月100万以上稼ぐペットたち。いま企業が求める「ペット・インフルエンサー」はこうして生まれる

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誰もがインフルエンサーになり得る今日。ソーシャルメディアで、何十万ものフォロワーを持つ「インフルエンサー」「インスタ・フェイマス(インスタグラム・フェイマスの略)」と呼ばれる人たちが存在するように「動物のインフルエンサー」というのも存在する。同じインフルエンサーなら、ソーシャルメディアキャンペーンに起用するのは「人間より動物がいい」。そう考えるブランドや企業が増えている。

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仕事を辞めて、今日から愛犬のステージママに?

「以前は、フルタイム勤務していましたが、愛犬ともっと一緒に時間を過ごしたかったので、辞めちゃいました!」
 冗談まじりにそう話すのは、ニューヨーク在住、以前はラルフローレンのデザイナーだったYena(イエナ)さん。彼女の愛犬、柴犬のBodhi(ボーディ)は、「301k(約30万1000)」のフォロワーを持つトップクラスのインフルエンサーだ。

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ボーディ

 ボーディに(人間用の)洋服を着せて、写真を撮り始めたのは2013年春頃。「ボーディったら嫌がるどころか、モデルさながらにポーズをとりだして。それが面白くて冗談半分で『MENSWEAR DOG (メンズウェア・ドッグ)』というボーディ主役のウェブサイトを作成。撮った写真をソーシャルメディアに投稿するようになりました」。

 すると「うちの広告モデルになっていただけませんか?」とハイブランド『COACH(コーチ)』から連絡が。その他にも、Ferragamo(フェラガモ)やASOS(エイソス)、American Apparel(アメリカン・アパレル)など、世界的に知られる名だたるブランドとコラボレーションを実現してきた。

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所属するには、フォロワー「2万5000人以上」が条件

 だが、有名になればなるほど「自分の手に負えなくなってきた」。そんなとき、ロサンゼルスを拠点とするソーシャルメデイアエージェンシーから「うちのエージェンシーに入りませんか」と声がかかった。ペット専門のいわばモデル事務所、『WAG Society(ワグ・ソサエティ)』である。
 同社CEO、カイラ・ブレンナン(Kyla Brennan、以下、カイラ)はこう話す。「(人間の)インフルエンサーと企業やブランドをブッキングするソーシャルメデイアエージェンシー『Hello Society(ハロー・ソサエティ)』を立つあげたのは2012年。ところが、動物インフルエンサーを起用したい、というブランドからの問い合わせが年々増加。それで2016年に、動物専門部門の『WAG Society』を立ち上げました」 

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 同社には、柴犬ボーディの他、子豚のEsther(エスター、304k)、青い目が印象的な猫のCoby(コビー、916k)など、トップクラスのインフルエンサーをはじめ、100匹以上が所属する。所属するには最低でも「2万5000人以上」のフォロワーを持っていることが求められる。

 もちろん、ペット・インフルエンサーは自撮りも投稿も、メールの返信もしない。行っているのは、ステージママ/パパを務める飼い主だ。彼らの仕事は多岐にわたる。ペットの日頃のケアや撮影現場でのご機嫌とりだけではなく、ブランドや企業との金額交渉からスケジュール管理など基本的なソーシャルキャンペーンのマネージメント。
「それに加えて、本の出版やテレビ出演、物販など所属インフルエンサーたちの仕事を拡大していくクリエイティブ戦略。この部分は、エージェンシーの強みです。我が社は人間のインフルエンサーのマネージメントで培ってきた経験と実績もあります」と、カイラ氏はエージェンシーに所属するメリットを語る。

 また、「ソーシャルキャンペーン利益の5パーセントは、米国動物保護団体に寄付している」そうだ。「インフルエンサーの飼い主のたちは、ボランティアやチャリティーに関われることを喜んでくれています」

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なぜ人間ではなくペットを起用したがる?

 同じインフルエンサーでも、ギャラは人間よりペットの方が安いそう。「プロジェクトの規模によりますが」としつつ、トップクラスのペットインフルエンサーのひと契約ごとの稼ぎは約20〜35万円。ちなみに、前述の柴犬ボーディの月の稼ぎは100万円以上と推測されている。投稿1件で何百、いや何千ドルも稼ぐ、これまでの人間インフルエンサーに匹敵する額を稼ぐペットたちも、増えているらしい。

 見方を変えれば、ソーシャルキャンペーンに人間ではなく、動物を起用したがる企業やブランドが増えていることがわかる。近年では、航空会社ジェットブルーやホテルブランドザ・リッツ・カールトン、高級車メルセデス・ベンツなどが、動物を起用したことで注目を集めた。

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「愛らしい動物たちには、シェアされやすい普遍的な魅力がある。人種や性別、国籍、年齢を超えて、老若男女、みんなの心をくすぐることができます」とカイラ氏。もはや、ペット関連のブランドだけでなく、ファッションから家電ブランドまで、様々な業界が「うちのアンバサダーになって欲しい」とペット・インフルエンサーたちにラブコールを送っている。

 世界戦略を目指し、マスを相手にする大手企業が、なぜ人間ではなくペットを起用したがるか、理解に難くはないだろう。「動物は、薬物や暴力、不倫、暴言を吐くなど、ブランドイメージを壊すようなスキャンダルを起こす可能性も極めて低いですから」

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All Images Via @menseardog, Bodhi 
Text by Chiyo Yamauchi

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