テクノロジーの進化にますます拍車がかってデジタルワールドまっしぐらな現代、その側面で起こる「アナログ回帰」。アナログアイテムが戻ってくれば、今度はそれに現代技術や新デザインを掛けあわせた、次世代のレトロプロダクトが登場してくる。
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今回紹介する「ペーパー・パレード・プリント・キット(以下、ペーパー・パレード)」もその一つ。キャッチコピーは「紙で紙に刷る」で、昔ながらの印刷技術「活版印刷」を現代のライフスタイルにコンバート。いつでもどこでも、手軽に活版印刷が楽しめる印刷キットだ。
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まず、「活版印刷」とはなんぞや。これは、活字と呼ばれる鉛や木でできた文字を1つずつ組み合わせ、インキをのせて印刷する技術のこと。
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ペーパー・パレードでは、その活字に「紙活字®(Papertype®)」という厚紙を使用。活字の輪郭をキレイに転写するために紙素材を直角にカットできる最新のレーザー加工を導入。新旧技術のハイブリッドキットなのである。
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この紙活字®(Papertype®)がいい仕事をする。紙でできた表面は加工可能で、ナイフやフォーク、デスク周りのペンやクリップの引っかき傷やミニカーのタイヤの跡までつけられる。身のまわりのものでテクスチャーをつけて、自分だけの印字にできるのだ。
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付属の印刷機も家庭で手軽にはじめるのにぴったりのデザイン。“活版印刷のある生活を描きたい”というコンセプトのもと、東京・御徒町(おかちまち)にある家具屋「WOODWORK(ウッド・ワーク)」と共同で製作、棚やテーブルにあっても違和感ないデザインに仕上がっている。うん、これならどんなライフスタイルにもフィットしそう。
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年々紙とのつき合いが薄れていくペーパーレスな現代、紙というだけで特別感を感じられるようになったが、さらに工夫して世界に二つとない活字で刷る家族や友人、恋人への春の便りはどうだろう。個性あふれる手作り名刺なんてのも、新しい門出には乙じゃないか。
詳しくはコチラから。
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Text by Shimpei Nakagawa
Edited by HEAPS Magazine