「25年後に会いましょう(I’ll see you again in 25 years)」
これだけでピンと来た人もいるはず。
1990年代に米国で放映、世界中を巻き込んで社会現象となったテレビドラマ『Twin Peaks(ツイン・ピークス)』。あの映画界の鬼才、デビッド・リンチが生み出した世界観に魅了された“ツイン・ピーカー(*)”は数知れず。
最終話でローラ・パーマー(主人公)がエージェント・クーパー(FBI捜査官)にそう告げた言葉通り、1年遅れの26年経った今年、新シリーズを引っ提げ、お茶の間にカムバックした。
*「ツイン・ピークス」の熱狂的ファンのことを指す俗語。
待望の新シリーズに世界中が再び熱をあげる今日この頃。待ち焦がれた気持ちを抑えることができなかったツイン・ピーカーがここに一人。新シリーズ封切り(先月)を前に、寝る間も惜しんでファンジン『Twin Peaks Gazette(ツイン・ピークス・ガゼット)』をつくったイギリス在住イラストレーター、ロージー・マクアンドリューだ。
「知っての通り大人気のテレビドラマだから、数多くのツイン・ピークスジンが存在するだろうけど、私のような新聞スタイルのジンはこれまでになかったと思う」。デビッド・リンチが作りあげた架空の田舎町「ツイン・ピークス」の新聞を想定した、とロージー。
紙面には、ストーリーの発端である「ローラ・パーマーの死」を報じる一面記事にはじまり、チェリーパイでお馴染みの「ダブルRダイナー」「グレート・ノーザン・ホテル」などのローカルビジネスの架空広告、クロスワードパズル、コラムに至るまで、ツイン・ピーカーなら誰もが頬を緩めてしまうような仕上がりに。
真のツイン・ピーカーが作るツイン・ピーカーのための『ツイン・ピークス・ガゼット』を片手に、エージェント・クーパーさながらブラックコーヒーと砂糖たっぷりのあま〜いドーナツを一口。気分は、もうツインピークス、どっぷりだ。
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All images via Twin Peaks Gazette
Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine