中国少数民族チャン族や農民とのプロジェクト紹介も。ポスト・ヒューマン時代の展覧会で「普遍の人間性」を再考する

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アートの中心地、フランス・パリ。その中でもヨーロッパ最大の近現代美術コレクションを持つことで有名なポンピドゥー・センターでは、現在『Cosmopolis #2: rethinking the human』が開催中だ。2017年に同じ会場でおこなわれた『Cosmopolis #1: Collective Intelligence』、中国の成都で2018年に開催された『Cosmopolis #1.5:Enlarged Intelligence』に続く、シリーズ最後の展覧会。

『Cosmopolis』は2016年にローンチされたポンピドゥー・センター内のリサーチプラットフォームで、多分野にまたがるコンテンポラリーアート、特に社会的・政治的な問題に関わるアーティストや作品に焦点を当てている。#1ではアジア、アフリカ、ラテンアメリカを中心に活動し、コミュニティとの協働を重視するアーティストコレクティブの紹介、#1.5ではデジタル経済の発展、またはそれによる急激な文化的・生態的変化に切り込むアーティストやプロジェクトを紹介してきた。

今回の#2では、「ポスト・ヒューマン時代」と呼ばれるほどインターネットや人工知能が社会の中心を担っている現代、「普遍的な人間性」とは一体なにかを再び問いかける必要性を提示する。展覧会では、中国・四川拠点のアーティスト、ツァオ・ミンハオとチェン・ジェンジュンのプロジェクト『Water System』をフィーチャー。同プロジェクトは、街の景観、生活、気候変動、そして新たな未来の創造をテーマに、中国少数民族・チャン族や農民たちとコラボレーションしたものだ。バングラディシュのアーティスト/写真家ムネム・ワシフとバングラディシュのアクティビストによる団体「UBINIG」が共創したプロジェクト『Seeds Shall Set Us Free II』も紹介。UBINIGは、イギリス植民地時代にインディゴやジュート(黄麻)の生産地として使用された歴史により、失われかけてしまった「無農薬農法での地域固有穀物の生産」を推進する団体だ。


Magazine text – Tabita Rezaire, Mamelles ancestrales (still), 2019. Courtesy of the artist and Goodman Gallery, South Africa.


Tabita Rezaire – Tabita Rezaire, Mamelles ancestrales (still), 2019. Courtesy of the artist and Goodman Gallery, South Africa


Opening text – Bitcoin Mining and Field Recordings of Ethnic Minorities (still), 2018. Courtesy of the artist


Superhero Summit – Day 2 – Super Sohrab, _Portrait, Super Sohrab


Digital Earth – Francois Knoetze, Core Dump – Dakar (still), 2018. Courtesy of the artist


Superhero Summit – Day 1 – Super Taus, _Super Taus and a camel Yasha, Kaspiisk, Daguestan_, 2014 Photo by Imam Guseinov for RD magazine


Sensing Salon – Courtesy of the artists


Denise Ferreira da Silva and Arjuna Neuman, 4 Waters Deep Implicancy (still), Courtesy of the artists

Text by Haruka Shibata
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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