ミレニアルズの妹分、超早熟「ジェネレーションZ」による雑誌のつくり方。高校生編集長(17)インタビュー
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“初代デジタルネイティブ”として、その型破りな価値観やライフスタイルが社会から着目されるミレニアルズ世代だが。その下の「ジェネレーションZ」という世代、突飛さ、早熟さはその上をいくかもしれない。

先日紹介した、“ティーンによるティーンのための雑誌”『Cry Baby(クライ・ベイビー)』。編集長のレミ・ライアダン(Remi Riordan)は現役高校生(17)、まさに新たな世代・ジェネレーションZだ。
「なんだ。まだまだ若造か」なんて侮(あなど)るのが大人の悪い癖。
ジェネレーションZがつくる雑誌って? デジタルネイティブな彼女の世代が考える雑誌とは? 
「まずは話してみないことには、何もわからん」ということで、高校生編集長・レミにインタビューを敢行した。

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H:はじめまして。今日はわざわざニュージャージーから来てくれてありがとう。

R:こんにちは。明日『Cry Baby(クライ・ベイビー)』も出店するフェミニストジンフェアがニューヨークであったからちょうどよかった。

H:だからキャリーバッグ持ってるんだね。ではまず、レミのこれまでを教えてください。

R:小さい頃から写真を撮ったり絵を描いたりするのが好きだった。本格的に写真をはじめたのは中学生の時かな13歳のクリスマス、自分専用のとても良いカメラをもらったから。文章を書きはじめたのは高校生、国語の授業で文章を書くおもしろさを感じたのがきっかけ。

H:学校に行くのは好き?

R:先生も好きだし、マイガールズたちも大好き。『クライ・ベイビー』自体、高校の仲良しグループで運営するマガジンってことではじまったから。エディターの一人はとても仲のいい友だちだし、同級生にもコントリビューターがいるわ。

H:世界各地にコントリビューターがいるって聞いたけど、どうやって集めたの?

R:インスタグラムよ。フォロワーがみるみるうちに増えていって、世界各国からコンタクトをもらうようになったわ。現在はアメリカやイギリス、カナダ、新しいスタッフはパキスタンから。私をのぞいて3人のエディターと40人のコントリビューター、総勢44人ね。

Chloe-Sheppard
Yulez-Benitez

『Cry Baby』

H:みんな10代?

R:20代前半の子も何人かいるけど、それ以外はティーン。一番若い子で15歳。そう、私が『クライ・ベイビー』をはじめたのも15歳ね。それから2年経って、私もいまや17歳。

H:17歳…若いよ。ぼく、17歳の頃なんてロクなことしてなかった。そもそも『クライ・ベイビー』をはじめたきっかけって?

R:当時、いろんなメディアに自分の写真作品を送ってたんだけど、クオリティが不十分だったのか、まったく受けつけてもらえなくて。なら「自分でやればいいじゃん」って。同じような境遇の子のプラットフォームにもなればとも思って。

H:「郊外生活の中でクリエイティブなことをしたい」というのも理由にあったそうで。やっぱり都会への憧れみたいなのはあったの?

R:その思いは強かった。私の地元(モントクレア)はマンハッタンから電車で40分、まさに郊外ね。15歳の私は孤立感いっぱいだった。いまでは車も運転できて好きなときにニューヨークに自分で来られるようになったけどね。

H:雑誌制作と学校生活のバランス、難しくない?

R:家にこもって作業したり、学校に行ったり、こうやってニューヨークに来たり。制作面では社会人とやりとりしたりと難しいこともたくさんあるけど、最近やっと両生活とのうまいつき合いかたを見つけた。私の成長とともに、2年間で『クライ・ベイビー』自体も驚くほど成長していると思う。

H:成長真っ只中だ。オンラインとジン、二つのプラットフォームがあるよね。

R:そう。オンラインでは、毎月決まったテーマにそって寄稿されたものを毎日更新しているの。たとえば、3月は「ティーンであることの特権」。
ジンは、年2回出版でオンラインコンテンツを集約したもの。で、実はいま『クライ・ベイビー』をより雑誌に近いものにしようと動いているところ。

H:というと?

