久しく着ていない服に袖を通すと「あれ、なんか入っている」ってことしばしばありますよね。
思わぬ1000円札(くしゃくしゃの)を見つけた日なんて1日ハッピー。ある時は人には見せられない恥ずかしいものだって。ちなみに筆者はつい先日、久しぶりに袖を通した服のポケットに半年前の「違反キップ」が入っていました。あーあ。
ふと忘れていた過去を追憶するきっかけになるし、持ち主の日常を表しさえする。小さなポケットには思いがけない多くのものが詰まっているものだ。
『Things I’ve Found In My Pockets(シングス・アイブ・ファウンド・イン・マイ・ポケット、ポケットの中に見つけたもの)』は、その名の通り、自身のこれまでに見つけた、奇妙で愉快な「ポケットの中身」を描いたイラストレーションジンだ。作者はオーストラリア在住のJesse Anderson(ジェシー・アンダーソン)。
ジェシーのポケットの中には、3年前に訪れたとき持って帰ってきた日本のコインや正体不明の鍵、小さい鉛筆が。え、噛んだガムも。
「ただただ、ミニマルでシンプルなものをみんなに楽しんでもらいたかった」との思いから生まれたジンは、この男のリアルでパーソナルなポケットの中身が至極シンプルなイラストと一文のみで綴られている。
しかもこのジン、ポケットの中で忘れ去られてしまいそうなほど小さな小さな手の平サイズジンなのだ。
ポケットに何かを入れるのは当たり前。その当たり前の中にある「予期せぬ中身」が人々をクスッとさせる。「僕のポケットから見つけた君の持ち物(Your Things I’ve Found In My Pockets)」なんてジンも面白いかも。
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All images via Jesse Anderson
Text by Shimpei Nakagawa