旅は、訪れた街の魅力を教えてくれるだけでない。見知らぬ地で、息つく暇もなくやってくる新しい出会いや人とのふれあい。そこから沸き起こるさまざまな感情が、旅することの値うちではないだろうか。
その感情の留め方は旅人それぞれ。ひとりのオーストラリア人・旅女子は、東京への旅とそこで感じた折々のエモーションを24ページのイラストで収めた。
Ashley（アシュリー）ちゃんによる旅行記イラストジン、その名も『Tachiyomi（立ち読み）』だ。
今年4月に東京を旅したばかり。日本人の友だちの誕生日をお祝いしたり、高円寺のロックバーでマスターやママと音楽話で盛り上がったりしたのが特にいい思い出だそうだ。
ジンには、ぶらり街歩きにて目に留まったのだろう鉢植えや看板、軒先、そして日本のソウルフード、ラーメン。日本人から見たら何てことない日常風景も、彼女にとったら大切な旅の一コマ。
ブルーを基調にした素朴なタッチのイラストたち。表紙はピンクにイエロー、グリーンにパープルとカラフルなのに、なぜ中のイラストは全部ブルー？
「これは旅でふと感じた、“ホームシック”な気持ちの表れなの」
なるほどこれも旅人だけの、新しい街での感情だ。
すべてが目新しい非日常に囲まれてたかぶる気持ち、ふと陥るホームシック。旅の道中で生まれる、もしくは思い出す感情は、新たな自分も発見するようで味わい深いのだ。
最近旅に出ていない人も、ふと立ち止まって『Tachiyomi』。新しい街と、それから目まぐるしい感情を楽しむ旅に出たくなる。
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All images via Ashley Ronning
Text by HEAPS and Shimpei Nakagawa
