「#025 冷たく熱い電子音楽プロジェクトZGRT」週4のライブハウスから、現場のミュージック。(独断と偏見でインディーバンドを選びます)

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ニューヨーク在住17年、週に4度のライブハウスを欠かしたことはない。
行ったライブハウスの数はもはや200を越える…(と思う)。
そんな音楽ライター、サワイ・ヨウコが独断と偏見で選ぶ、いま聴いておきたい、知っておくべき現場のインディーバンド。

#025
冷たく熱い電子音楽プロジェクト
「ZGRT(ズィガラット)」

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ブルックリンを拠点に活動するアーティスト、ザッカリー・アラン・スターキーのシンセ・プロジェクト「ZGRT(ズィガラット)」のショーを見に、金曜日のPianos(ピアノス)へ。ピアノスといえば、会場前には長ーい行列ができ、なかなか入れない人気のバー。地元バンドからツアーバンドまでランダムにブックされているので、ジャンルの違うバンドを一緒に見ることができたりする。

 ZGRTは、DFAレコーズ(ニューヨークのダンス/ポストパンクで有名なインディーレーベル)やボサノバ・シビック・クラブのテクノ・シーンなど、ニューヨークのクラブ・ミュージックシーンに長く身を置く実力者。エレクトロ・シンセに、テクノ、ハウス、ポストパンクの面をプラスし、挑発的かつ退廃的な美しさを帯びた歌詞が特徴だ。2014年に、ギャヴィン・ラッソム(Gavin Russom:クリスタル・アーク、LCDサウンドシステム)のプロデュースで、デビューアルバム『Hard Power(ハード・パワー)』をリリースしている。

 ニュー・オーダー、ジェイミー・プリンシプル、PIL、シスターズ・オブ・マーシー、パティ・スミスなどの影響が伺えるZGRTのショーは、3つのシンセサイザー(KORG)、ラップトップ、パーカッション、ベース、ドラムの6人編成。

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 音楽はクールなのに、ザッカリーの歌い方は熱く、後ろに映し出される幾何学なヴィジュアルと融合し熱気がほとばしる。個人的には懐かしの電子音楽だった。オンステージではクールにキメているのに、ステージ下で髪型を直しちゃったりする、彼の“隣のお兄さん的キャラ”が気になったが。

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 昨年、ニューヨークとフィラデルフィアでニュー・オーダー(!)の前座も務めたZGRT。ただならぬバンドであることには間違いない。

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ZGRT

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サワイ ヨウコ/Yoko Sawai
ニューヨーク在住歴17年の音楽ライター。音楽イベント企画、メディアコーディネイト、レコード・レーベル経営(コンタクト・レコーズ)。ブルックリン・ベースのロックバンド、ハード・ニップスでも活躍。hardnipsbrooklyn.com

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Photos by Tetora Poe

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