一冊丸っとカンナビス文化。クリーンで美しいマリファナライフスタイルマガジン『MARY(マリー)』が気鋭にハイ(上り調子)

Share
Tweet

The Mature Voice of Cannabis Culture—カンナビス文化の成熟した代弁者

そのうたい文句を添え、洗練されたビジュアルに機知に富んだ企画の数々を毎号200ページを超えるボリュームでおくる雑誌、マリファナライフスタイルマガジン『MARY (マリー)』。
「マリファナライフスタイルマガジン」、胡散臭い聞こえかもしれないが、昨年発売した第1号『The Beginners Issue』は完売。来月に発売される待望の第2号『The Home Issue』も完売必須、気鋭のマガジンだ。

7-Issue1-Image via MARY Magazine

『MARY(マリー):業界の俗語でマリファナを指す語)』の仕掛け人はAdrian Farquharson(エイドリアン・ファーカーソン)。広告業界に腰を据えて9年、前身はクリエイティブディレクター。が、『MARY』の立ち上げから1年となる今年9月、躊躇なく「マリファナ雑誌」一本に踏み切った。

「いまや50ある州の中で半分以上、30の州*でのマリファナ使用が合法になっている中、未だ、消費者のイメージはというと、ポットヘッドと呼ばれる類か病人だ。その間にある消費者層がぽっかりが抜けちゃってるんだ。『MARY』はその間にある消費者のライフスタイルを伝え、マリファナに対する間違った認識を変えるライフスタイル雑誌なんだ」

*州によって「完全合法化」「所持が非犯罪化」「医療大麻のみが合法」と程度の差はある。

高品質なコンテンツが並ぶマリファナ雑誌

 

 エイドリアンがそう語るように、『MARY』に並ぶヴィジュアルはライフスタイル誌といえば、な『kinfolk(キンフォーク)』にも通ずるクリーンさと洗練具合。一見でこれがマリファナ雑誌だとは識別できまい。

3-Image via MARY Magazine

 また、選りすぐられたクリエイティブチームで作り上げるコンテンツは秀逸、良い意味で読者の予想を裏切るものばかり。
 現在その道で話題の、プレミアムマリファナを届ける若手マリファナ栽培グループ「LUMA CALIFORNIA ex. HRVST CALIFORNIA」のインタビューでは、みんなの知らない栽培現場の真相から、マリファナ栽培家*としてのビジネス運営のノウハウまで、余すところなく届けられる。

*ちなみにもしあなたがマリファナ栽培者であったら、いくら合法の州であっても銀行口座を開設することができないそうだ。栽培者はお金を手持ちだったり、自身の家の金庫で保管しているとか。

5-Issue1-Image via MARY Magazine
6-Issue1-Image via MARY Magazine

 企画「Wating game(ウェイティング・ゲーム)」では、マリファナデリバリーを頼んでから自宅に届くまでの数十分から数時間を、どのように過ごしているかをコミカルに描いたエッセイ。まさに消費者あるあるネタだろう。
 その他にも一流シェフがエディブルフードレシピを紹介する「Cooking with MARY(クッキング・ウィズ・マリー)」や、マリファナ消費者のおしゃれなインテリアを紹介する「Home Is Where The Heart Is(ホーム・イズ・ウェア・ザ・ハート・イズ)」など、従来のマリファナ関連書籍とはまったく異なるアプローチでもって、「マリファナ」に対する認識を変える。

1-Issue1-Image via MARY Magazine

 ちなみに、編集長エイドリアンお気に入りのは特集は「Stash Box(スタッシュ・ボックス)」。消費者がそれぞれどんな容器でマリファナを保管しているかまとめたもので、スッテカー貼り貼りの入れ物だったり、世界を旅する中で見つけてきた思入れ深い小物入れだったり、容器一つをとってもその人のスタイルが垣間見れる特集だ。
 

2-Image via MARY Magazine

豪華なコース料理。これもぜーんぶマリファナ使ってます。

 

 その活動は誌面だけにとどまらない。各業界のゲストが集う招待制の晩餐会「MARY dinner(マリー・ディナー)」をアメリカの様々な都市で定期的に開催する。写真を見ればお分かりいただけるだろうが、一流のシェフが腕をふるう豪華コース料理がテーブルにのるのだが、実はこれ、ぜーんぶマリファナを使ったいわゆるEdible food(エディブル・フード)なのだ。
 マリー・ディナーでは、毎回違ったMarijuana culinary artist(マリファナ・カリナリー・アーティスト:マリファナ料理アーティスト)とコラボレーションを行い、ゲストにエディブル・フードのフルコースを堪能してもらうもの。エディブル・フードのイメージとしてある、粗悪なブラウニーやクッキー、グミではなく、新鮮な肉・魚・野菜を使った美しい料理が目の前に並ぶ。

 ゲストはマリファナ産業からメディア業界、芸能業界まで様々な分野から招待されるため、配慮は怠らない。ゲストが「ヘロヘロになっちゃった」なんて間違いは起こらないように毎回5つのコースを用意する、とのこと。
 
 また毎回違ったゲストDJが選曲し、季節の変わり目に届けられる音楽プレイリスト「MARY music(マリー・ミュージック)」、今後開催予定のマリファナ議会「MARY expo(マリー・エキスポ)」などなど、様々なプロジェクトで「マリファナが側にあるライフスタイル」を提案する。来年1月には待望の第2号とともに、クリエイティブ・エージェンシーも設立し、全米に広がるマリファナ合法化の波とともに、ますます勢いにのる。

4-Issue1-Image via MARY Magazine

 これまでマリファナに対する、粗野で過激なイメージを磨き上げ、より「成熟した」シーンを目指す傾向はMARYだけでなく、マリファナ産業全体にも少しずつ見えてきた。だからこそマリファナ産業において「大きな役割を担っている」という自負が「マリー」にはある。

 黎明期を終え、成長期真っ只中マリファナ産業。成熟期という次のフェーズを見据え、動き出したMARYがマリファナ産業をこの先どのように先陣を切り形作っていくのだろうか。マリファナ合法化に反対するアメリカ次期大統領トランプのマリファナに対する動向とともに、要注目だ。

———
Photos Via MARY
Text by Shimpei Nakagawa

Share
Tweet
default
 
 
 
 
 

Latest

All articles loaded
No more articles to load