ラムネでもサプリでもないよ〈タブレット化した歯磨き粉〉。海にも捨てられていた歯磨き粉チューブを、ずっと使える“瓶入り”に

タブレット式だと、必死にチューブを最後まで絞り切る必要もないってことですね。
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歯磨き粉って、ペーストなのにどうして「粉」っていうんでしょう。もともとは粉状だったことの名残りらしいですね。粉からペースト状になって、今度はラムネのようなかたちになりました。ミント味とベリー味。カリっと噛んでゴシゴシすると、口のなかが泡泡になるらしい。

年間10億個が廃棄?そういえば、歯磨き粉の詰め替え用って見たことない

 このラムネみたいな歯磨き粉が、従来のチューブ式に比べて環境配慮の優等生として注目を集めている。これまでの一般的なチューブ式、米国では年間10億個以上が廃棄され、超高層ビルのエンパイア・ステート・ビル(アリシア・キーズの「ニュ〜ヨォ〜ク」でお馴染み)50棟分以上の量が埋立地へ運ばれるか、そのまま海に廃棄されるという。歯磨き粉のチューブはリサイクル不可能で、分解されるまでに500年以上を要する。ストローやビニール袋の影に隠れて目立つ前ことはなかったが、実は大きな環境負荷をあたえていた。

 昨今、そこに続々と登場しているのがタブレット式の歯磨き粉だ。昨年カナダのスタートアップ「チェンジ・トゥースペースト」は「スペアミント・トゥースペースト・タブレット」を販売開始。ウニュ〜と出てくるアレではなくタブレット式の歯磨き粉で、プラスチック製のチューブではなく瓶入りが紙袋に入っている。バス用品メーカーとして知られる「ラッシュ」もタブレット式を販売しているので、日本でも購入しやすい。
 なかでも頭一つ抜きん出て環境志向派から人気を集めているのが、2018年に登場した米国のスタートアップ「Bite Toothpaste Bits(バイト・トゥースペースト・ビッツ)」の商品だ。ちょっとしゃれたサプリメントっぽい(ラベルデザインはなんとなーく「イソップ(Aésop)」風?)。タブレットなので、最初の1個目以降は詰め替えで購入できる。詰め替えるだけの動画(楽チンそう)は再生回数2万を超えていた。さて、このラムネみたいな歯磨き粉の使い方はこう。


1、口にポイッと放り込む

2、ガリっと噛むと、シュワシュア〜と泡立つ。

3、いつも通り歯ブラシでゴシゴシ

 これだけ。ひと瓶62粒入り(1日2回で換算して、1ヶ月分)。原料はすべて自然由来のものを使用し、環境への配慮を徹底している。定期購買を利用すれば4ヶ月に1回、玄関先に詰め替え用が届く。
 歯磨き粉の味の種類は、定番のミント味「Fresh Mint(フレッシュ・ミント)」に、ホワイトニング効果がある「Fresh Mint with Activated Charcoal(フレッシュ・ミント・ウィズ・アクティベイテッド・チャコール)」、子ども用のベリー味「Berry Twist(ベリー・ツイスト)」の3種類。磨いていくうちにできる泡で、歯磨き嫌いな子どももたのしめそうだ。
 タブレット化された歯磨き粉のいい点は、持ち運びも便利なこと。錠剤ケースに2、3粒入れればいいだけなので、旅行にもいちいち詰め替えチューブを買う必要はない。旅行だけでなく、会社やデートにも1粒だけ持っていける仕様は重宝されるかも。


“捨てるモノ”の包装は、どこまで減らせる?

 近年急速に広がる「ゼロ・ウェイスト」ムーブメントは、すでにある廃棄物やゴミをどう処理かではなく、「ごみを生み出さない生活をしましょうよ」という考え方だ。リサイクルはもちろんすばらしいけれど、「ゴミを出さない」ができれば、もっといいと思いませんか? と、個々人の生活で、無駄・ゴミ・浪費をできるだけなくしていくことをすすめる。このムーブメントは、もちろんだが「ゴミを出さなくて済む商品」を作る企業やブランドの増加と足並みをそろえて拡大している。

 以前紹介した、“ゴミを出させない”をコンセプトにするパッケージ・フリー・ショップは、何度も使えるステンレスのストローや竹でできたコーヒーカップなどの品揃えもそうだが、シャンプーやボディーソープ、洗剤などの液体や粉状のものは「容器持参の量り売り」を徹底した“ゴミを出させない買い物スタイル”が、原点回帰しつつ新しかった。この店では、歯磨き粉など容器のゴミが頻繁にでる商品は、ワークショップを開いて自分で歯磨き粉を作ることをすすめていた。が、なんせ忙しい現代人、やっぱり買うという選択肢があったほうが浸透するし、同店のオーナー二人も「『ゼロ・ウェイスト』という概念をビジネス化する。非常に深刻で一刻も早い解決を必要とする現代のゴミ問題に、ビジネスほど影響力のあるものはない」と言っていたっけ。


@bitetoothpastebits

 今回のタブレットになった歯磨き粉で、歯磨き粉チューブを捨てないという選択肢ができた。っぽくない見た目が◎、タブレット式で持ち運び便利、ゴミは最小限。〈ラムネみたいな歯磨き粉〉は、歯にも生活にも環境にもいいのだ。

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All Images via Bite
Text by Ayano Mori
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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