ箱の中に入って漁る動画を見ました。臭くないんですか。
C:臭くないよ。うちらは食料品店ではなく衣料品店や日用雑貨店のゴミ箱にダイブすることが多いから。彼らが出す廃棄物のパッケージは、ほとんどがプラスチックだしね。集合住宅のゴミ箱にダイブするダイバーもたくさんいるけど、うちらはまだその領域ではない。
L:ちなみにペットスマート(米国のペットグッズストアチェーン)はいつも臭いよ。ドッグフードの臭い。夏の暑い日は特に…
@binbitches @petsmart haul 😿 ##scavengers ##dumpsterbabes ##freegan ##binbitches ##dumpsterdiving ##donatedontdump ##trash ##petsmart
H:いま、どれくらいの頻度でダイブしてるんですか。
L:最初は週2だったけど、いまは週1。でも毎回、少なくとも5〜10ヶ所は回る。
C:1ヶ所しか行かないってことはないね。 週に1度、数時間かけて見つけた廃棄物が車に入る限り街を徘徊する。
H:それぞれ1人で行くことも?
C:私は何回か1人で行ったことがあるんだけど、やっぱり誰かがいた方が断然いい。特にゴミ箱に入っちゃうと少し不安になる。もしゴミ箱から出れなくなったら、とか、怪我をしたら、とかを考えるとね。
L:見つける人と運ぶ人がいた方が簡単だよね! 見張りもいると安全。初めて挑戦するなら、相棒を連れて行くことをオススメする。1人で行くダイバーもいまたくさんいるけどね。
@binbitches How many times do you have to hear the word empty before it sounds fake 🗑️ ##dumpsterdiving ##fyp ##garbage ##stepbystep ##dumpsterdiver ##empty
H:向かった先のゴミ箱が、すっからかんだったことも多々ありますよね。廃棄日や時間を狙ってダイブしているわけではないのかな。
C:気分次第。朝起きて「今日行こっか?」「うん行こ」みたいな。
L:天気の悪い日は絶対行かない。
C:うちらは、TikTokで人気のほかダイバーほど戦略的に活動しているわけではないかな。店の閉店時間は知ってるから、その時間に合わせて行くことはあるけど。それでも廃棄物は見つかるよ。
H:お決まりのルート、ある?
C:ベッドバス&ビヨンドを中心に、その周辺を走って、気になった店をチェックする。うちらの経験上、ベッドバス&ビヨンドは一番廃棄物が多いから。
H:へぇ。ベッドバス&ビヨンドで見つけた最近のお気に入り、教えてほしい。
L:シャークニンジャ(米国の家電ブランド)のノンフライヤー。300ドル(約3万3,000円)くらいするんじゃないかな? 実はこれもダイバー回避策でコードがぶった斬られてた。でも、ユーチューブのチュートリアル動画を見て簡単に修理できたよ。
H:すごい。ダイブするのは気分次第と言っていたけど、食料や日用品が不足したときに向かうことも?
L:ノー。
H:てことは、生活費削減のためにダイブしているわけではない?
L:シャークニンジャのノンフライヤーみたいに自分たちで使うこともあるけど、ほとんどはコミュニティに寄付してる。
H:へぇ。TikTokで人気のジョージア拠点ダイバー、ニッキーはゴミ箱から見つけた廃棄物を販売するビジネスをしてますよね。てっきりビン・ビッチーズも、生活費削減か利益収入が目的かと思ってました。
L: うちら、利益を上げられるほど活動的じゃないから。もし利益を出したいなら、1日2回はダイブしなきゃなんじゃん? うちら2人ともフルタイムの仕事があるし、ダンプスター・ダイビングが収入源ではない。「Buy Nothing(バイ・ナッシング)」って知ってる?
H:聞いたことあります。
C:近所のコミュニティに特化して、ソーシャルメディアで物々交換をするんだ。欲しいものを投稿して、それを持っている人が返信し提供するって感じ。無料でね。
L:うちらはまだ使える廃棄物をゴミ箱から救出して、こういうプラットフォームを利用して寄付してる。販売はしないよ。家の近くにホームレスの人たちが住むエリアがあったから、食べ物は彼らにあげてたし。
C:ストリートに無料の小さなパントリーボックスを作って、食べ物を入れたりもする。うちらだけで持ってて、結局食べ切れず賞味期限が切れて無駄になる、とか嫌じゃん?
