「ゲイ男×ストレート男」なアツい友情が急増中。ゲイの親友=女をくつがえす「ブロモセクシュアル」な関係って?

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ゲイ男性の“親友”は、ストレート女性。現実社会でも映画や小説の世界でも、「ゲイのベストフレンド=ストレート女性」は、もはや定説のようになっている気がする。
「女友だちよりも本音でおしゃべりできるから」「恋愛もファッションもゲイ友だちのアドバイスは的確だし」。理由はなんであれ、「G.B.F(ジービーエフ、ゲイのベストフレンド)」がいることを一種のステータスにしている女性だっているのも確かだ。

 しかし、その定説に当てはまらない“新しいゲイ男性の友情形態”が、最近話題である。その名も「ブロモセクシャル(bromosexual)」。ゲイ男性と“ストレート男性”のプラトニックな親友関係だ。

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ゲイの親友は「ストレート男性」(プラトニック)

 ホモセクシュアリティとも、男性同士のプラトニックな関係として取りざたされた「ブロマンス」とも違う。ゲイ男性とストレート男性の深〜いフレンドシップ「ブロモセクシャル(bromosexual)」が急増しているという。

 そりゃあゲイ男性とストレート男性の友情関係はいまにはじまったことではない。たとえば、『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフ役で、ゲイを公言しているおなじみの英名俳優のイアン・マッケランと、『スター・トレック』や『X-MEN』に出演、ストレートで妻もいる英俳優のパトリック・スチュワート。多くの人が「パトリックも実はゲイなんじゃないか」と勘ぐるほどの仲良しっぷりで(パトリックは『ゲイと思われるのは光栄』と素晴らしい返しをしている)、おしどり夫婦のようなツーショットがよく激写されている。

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 だが、イアン・マッケランらの例は極端で、ゲイとストレート男性の関係性といったら「いじめっ子、いじめられっ子の関係」だったり、「ストレート男性がゲイを敬遠する」といったイメージがはびこっていたのが事実。
 ストレート男性は、ゲイ男性と仲良くつるむことで男友だちから「お前はゲイだ」とからかわれることを恐れ、ゲイ男性は自らのセクシュアリティをカミングアウトすることで、男友だちから拒絶され友情が壊れてしまう、と躊躇。両者の関係が成立するのはごく稀で、タブーなことのように扱われさえしていたが、昨今、その関係性に変化が起きている。

アイドル俳優も、人気司会者も「ブロモセクシャル」

 それは近年のテレビドラマや広告、小説、エンタメ界などの大衆文化を見てもわかる。頻繁に「ストレート男性とゲイ男性コンビ」が登場するようになっているのだ。

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 社会現象にもなった『glee(グリー)』のプロデューサーが手がけるホラーコメディ・ドラマ『スクリーム・クイーンズ』では、ティーンから熱烈な支持を受けるアイドル俳優ニック・ジョナス演じるのがゲイの大学生役で、彼のベストフレンドとして「ストレートの同級生男子」が登場。
 また、米人気司会者でゲイのアンディ・コーエンのトーク番組では、親友でストレート(そして伊達男)のミュージシャン、ジョン・メイヤーが二人でゲイバーに行ったことを明かし、SNSでも一緒に参戦したコンサートでの一枚をアップ。さらに、アイルランドの若手ゲイ作家の最新ミステリー小説は、ゲイ男性とストレート男性の友情を中心にストーリーが繰り広げられているのだとか。

 アングラやサブカルシーンだけでなく、お茶の間でおなじみのポップアイコンやセレブリティなどを通して、マスに打ちだされるメインストリームに「ストレート×ゲイ」男性が当たり前のように登場するようになっている。

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追い風は、「ダイバーシティ尊重世代」の程よい“無頓着さ”

「ブロモセクシャル」が、メインストリームに堂々と姿を現しているということ。それは時代の風潮を顕著に表しているといえよう。

「LGBTQ」という言葉が浸透し、同性婚からジェンダーフリー下着からクィアのトイレ問題までが、毎日マスメディアのヘッドラインに並ぶ。未だかつてなくジェンダーに対してオープンになった社会において、特にミレニアルズ世代のホモセクシュアルに対する寛容さが「ゲイとストレート男子の親友関係? 何がおかしいの?」という、10年前にはなかった価値観を生み出しているとしてもなんら不思議ではない。

 性に対して柔軟な現代では、たとえばも「幼馴染で片方がのちにゲイだと打ち明けた」としても、「あ、そうなんだ」くらいのリアクションで友情にヒビが入ることはなく、友情関係の初期段階からカミングアウトし、オープンで正直な友情関係を築くことができる。

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 それから、元来、“男同士楽しむ趣味といえば”のイメージも凝り固まっていた。米国では「バドワイザーでアメフト観戦」だったり、「イージー・ライダー並みのツーリング旅」だったり。わかりやすいほどのマチズモさがあったのだが、近年はテックやアメコミ映画、インディーロックなどギークでインドアなサブカル志向のストレート男性も多いため、“ゴリゴリの男趣味の輪”に入りづらかったゲイ男性が、ストレート男性と同じ趣味を共有、一緒に楽しむことができるようになった。
 ルームシェアやコリビングなど、“ジェンダーなど多種多様な人たちと住まいをシェア・生活をともにする”というライフスタイルも、「性を超えた友情関係=ノープロブレム」な土台になっているのではないか。

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「ゲイと仲良しはゲイ」「ゲイとストレート男性が親友なんて」。性の多様性を受け入れ、ジェンダーに対して程よく無頓着な風潮は、ひと昔前にあった世間体やステレオタイプを一笑し、自由な友情を築きあげる。ブロモセクシュアルとは、単なる一過性のトレンドやスタイル、ハイプではなく、現代のダイバーシティ尊重世代が自然に生み出した“思いがけない功績”なのかもしれない。

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Text by Risa Akita
Edit: HEAPS Magazine

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