新しい寄付のかたち〈気候変動へのアクションを“定額支払い”〉。毎月1000円からの「環境サブスクリプション」

毎月、アクションを“届ける”サブスクリプション。
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定額払いで、一定期間サービスを受けるサブスクリプション。みんなの生活にすっかり浸透したいまこんなものが登場している。

「環境のために何かしたい。でも、何をしたらいいのかわからない」という人に向けの〈環境保護サブスクリプション〉。1,000円を支払うことで、自動的に毎月環境保護のためのアクションに繋がる。ネットフリックスやアップルミュージックを“サブスク”する感覚で、環境のために“寄付”できるサービスなのだという。

二酸化炭素削減プロジェクトを月々支援のサブスクプラン

 “寄付”のハードルを下げるプラットフォームが、近年、続々誕生している。デーティングアプリのように、右へ「興味あり」左へ「興味なし」とスワイプすることで、興味ある慈善団体に寄付できるアプリなど。どこか敷居の高かった寄付が「手軽・少額・スマホ1台でOK」になり、現代のライフスタイルに溶けこむかたちに姿を変えている。

 寄付×デートアプリの次に、“寄付”が手を組んだのが「サブスクリプション」だ。「気候変動へのアクションをおこすため、サブスクしましょう」と呼びかけるのは、二酸化炭素の削減に貢献できるノルウェー発サブスクサービス「Chooose(チューズ)」。月々の支払いを通して、「環境問題に取り組むプロジェクト」を支援できるというのだ。


(出典:CHOOOSE Official Website

 サインアップしてサブスクライブすると、その料金がチューズが提携するプロジェクトへの資金援助になる、という仕組み。3つのプランがあり、月額9.90ドル(約1,100円)の「クライメイト・ポジティブ」、19.80ドル(2,200 円)の「クライメイト・チャンピオン」、39.90ドル(約4,450円)の「クライメイト・ヒーロー」などのネーミングも工夫し、気候変動に直結することがイメージできる。
 チューズが支援しているのは、発展途上国にて再生可能エネルギーを導入する二酸化炭素削減プロジェクトだ。これまでにも、「インドの太陽光発電設置プロジェクト」や、「ベトナムでおこなわれている風力発電建設プロジェクト」を支援。さらに、工場から排出されていた有害メタンガスの処理に成功し、年間2万トンもの二酸化炭素排出を防いだタイのプロジェクトにも経済援助をしてきた。ちなみに、1トンの二酸化炭素は、直径10メートルの巨大風船ほどの量。“2万個の巨大風船ぶんの量”を削減できた、と聞くと、そのとてつもない量がイメージしやすいだろうか。



 

支援プロジェクトは、すべて国連認定。透明性が「一番重要です」

 個人に代わって、気候変動へのアクションを起こすプロジェクトに支援代行をしてくれるチューズ。環境保護のための行動はしたいけど、どうしたらいいのかわからない…という人にはグッドなサービスだが。いや、ちょっと待って。毎月支払っている自分のお金は、きちんとそれらのプロジェクトに使われているの? これらのプロジェクトって、本当に信用性があるものなの?

 それに対してチューズは、「“透明性”こそが、あなたのチューズへの信頼への、一番重要な鍵となると認識しています」。チューズの支援プロジェクトは、すべて国連から認定されたもので、国連の定めるSDGs(エス・ディー・ジーズ、持続可能な開発目標)から最低でも3つの目標に該当しているもの。さらに、国際環境NGO「ゴールド・スタンダード」が制定した基準(気候変動や他のサステナビリティで企業やNGO、政府のプロジェクトを評価する)も満たしているものとなる。

 その前提の条件をクリアしたプロジェクトから、カーボンマーケット(炭素市場)*を熟知したエキスパートたちをアドバイザーに迎えて、慎重に選考しているという。このような厳密なる審査のもと、サブスクライバーから月々に支払われるお金を、信用あるプロジェクトに届けることを徹底すると話す。


@chooosetoday

 また、月々の支払いがどれくらいの環境インパクトをあたえているのかも、わかりやすく説明。9.90ドルのプランなら、「ロンドン〜オスロ間(北海道ー大阪ほどの距離)のフライト11本分」、19.80ドルのプランなら22本分、39.90ドルのプランなら44本分の二酸化炭素排出量の削減に値するという。

*炭素排出に価格を付けることでCO2排出削減を促すための市場。

 サブスクといえば、これまでは月々定額払いで一定期間、自分にいいサービスを「受けられる」のが魅力的だった。が、チューズは真逆の発想。月々定額払いで一定期間、環境にとっていいことを「あたえる」サブスクリプションなのだ。

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Eyecatch Image by Midori Hongo
Text by Ayano Mori
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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