L:ポートランドでは、「Really Really Free Market(リアリー・リアリー・フリーマーケット)」っていう新しいイベントもある。
H:「マジで本気の無料マーケット」。
C:毎月最終日曜に、たくさんの人が公園に食料や服、雑貨や植物なんかを持ち寄る巨大なコミュニティイベント。そこにあるものは文字通りすべて無料。アートをする人もいれば、温かい料理を作ってくれる人もいる。で、欲しいものがあれば持ち帰る。欲しいものが他の人とかぶったらジャンケン。
L:うちらもダイブでゲットした廃棄物を持ち寄って参加したけど、服やおもちゃはほぼなくなった。
H:2人がダイブする目的は、廃棄物削減とコミュニティのためなんだ。ところでビン・ビッチーズがダイブする際の、マイルールってあるんです?
C:監視カメラがある場合、5分で済ます。それ以上いると警備員が来きちゃうから。
H:警備員といえば。ダンプスター・ダイビングは米国の50州で合法だけど、エリアのルールやその時の状況によってはダイバーが私有地への侵入で逮捕される可能性もあると聞きました。
L:うん。でも個人的には、廃棄物削減の手助けをしているんだから感謝されるべきなんじゃ、と思ってる。「商品が欲しいなら金を払って買え」ってよく聞くけど、それ、論点がズレてるんだよね。うちらがダイブする理由って、まだ使える廃棄物を減らすこと。店側とうちら、どっちが最終的に良いことをしていると思う?って感じ。
C:低所得者層への攻撃のようにも感じちゃう。困っている人たちがいるんだから、わけあたえればいいじゃんね。
H:なるほど。警備員にバレたことある?
C:あるよ。前にね、オレンジでいっぱいのゴミ箱を漁る様子を撮影中に、駐車場にいたモールの客が警備員を連れてきた。でもその警備員は理解のある人で、「残念だけどこれ以上続けさせられない。持ってるオレンジは持ってっていいから帰って。じゃないと警察を呼ばなければいけないから」って。
L:ダンプスターがダイブした後の方が、ゴミ箱が綺麗になるのにね。
@binbitches A very una-PEEL-ing amount of Oranges in this dumpster PT. 2 🍊 ##garbage ##scavengers ##justeatit ##dumpsterdiving ##citrus ##fyp
H:ビンビッチーズのTikTokフォロワーは約3万人。どんなダイバーたちと繋がってるのか気になります。
C:ダイバーたちとはメッセージでやり取りすることはあるけど、めっちゃ繋がってる!ってわけではない。うちら、TikTokをはじめてまだ半年(取材は6月)。TikTokで精力的に活動しているアメリカ人ダイバーは、ざっと40人くらいかな? テキサスやニューヨークには多いけど、西海岸には少ない印象。ここポートランドではうちらくらい。
L:ヨーロッパのダンプスター・ダイビングシーンは大きいね。でもTikTokで動画を見るに、うちらみたいに衣料品店や日用雑貨店ではなく、食料品店にフォーカスしてる。ダンプスター・ダイビングというより、フリーガニズム寄りの印象。
H:ふむ。ダンプスター・ダイビングはフリーガニズムを実行する人たちの活動の一つといわれる節がありましたが、二人にとっては印象が違うんだね。ポートランドには2人以外いない?
L:TikTokで繋がってるダイバーはいないねぇ。
C:テキサスのダイバーたちは、ディスカウントスーパーチェーンのアルディで大量の廃棄物をゲットするのが定番みたい。でもここポートランドにはアルディがない。拠点って、ダイバーの数やゲットできる廃棄物の量を左右するよね。
H:二人はTikTokの動画をみてはじめたわけですが、今度は二人の影響を受けてダンプスター・ダイビングをはじめたフォロワーっているのかな?
C:え〜、聞いたことないなあ。コメントでやり取りしたり、興味はあるけど踏み出せないというフォロワーたちとはダイレクトメッセージでもやり取りしているけどね。それが彼らを実際の行動まで後押しできているかはわかんないから、もしいたら教えてほしいな。それって超クールじゃん?
