今回紹介するのは、オンライン上でのみ観覧可能な『VIRTUAL AKIRA ART EXHIBITION』。その名の通り、漫画『AKIRA』をテーマにした3Dのバーチャルアート展で、先月から公開が始まった。主催するのは、GIF画像からストリートアートまで幅広いコンテンツを製作する、ザ・アンユージュアル・ネットワーク。メンバーには、以前ヒープスで紹介したシンガポール発のインディペンデント教育本『EYEYAH!(アイヤー!)』の共同創設者ターニャの名前も。
『AKIRA』は、大友克洋により82年から8年間に渡り連載されたサイバーパンク漫画。88年には製作期間3年、総製作費10億円を投じ映画化された。日本アニメ史に残る傑作と呼び声高い同作は、いまもなお熱狂的なファンが多く、AKIRA愛は日本だけのみならず海外でも根強い。原作で描かれた舞台の年2019年の翌年となる今年は、当時の映像を4Kリマスターとして最高画質にアップグレード。記念として、ブルーレイなどが販売されている。
ウェブサイト、改めオンライン展示場を訪れ、まず目に飛び込んでくるのは、薄暗い工業団地でド派手に光るネオンサイン。臨場感のある音楽が流れるなか、写真をクリックすると展示作品が観覧できる仕組みだ。鳥居や赤ちょうちんが佇む怪しげな室内には、シンガポール、日本、インドネシア、フィリピンのアーティストによる、13のAKIRAへのオマージュ作品がスポットライトを浴びる。各作品の下に表示される赤い点をクリックすれば、作品の詳細を確認でき、そのまま購入することも可能だ。
コロンビア出身でシンガポールでも名をはせるグラフィティアーティスト、ジャバ・ワンが描いた光線が眩しい戦闘シーンや、日本人デジタルアーティスト、Humanoiseによる眩しい光の反射が美しい作品など。訪れる者を2020年のネオ東京へと連れていってくれる。
—————
Text by Aya Sakai
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine