シムシティ(*)の世界だけだと思っていた。頭のなかに思い描いた“理想都市”を、誰でも簡単に作りあげることができるなんて。
*リアルタイム都市経営シミュレーションゲームシリーズ。プレイヤーは市長となって、住宅地・商業用地・工業用地の土地区画や、電力や水道などの公共施設、道路や鉄道などの交通網をうまく配置して、さまざまな問題に対処しながら都市を発展させてゆく。
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ピンクに黄色、水色のパステルカラーが鮮やかなフォルムも可愛いブロックたち。一見、お城が作れそうな子どものおもちゃに見えるが、実はこれ、ずぶの素人から子ども、そしてプロの設計士まで、万人が対象の都市設計模型「Arckit(アークキット)」という。
「都市模型」と聞くと、いやあ建築のケの字も知らない…なんて持つ前から匙を投げそうだが、ご安心を。アークキットは、専門的なノウハウや込みいった知識は一切不要。必要なのは「自由な都市アイデア」のみ、と潔い。従来の建築模型に必要な接着剤や工具も一切必要ない。
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「アークキットは、まさにみんなで都市計画を考えられるツール。我々が将来に必要な理想的な環境を一緒に作りあげていくことができます」と、建築家でアークキット開発者のダミアン・マーター(Damien Murtagh)。
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組み立て方はいとも簡単、「ブロックを組み合わせるだけ」。子どもたちがレゴのような遊び感覚でお家やお店を作ることもできれば、プロの都市設計家が、昔ながらの模型や3Dドローイングにかかる時間を節約しフレッシュなアイデアをプレゼンできたりもする。
上級者向けモデルでは、こんなものから、こんなものまで。
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これは子どもが手がけた都市設計。
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近い将来、現在の都市を改良、あるいは一から作りあげていくのはいまの子どもたちだ。遊んでいるだけで知らずのうちにアーバンプランニング。我が子が遊びおわったアークキットに未来の理想都市の原型があった、なんてことがあるかもしれない。
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All images via Arckit
Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine