朝鮮半島・南北間にある“非武装地帯・DMZ”。知られざる「38度線」の政治・社会・自然を、現代アートで映しだす

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英ロンドンにある韓国文化院で開催中の『Negotiating Borders』。2012年にキュレーター、キム・ソンジョンがはじめた、韓国と北朝鮮間の非武装地帯(DMZ)に関する研究を中心とした現代アートプロジェクト『Real DMZ project』の展示だ。ハム・ギョンア、ヂョン・ヨンドゥ、イム・ミヌクなど、実力派現代アーティストたちが名を揃える。インスタレーション、彫刻、そして写真を含めたアート作品を通して、分断された朝鮮半島が抱える現実について描きだす。

1953年の朝鮮戦争休戦協定によって決められた境界線。日本では「38度線」などと呼ばれることの方が多いだろうか。教科書で“歴史”として教わること以外、実際の内情を知ることは少ない。そんな隠された過去、現在、そして未来へのつながりを、アートで訴えていく。

たとえばヂョン・ヨンドゥの写真のインスタレーション。韓国側のDMZを見下ろす観光地、都羅(とら)展望台から見える橋のモチーフを多用。実際の観光客と俳優を混ぜ合わせたイメージが、過去・現在・現実とフィクションの境界線を曖昧にしていく。イム・ミヌクの『Monument 300-Chasing the Watermarks』では、DMZのすぐ近くにあるチョルウォンの水道センターで起こった300人の虐殺について言及。なかなか語られない歴史について、アートの目線からアプローチしていく。他にも、同プロジェクトがおこなってきた、さまざまな研究やアーカイブ資料も展示。政治的・社会的な側面だけでなく、DMZ地域の自然環境、生物、村の様子なども紹介しており、多角的な視点からDMZについて考えることができる。お隣の国、韓国。観光やテレビ、SNSからの情報は、特にここ最近、日常的に流れてくる。でも一体それは、どこまでが本当の現実なのだろうか。そんな表面的な情報からでは見えてこない、複雑な韓国の側面を知るには、またとない機会かもしれない。


Kyungah Ham, [Installation view] Detail From SMS Series and Balls, 2017–2018.
North Korean hand embroidery, silk threads on cotton, middle man, smuggling, secret code, bribe,
anxiety, censorship, ideology, wooden frame, Soccer Balls, monitor, color, sound, wire.
Courtesy Culture Station Seoul 284, Photo by Kim Taedong

Kyungah Ham, [Installation view] Detail From SMS Series and Balls, 2017–2018.
North Korean hand embroidery, silk threads on cotton, middle man, smuggling, secret code, bribe,
anxiety, censorship, ideology, wooden frame, Soccer Balls, monitor, color, sound, wire.
Courtesy Culture Station Seoul 284, Photo by Kim Taedong

Minouk Lim, [Installation view] Monument 300 – Chasing Watermarks, 2019.
Object installation, (non) site specific performance, video documentation, slide in loop, Size variable.
Courtesy Culture Station Seoul 284, Photo by Kim Taedong

Hein-kuhn Oh, A laughing sergeant and a private E-2 at attention, October 2010, 2010, 150cm x 190cm, Archival Ink-jet Print.Courtesy the artist

Yeondoo Jung, [Installation view] Eulji Theater, 2019, Solvent print, lightbox, sound, 10×2.2m.
Courtesy Culture Station Seoul 284, Photo by Kim Taedong

Text by Haruka Shibata
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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