「限界集落の暮らし、買えます」駅なし、信号なし、コンビニもちろんなし“本気の田舎のデジタル商店街”

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限界集落。「65歳以上の高齢者がその集落の人口の50パーセントを超えること」と定義されており、今後の人口増加や地域の発展に文字通り、“限界”がある集落のこと。少子高齢化がますます叫ばれる日本には、この限界集落がおよそ1万5,000もあるって、知ってた?

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 コンビニはおろか駅もない。信号機すらない。そんな限界集落の一つ、人口2,800人の和歌山県・古座川町(こざがわちょう)を今回は紹介したい。大阪、名古屋から車で3時間半の僻地にあるこの集落で、「古座川町への愛が強すぎる」と自負する3人の男たちが、“限界集落レペゼン”のプロジェクトを立ち上げた。

 その三人とは、古座川町で商店を営む森武志さん、ゆず栽培家の松林秀哲さん、Iターン移住してきた岩倉昂史(たかし)さん。「古座川町はただの田舎ではありません。『本気の田舎』です。同じ採れたての野菜でもやっぱり一味違います」。町の魅力を届けるべく、ウェブメディア&ネットショップ「古座川商店」を作るのだという。

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 手つかずの自然に囲まれた「本気の田舎」で、美味しい水や特産品の天然鮎やゆず、それに山の幸に富んだ新鮮な食材を味わってほしい。古座川町に流れる時間や空気を感じてほしい。「まずは誰でもアクセスできるインターネットで古座川町を感じてもらおう」と、町内の暮らしや生活の知恵を文章や写真、動画コンテンツで配信。“古座川町のすべてが商品として並ぶ”コンセプトのもと、商品として、こんなものを提供していく。

・山間に住む85歳のおばあちゃんが作ったたくあん
・古座川の食材を芸術的にさばく「職人の技」
・おすそわけでもらう古座川町の「旬の味覚」
・川沿いで牛を育てる「仕事」
・築80年の古民家を改装して住む「暮らし」

 郷土料理や伝統工芸などモノだけでなく、技や仕事、暮らしなど、非物資的なものまで、町の暮らしすべてが商材になるという発想は画期的でおもしろい。

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「限界集落だから」と嘆いているだけでははじまらない。上の世代が培ってきた知恵や文化、手つかずの大自然は、伝え方ひとつ違うだけで、デジタルづけな現代人にとって魅力的に映る。田舎暮らしに興味ある都会の若者へのアピールにもなる。若い世代が意欲的に活動するデジタルメディア「古座川町商店」は、集落の良さをそのままにしながら、“限界”脱出のモデルケースになるかも。

詳しくは、コチラから。

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Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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