H:数年前のニューヨークで、私たちの編集部からも二人、ダンプスター・ダイビングに参加したんですよ。当時は、ダイバーたちが集まってダンプスターポイントを順々に周回して行くのが主流でした。でも、それこそ日用品や電化製品、食料品が欲しいものはそれぞれなので、お目当てのゴミ箱一つに行き着くまでに数時間はかかった。とはいえ、団体だからできる部分もあったんですよ、やっぱり人の目も気になったし。
最近ではTikTokでそれぞれのスキルや活動を発信することで、単独や少人数で、ピンポイントでお目当てのスポットに行っているようで、驚きました。なんか、カジュアルに行うものになっている印象です。
C:間違いなくソーシャルメディアのおかげでこういう活動にアクセスしやすくなったよね。それにいまの若い世代って、気候変動や食品ロスだったり、社会問題にしっかり声をあげるじゃん? これまでの世代に比べてはるかに行動的だしオープン。だからよりサステナブルな習慣を持ったり、環境に良いダンプスター・ダイビングのようなことに従事するんだよね、きっと。
H:Tiktokでの活動シェアは、フェイスブック時代よりもかなりカジュアルな感じがあるけど、それも世代なんですかね。
L:TikTokやIGといった特定のプラットフォームだけを見ていると若者が多く見えるかもだけど、年齢関係なくダイブしている人はたくさんいるよ。
C:前に、マイケルズ(米国とカナダで展開するアート&クラフトチェーン)に1人でダイブしに行ったとき、私のおばあちゃんくらいの歳の女性ダイバーがいた。踏み台とゴミを掴む道具「グラビークロー」持参で、服装もかなりカジュアルでいい感じのトラックを運転してた。
H:インスタグラムでは「#dumpsterdiving」の投稿数が12.7万なのに対し、TikTokの「#dumpsterdiving」の視聴回数は約1億回。なんでティックトックを介しての情報共有がこんなにも人気なんだろう。
C:これは私の個人的な意見だけど、インスタって知りたいことがあるときに、それをいちいち検索しなきゃなんだよね。気になるアカウントを探したり、それが信頼できるアカウントか確認したうえでフォローしたり、ハッシュタグ検索したり。これってすでに興味を持っていることが前提じゃん? でもティックトックはアルゴリズムに基づいてランダムにフィードに現れる。あなたが興味があるかどうかに関わらずね。
L:インスタでは興味のあるものを意図的に検索する必要があるけど、TikTokはとりあえずまず表示してくれる。だからビン・ビッチーズも、インスタフォロワーは1,000人以下だけど、TikTokのフォロワーは3万人近くいるんだと思う。
TikTokでの方が、みんなそれぞれ違った方法でコンテンツを消費していると思うんだよね。個人的には、作り込まれてかつキュレートされた印象のインスタより、ささっと撮った感じのいろんな動画をTikTokでスクロールしている方が好き。
H:TikTokを通じてほかのダイバーたちと共有できるものには、スキルと情報以外に何かある?
C:うちらはメッセージでお互いの活動を伝えて、応援しあって、モチベを高めあったりする。
L: 逆にTikTokの動画からは受け取れていなかったのが、実際に膨大な廃棄物の量を目の当たりにしたときの感情。これには準備ができていなかった。特にそれが食べ物だったときは、精神的にかなりキツかった。
H:ビン・ビッチーズが、これからダンプスター・ダイビングに興味を持っているフォロワーに伝えたいことはある?
L:「Just go try it(とりあえずやってみよう)」かな。
C:私も同じこと言おうと思ってた(笑)。 おもしろくなかったり、ストレスを感じたり、好きになれなかったらそれでいい。逆に気に入ったら新しい趣味になるわけだし。
H:新しい趣味。
C:ダンプスター・ダイビングって、人にも地球にも良いことでしょう。動画を見て興味は湧くけど、躊躇してなかなか踏み出せない人って多いと思うけど、そんなときはとりあえずやってみよう。
L:ソーシャルメディアにおけるダンプスター・ダイビングのコミュニティって、まじでポジティブなスペースなの。インターネット上にはネガティブなものがたくさんあるけど、ここにはそれが一切無いし、みんなが前向きで協力的。ビン・ビッチーズもずっとそうでありたいな。
H:ビン・ビッチーズの廃棄物だけを利用して作ったレモネード作りの動画なども、ポジティブでたのしんで活動していることが伝わりましたよ。
C:ありがと! 炭酸水メーカーもレモンも製氷器も、全部拾ってきたものだよ。
L:うちらなりのコンテンツを発信することで、廃棄物の一部はゴミではなくまだ使えるんだってことを知ってほしいな。
Interview with Courtney and Leah of Bin Bitches
Images via Bin Bitches
Text by Sako Hirano
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine