アジアのトロピカルフルーツが代替肉に?餃子・中華まん・漬物もジャックフルーツで〈プラントベースでまかなうおふくろの味〉

スタートアップの活動や新しいプロジェクトから読みとく、バラエティにとんだいま。HEAPSの(だいたい)週1レポート
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新しいプロジェクトからは、バラエティにとんだいまが見えてくる。ふつふつと醸成されはじめたニーズへの迅速な一手、世界各地の独自のやり方が光る課題へのアプローチ、表立って見えていない社会の隙間にある暮らしへの応え、時代の感性をありのままに表現しようとする振る舞いから生まれるものたち。
投資額や売り上げの数字ではなく、時代と社会とその文化への接続を尺度に。新しいプロジェクトとその背景と考察を通していまをのぞこう、HEAPSの(だいたい)週1のスタートアップ記事をどうぞ。

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フルーツがお肉の代わりになる? アジア最強と呼ばれるフルーツを使って、餃子も肉まんも作れるという。代替肉がさわやかにアップデートされている。

ミラクルな「ジャックフルーツ」が代替肉に

 
 動物由来の肉を使用しない「代替肉」。豆や大豆、グルテン、米、穀物など植物由来のもので作るのが一般的で、最近では「空気」から作る代替肉というSFのような話も出てきている。ここに新しくくわわるのが、「ジャックフルーツ」だ。ゴツゴツのイカつい見た目に負けず劣らず、干ばつや害虫にも強く除草剤や農薬いらずというアジアの強いフルーツを肉にして、アジアの食を味わうことを提案するスタートアップが新たに登場した。

 話をさらに進める前に。そもそも、ジャックフルーツとはなんぞや? 異臭を放つトゲトゲしたあのドリアンと形相が似ていて、「南国のフルーツ」「フルーツの王様」といった枕詞がつく。大きいもので50キロにもなる(成人の体重なみ)どでかいずっしりトロピカルフルーツだ。日本では、「波羅蜜(パラミツ)」とも呼ばれているが、正直あまり耳にはしない。
 原産地は、主にインドなどの南アジア、タイやベトナム、バリ島などの東南アジア、台湾南部や中国海南省、広東省などの東アジアなど、アジア全域だ。

 気になる味はというと、実にいろいろな言葉で表現されている。「アボカドとパイナップルの中間」「パイナップルとバナナの中間」「パイナップルとマンゴとバナナを合わせたような味」「ミルキーで濃厚な味」「ジューシーなフルーツ味のチューインガムみたい」。とことん南国の味をしている。
 フルーツとしてそのまま食べるだけでなく、カレーやシチューなどの煮込料理に使用したり、スープやジャムにしたりとさまざまな食べ方ができるのも利点。食物繊維を多く含み、低血糖値、コレステロールはゼロと健康面でもすぐれている。さらには干ばつや害虫に強く、除草剤や農薬を必要としないという、環境面での強靭さも兼ね揃えているのだ。そのため、「ミラクル(奇跡の)フルーツ」とも呼ばれている。

 こんな万能で強靱なフルーツは見過ごされないわけはない。ジャックフルーツを材料に「アジアのコンフォートフード((ホッとする味、おふくろの味)」を味わおうと、2年前、シンガポールでスタートアップ「Karana(カラナ)」が登場した。彼らのモットーは、「完全プラントベースのアジアのコンフォートフードに舌鼓を」。

 スリランカの小規模農家で栽培されたジャックフルーツを使用し、加工を最小限に抑え、味と食感を限りなく肉そのもののように再現しているのが特徴だ。「ジャックフルーツは、プルドポークのような古典的な肉料理の味に似せることができます」。昨今の代替肉が「代替肉=おいしさが下がって当たり前」という固定観念や「あまり味が期待できない」というイメージを拭い去っているように、ジャックフルーツを使うカラナも同様に「味」には自信あり。飲食従事者向けに、ウェブサイトを通して試食をオーダーすることも可能だ。

「アジアの“いつもの食”をちょっと違った形で」

が、代替肉としてアジアの親しみの食に入り込んでいる例はまた一つ新しい。

 ウェブサイトを覗くと、アジアの舌に親しんだおいしそうなフードがずらり。中国の餃子に中華まん、焼きそば、ベトナムのバインミー(サンドイッチ)、韓国のキムチのような漬物など、味も色も賑やかなアジアのコンフォートフードがジャックフルーツの果肉で作られている。

「アジアで慣れ親しまれたいつもの料理を、少し違った形で届けたい」。個人のみならず、レストランやシェフなどのフードビジネス向けへの流通に力を入れ、そしてアジアの食を取り扱うシェフたちのメニュー考案も促している。「新しいメニューを開発するうえで、もっとシェフたちに創造的になってほしいのです。メニュー上に、同じようなベジバーガーをくわえるのではなく、です」

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Eyecatch Image by Midori Hongo
Text by Aya Sakai
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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