R:次号からオンラインと紙コンテンツを完全に別物にするわ。いまはエッセイやコラムが多いけど今後はインタビューや社会・政治問題なども取りあげていこうと思う。「ティーンが考える政治や社会問題」っておもしろいでしょ?
そうすると必然的にいまよりやることも増えるし、クオリティも求められる。とっても忙しくなるけど、新しい“マガジン”として出発するのはとてもエキサイティングなことよ。

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レミ、17歳。

H:新たな挑戦だね。『クライ・ベイビー』の制作舞台裏を教えて。会議とかはスカイプで?

R:実は私を含めチーム四人が全員集合したことって、これまで二年で一度もないの。みんな高校生で忙しいし、一人はテキサスに住んでるし。会議はスカイプじゃなくてグループテキスト(SMS)のみ。

H:これが次世代の新たな「トモダチ」のかたちなのか…。

R:オンラインではみんな一年以上友だちよ(笑)。こういうコミュニケーションって携帯とともに生まれた私たち世代ならではだと思う。

H:レミ世代(ジェネレーションZ)はミレニアルズよりもデジタルネイティブ。しかも紙媒体絶滅が囁かれているいま、なぜ『クライ・ベイビー』を紙出版し続けるの?

R:単純に私自身が紙媒体の方が好きだから。メールより、手紙をもらう方が好きだし。雑誌や本もオンラインではなくて、実際に手にとって読みたい。「紙媒体はなくなる」といわれているけど、私たち世代でも本を読んだり、雑誌を買ったりする人はまだまだいる。まわりの友だちも雑誌を集めている子ばかり。いまでも情報収集は雑誌からよ。

H:ティーンがつくる雑誌の強み、そしてティーンにしかつくれない雑誌ってどういうものだと思う?
“ティーンによるティーンのための雑誌”の編集長が思う、雑誌のあるべき姿ってなんだろう。

R:ティーンが世の中に向けて声を発信することってとても難しいと思うの。それを実現させてくれるツールがマガジンだと思う。
私が思う雑誌のあるべき姿は、質が良ければ、年齢や性別、その他諸々関係なく発信されるべきもの。『クライ・ベイビー』はそれを体現している。だから「いま流行りのメイクアップ」とかではなく、時事や政治、社会問題にも目をむけるべきだと思う。あ、決してメイクが嫌いなわけじゃないの、むしろ大好き。

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H:ミレニアルズと呼ばれるぼくら世代とその下のジェネレーションZ。両者の違いは感じる?

R:もちろん。まず、どちらもデジタルネイティブ世代と呼ばれてるけど、多くのミレニアルズがインターネットを手に入れたのはティーン以降。それに比べて私たち世代は生まれながらにして。

あとさ、私たち世代に対する世間のイメージは「いつもスマホを見ている」じゃない? それは事実だけど「スマホで何をしているのか」が見落とされがち。テキストしてるときもあれば、仕事のメールを送っていることだってある。インタビューしようとしているのかもしれないし。大人が知らない間に、私たち世代はスマホを駆使して生産的なことをしているかもしれないでしょ?

H:確かにそれは言えてる。スマホがレミ世代にもたらしたものは大きいね。

R:たとえば学校を休んだとしても、その日の宿題はフェイスブックグループで共有されているし、インスタグラムやスナップチャットで友だちの顔はいつでも見られる。連絡したいときはテキストすればいい。幼い頃からそうやってきているの。
『クライ・ベイビー』もSNSがなければ生まれてなかった。ほとんどのフォロワーはインスタからだし、世界に散らばるメンバーへのアップデートや素材を募るのもすべてフェイスブックのグループチャットから。

H:いまじゃ雑誌づくりも変わってきているんだね。でもさ、「ティーンによるティーンのためのマガジン」だからレミはティーン卒業したらやめちゃうの?

R:よく聞かれるわ、その質問。「大学入学したら、やめちゃうの?それとも誰か若い世代の子に引きつぐの?」って。
私がつくりあげてきた雑誌が、自分の生活からなくなるっていうのは想像できない。だからティーンが終わっても続けていくわ。ただ「ティーンによるティーンのためのマガジン」というテーマで続けることはできないわね(笑)。

H:最後に。レミが考える「ティーン」とは?

R:自由であり、自由でないことかな。責任感もまだなければ自分で生活費を稼がなくても、好きなことをして生きていける点では自由。でも親元で生活している点では自由ではない。いずれにしても、人生においてかけがえのない時間であることには間違いないわ。

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**Remi Riordan
@crybabyzine
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