1982年から連載34年目を迎える国民的4コママンガ、『コボちゃん』。
田畑ファミリーの日常がほんわかした画風とブラックジョークで色付けされたこの作品は、老若男女問わず飽きることなく楽しむことができるご長寿マンガだ。
場所は変わってアメリカ・ロサンゼルスより届けられるのは、言うなれば“アメリカ版コボちゃん”なコミックジン『You Don’t Get There From Here(ユー・ドント・ゲット・ゼア・フロム・ヒア)』。
2006年より10年もの間、作者であるCarrie McNinch(キャリー・マクニンチ)がダイアリーとして毎日綴るこのジンは、誰にでも起こりうるような日常が広がる。
(2コマ目)2015年7月15日〜ある雨の日〜
「ジメジメした夏の嵐の日」
「娘をモールで追いかけまわし」
「あとはずっと家に引きこもってネットフリックス浸り」
愛猫との日常や友達との些細な出来事、世界のどこぞやへの旅行記などのわくわくも、年老いていく両親などシリアスなトピックも。心が和む画風とユーモアで、とことん自然体な彼女の日常が10年間に渡り綴られる。
(2コマ目)2015年7月31日〜ある満月の晩〜
「その夜はブルームーン(次見れるのは3年後!)。でも他に気になることがあった」
「(電話相手)ご近所さん、あなたのお父さん(アルツハイマーを患っている)に迷惑しているみたいよ。
鉢植えを全部倒しちゃったんだって」
「そのあとはずっと、おバカなコメディを見ていた」
(2コマ目)2015年8月23日〜飼い猫のこと〜
「腎臓病もちの飼い猫ミロ。
病気用のエサにはよくない成分が入ってるとわかったから、あげるのをやめた
(それにミロも、マズいから食べない)」
「(ミロ) ってことは体重減っちゃうよね」
「苦渋の決断だったけどね。
でもそのあとペットフードについていろいろ調べて他のエサをあげることにした」
「私の猫ちゃんの名前は、お気に入りのドリンクにちなんでChu-hi(チューハイ)なの」と日本が大好きな彼女。次号は、名古屋にいる友人を訪ねた旅行記だそう。
名古屋行きの飛行機が遅れて到着。
ってことは、乗り継ぎ便までの時間が全然ない!
ゲートまで早歩き。「大丈夫、間に合う!きっと間に合うよ!」
「く、くそ、荷物預けるの忘れた…」
でも結局、誰かのおかげでフライトが遅れたんだけどね。やれやれ。
飛行機のなか、隣のサラリーマンからはお酒の匂いがプンプン。
で、やっと友達のアダムに再会!
彼の家に荷物を放り出し、いざ自転車でお出かけ!
なんだけど、前来た時から自転車乗ってなかったからかなりぎこちない(笑)
蕎麦屋でとろろそば!
コンビニで、いとしのチューハイ!
名古屋城!
友達とおしゃべりして、近所のクラフトビール・バー、そしてベッドに直行したのだ。
ほっとできるひとときや心の葛藤など等身大のひとりの日常を描いているからこそ、そこにあるのはみんなが頷ける“あるあるネタ”だったり、“昔の自分にそっくりだな〜”のような気づき。気を張ることなく、長きに渡って読めるのだ。
マンガの主人公キャリーがこれから先どんな日常を送っていくのか、楽しみだ。
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All images via Carrie McNinch
Text by Shimpei Nakagawa, Edited by HEAPS