• STYLE
  •      
  • Jun 4, 2017
“隠れシャーマン”が増加中。若い女性が続々崇拝、ヨガの次にきている「シャーマン教」って?
Pocket

近年、ミレニアルズを中心に「nones(ノンズ)」という“人種”が増加。そんな話を耳にしたことはないだろうか。知らない人は、新しいジェンダータイプ? ヒップスターの進化系?状態かもしれないが、ノンズな彼らの正体は「無神論者、あるいは不可知論者(*)」、つまり特定の宗教を持たない「無宗教の人たち」のこと。「日曜は教会のミサへ」という若者が見受けられなくなってきた一方で、“ある宗教”に傾倒する若者が増えてきているという。

*神が存在するかもしれないし、存在しないかもしれないという思想

「従来の宗教<スピリチュアル」なミレニアルズ

 いま、若者の宗教離れが顕著だ。米リサーチセンター・ピューの調べ(2014年)によると、ミレニアルズの35パーセントが無宗教。ベビーブーム世代(51歳から69歳)の17パーセント、サイレント世代(70歳以上)の11パーセントに比べると、ミレニアルズは宗教に無関心な世代だということがよくわかる。しかも、米国の“ノンズ”人口は、いまやカトリックと同じで全体の4分の1。これには、カトリックの司祭様もシスターも開いた口が塞がらない。

shaman1

 だが、興味深いことに、無宗教である彼らの3割は「神や普遍的精神」を信じ、2割は「毎日祈りを捧げている」というから、信仰心を忘れたわけではないらしい。ただし、信仰の対象というのが、キリスト教などの既存の西洋宗教よりかは、東洋哲学。ヨガやメディテーションなどのスピリチュアル思想。ニューエイジ(*)といえばピンとくるだろうか。
 これは、端的に言い直せば「既存の宗教にとらわれず、あるいは家系の宗教にとらわれず、自分の信じたいものを信じる」という方向にシフトしているということ。数年前のヨガブームも、宗教離れで“代わりとなる自分に合ったスピリチュアル”を探すノンズに後押しされたという説もある。

*1960、70年代に米西海岸を中心に生まれた思想。宇宙や生命という大きな存在と自己とのつながりや、人間のもつ無限の潜在能力を強調、瞑想、自然食、占星術、気功などで各々の精神性を向上させる。ヒッピームーブメントなどに深く関わり、ビートルズやスティーブ・ジョブズも傾倒した。

 ヨガウェアに身を包み、ヨガマットを小脇に抱え颯爽と歩く女性たちの姿がもはや日常の1コマになるほど、ヨガやマインドフルネスが浸透している現代。その流れに乗るように、また新たに若い女性の崇拝者を増やしている宗教とは…「シャーマニズム」だ。

隠れシャーマン、増殖中

 古代日本・邪馬台国の卑弥呼に恐山のイタコ、巫女さん。彼女たちが俗に呼ばれる“シャーマン”だという。シャーマニズムとは、「特殊能力をもつ呪術者が歌や踊り、魔術などで神霊や祖先の霊と心を通わせ、予言や占い、治病などを行う」原始宗教だ。

 数年前にオカルトブームや魔女のクラスなどが若者に人気となったこともあり、ああ、この宗教からもダークで怪しいカルト臭がしてくる…気がするが、じわじわときているこのシャーマニズムは、現代風に解釈されていて、もうちょっと明るい。ヨガや瞑想に不可欠な“心身の気”を取り入れるスポットを開拓するチャクラや、呪文・真言を唱えることで精神を落ち着かせるマントラと同様、ストレスや憂鬱な気分を取り除き、メンタルやフィジカルを高めることが目的というから、予想外にポジティブな宗教である。

スクリーンショット 2017-05-24 9.37.13

 そんなヨガのような親しみやすさもあってか、“隠れシャーマン”が増えている。彼女たちは何も“呪術するのが生業です”と四六時中タロットカードをめくっているわけではなく、みなフルタイムの仕事を持つ普通の働く女性たち。自分に必要なときだけシャーマンになるのだ。

“悪い気”の服は断捨離。現代的なシャーマニズム

 隠れシャーマンたちが足繁く通うのが、シャーマンスクール。ここでは、シャーマンになりたい人から、シャーマンにヒーリングしてほしい人、ストレスから解放されて自己を再発見したい人などが生徒だ。

 たとえば、元ファッションスタイリスト・現シャーマンの女性講師が代表を務めるスクール「Style Rituals(スタイル・リチュアルズ)」を見てみよう。

ここでは、シャーマン(講師)たちから

セルフケアや自我への目覚め
自己実現方法、自信のつけ方
ストレス社会における対人関係、コミュニケーションスキル

などを、水晶玉や透視、タロットカードの力を借りて教わることができる。さらに上記の基本的なスピリチュアルレッスンに加え、「身につける洋服から良い“気”を取り入れよう」と悪い気が漂う服を断捨離する「クローゼット大整理」や、「新居や新店舗にいいエネルギーや金運を招こう」と、ハーブや羽、水晶で“お清め”する「空間クリーニング」などがあって、かなり現代的で実用的な印象。シャーマニズムのテクニックやスピリットを、普段の生活に取り込むサービスも提供しているのだ。

スクリーンショット 2017-05-24 9.37.28

仕事帰りに「シャーマンしない?」

 現在、シャーマンスクールはニューヨークやサンフランシスコ、ニューメキシコなど東から中部、西まで国内に点在している。生徒も以前はヒーリングを極めるために通学するその道の経験者がほとんどであったのに対し、近年ではさまざまな職種の若い女性が。まさに仕事帰りや週末の昼にヨガスクールに通うように、サクッと「シャーマンスクール」に行くのだ。魔界に半分足を突っ込んだような怪しい人たちの集いではなく、自立した向上心の高い大人の女性たちとシャーマンの世界で精神統一。

 現に、ウォール・ストリートの金融ウーマンだった女性は、シャーマニズムのおかげで自分を再発見、子どものころから好きだった写真・映画の道にキャリアチェンジしたという。
 “一人旅で自分探し”、“自己啓発本で新しい私に”の要領で、「シャーマニズムで新たな自己探求」する隠れシャーマン、あなたの周りにもう密かにいるかもしれない。

▶︎オススメ記事

【指令】「メタル・ヨガ」でモクシャ(解脱)せよ。ヘヴィメタ爆音・デスヴォイス絶叫・ヘドバンで、カラダとココロを整えてきた

「ナチュラルにハイになる」。2017年最注目!のヘルシードリンク、高揚感でふわふわになる「Kava(カヴァ)」って知ってる?

▶︎▶︎週間トップ人気記事

財政破綻のデトロイト・シティで、アーティストが着々と進める「コミュニティ・ビルディング」

ペットのご飯も透明化。一匹一匹にカスタマイズ&デリバリー、「ビスポーク・ペットフード」ビジネスが成長中

—————
All images via Colleen McCann for Style Rituals
Text by Risa Akita
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

Pocket

eye
この記事が気にいったら
いいね!しよう
HEAPS Magazineの最新情報をお届けします

You may also like...