ガーナ近代写真文化の貢献者James Barnor。50〜80年代のポートレート、ライフスタイルをカラー・モノクロで

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ロンドンの王立公園ケンジントン・ガーデンズの林の中に佇む現代アートギャラリー、サーペンタイン・ギャラリー。今回紹介するのは、こちらで開催中の『James Barnor: Accra/London – A Retrospective』。ガーナの首都アクラと英国の首都ロンドンの2ヶ国で、フォトジャーナリストや黒人ライフスタイルフォトグラファーとして活躍してきた英国系ガーナ人写真家、ジェームズ・バーナーの回顧展だ。92歳(情報によると、本日6月6日がちょうど誕生日)、キャリア60年。同展ではバーナーの豊富なアーカイブの中でも、1950年から1980年代の作品を中心に展示されている。

1950年代初頭にガーナで写真スタジオ「エバー・ヤング」を設立し、仲間や当時の社会を象徴する人々のポートレートを撮影。1950年代後半になると、ガーナ国家の脱植民地化への動きやロンドンの国際都市化など、社会的・政治的な変化にシャッターを切るようになった。その後1959年にロンドンに渡り、ニュースや政治を扱う南アフリカの雑誌『ドラム』やガーナの日刊紙『デイリー・グラフィック』などで、フォトジャーナリストとして写真を提供した。

『Emma Christiana Bruce Annan, Drum Party, Chorkor Beach, Accra』は、1950年代にアクラのビーチでおこなわれた雑誌『ドラム』コミュニティのパーティーにて撮影された1枚。ロンドンのピカデリーサーカスで撮影された『Mike Eghan at Piccadilly Circus, London』は、キャリア60年のベテランラジオプレゼンターであるマイク・エガンの若かりし頃のポートレート。このようにロンドンで活動していた1960年代は、著名人の撮影もおこなった。モノクロのポートレートが多い印象のバーナーだが、1970年代初頭にガーナに戻った後は、ガーナ初のカラー写真の現像所を設立。『Sick Hagemeyer shop assistant, Accra』は、アクラで撮影された遊び心が見られるカラー作品だ。

モノクロからカラーへ。写真の歴史とともに。ガーナとイギリス。2つの大陸を隔てた風景とともに。50年代から80年代。激動の時代とともに。バーナーの写真は、移り変わる世に似合う。

 
Date: 1967
Caption: Mike Eghan at Piccadilly Circus, London
Courtesy Autograph @autographabp


Date: c.1971
Caption: Sick Hagemeyer shop assistant, Accra
Courtesy Autograph @autographabp


Date: c. 1975
Caption: Untitled, Studio X23, Accra
Courtesy Autograph @autographabp


Date: 1954-56
Caption: Emma Christiana Bruce Annan, Drum Party, Chorkor Beach, Accra
Courtesy Galerie Clémentine de la Féronnière @clementinedelaferonniere

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All images credit James Barnor @jamesbarnor, @james_barnor_archives
Text by Ayumi Sugiura
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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