15人の少年たちが力を合わせて生活していく冒険小説『十五少年漂流記』や、テレビの中で芸能人がモリ片手に魚を“とったどー”する姿。電気も水道も通っていなければ、文字通り人もいない「無人島」でのサバイバル生活に、少年時代いくらか憧れを抱いたのは筆者だけでないはず。その淡い夢が数十年越しに叶うかもしれない。日本初の「参加型無人島開拓プロジェクト」が始動したというのだ。
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場所は、長崎県大村湾に浮かぶ「田島」。東京ドームよりひと回り大きいほどの無人島だ。もちろん、電気・水道・ガスなしの三拍子揃い。2013年には、滞在型自然体験施設としてオープン、シーカヤックやジップライン(空中スライダー)、湯沸かしから自分の手で体験できるドラム缶風呂やツリーハウスなどのアクティビティがつまった冒険島になった。
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気軽に“週末”無人島生活も?
今回のプロジェクトでは、冒険島をアップグレード。一ヶ月の滞在期間で、井戸の整備や古民家修復&宿泊施設にリノベーション(約30年前まで田島には人が住んでいた)、無農薬野菜や米の栽培を実行。単なる遊べる無人島から、人と自然が共生できるサステナブルな島にするという計画だ。一ヶ月は時間的に無理だな…という人には、一泊二日体験コースもあるので、気軽に“週末”無人島生活も可能だ。
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「スイッチひとつでご飯が炊け、スイッチひとつで明かりが灯る。そんな便利な世の中とは、まったく逆の体験がこの島ではできる。お米の炊ける匂いや、月明かりで夜を過ごすなど五感を使うことで『生』を実感でき、小さな気づきや気持ち整理につながる」。スマホ漬けの現代人にとってデジタルデトックスにもなるし、古民家改築やファーミングでサステナビリティを体感。それに何しろ「生きる」楽しさを教わることができるのだ。人生の履歴書に『無人島開拓』を追加したい人、コチラからどうぞ。
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Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine