「マリファナ価格競争」激化。価格ドッドコム(大麻版)まで登場、民主化はここまできた!
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アメリカ大統領選挙、言いたい放題・不適任極まりないドナルド・トランプ氏は依然として好調。その彼を尻目に、とある「グリーン」な産業が尻上りなのはご存知だろうか。
それは、日本では「ダメ、ぜったい」でお馴染み「マリファナ(大麻)」産業。

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もはや合法か非合法かという話ではない。多くの投資家・企業・セレブリティが続々とマリファナ産業に参入。すでにはじまっていたマリファナの「価格競争」が激化する。
「マリファナ(大麻)」産業にとって次のフェーズに突入するといわれる2016年、マリファナ産業が熱い。いや、熱すぎる。

*現在、アメリカでは50のうち、23の州で医療用目的でのマリファナ使用は合法となっており、加えてアラスカ、オレゴン、コロラド、ワシントン4つの州と首都ワシントンD.Cでは娯楽用として(言うなれば誰でも合法で購入可)マリファナを嗜むことができる。

もっと詳しくは
▶︎記事「急成長中。いま、スーツをビシッとキメた大人を夢中にさせるのは、大麻(マリファナ)ビジネスだってよ」

マリファナの価格比較サイトが登場

 マリファナの価格競争を煽るのは、2014年に開設された「wikileaf(ウィキリーフ)」。世界初の「マリファナ価格比較サイト」、言うなればマリファナ版「価格.com」だ。

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 GPSによって自分の周りにあるディスペンサリー(大麻薬局:合法でマリファナを販売する薬局)で販売されるマリファナの価格、品種、在庫の数までリアルタイムで表示してれくれる。さらに、数あるマリファナ各品種の効能や成分、使用に適した時間帯まで教えてくれる事細かな解説つきだ。

 今回話を聞いたのは、そのウィキリーフ(ワシントン州・シアトルを拠点)創業者であるDan Nelson(ダン・ネルソン)。マリファナ産業に興味を持ったのは、3年間のヨーロッパでの旅を終え帰国したときだそうだ。2011年のこと。

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「帰国した際に、驚くほどのディスペンサリーが出来ていたんだ。でも、当時は合法であったにも関わらず、値段や品種はおろか、その手の人でなければディスペンサリーの場所さえも分からない状態だった」

 自身もマリファナ・メディカルカード(医療用大麻ライセンス、これがあればディスペンサリーで医療用マリファナを購入できる)保有者であったダンは自分の消費者体験を元に、合法にもかかわらず不透明であった医療用・娯楽用マリファナの価格や品種などの基準を民間レベルに持ち込んだ。

これマリファナのサイト? クリーンなビジュアルに女性も抵抗感ないかも

これ。
 

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 マリファナの価格比較サイトと聞いて想像したのとまったく違う。怪しくない。一見した限りではマリファナサイトとは思えないほどクリーンですっきりしたデザイン。初めての人やあらかじめの知識がない人のためにサイトの「使いやすさ」「シンプル」さを追求したという。
 筆者、実際に使ってみたがかなり分かりやすい。気になるものをワンクリックすれば、そのマリファナの成分効用が一覧で確認でき、「こういう効き目求めてる人にはこれ」というのがよく分かる。

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 品種へのこだわり・何が入っているのかを知りたい現代人にぴったりだ。事実、このサイトによって「使用するマリファナへのこだわりを持ちはじめた人も少なくない」とダン。

 ウィキリーフユーザーは今年7月に15万人を超え、さらに先月8月には前月比25パーセント増加の見込み。20〜25歳までが6割を占め、7割が男性とのこと。

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「医療用・娯楽用共に合法化」「医療用のみ」など州によっての差はあれど、西海岸のほとんどの州がマリファナ使用を容認していることもあってか、6割は西海岸エリア。その他はニューヨーク州やフロリダ州など大きな都市を擁する州、はたまたお隣カナダからのアクセスが多いそうだ。

医療用、娯楽用、非合法。どのマリファナもぜーんぶ一緒だった。

 そもそも「医療用」だの「娯楽用」だの「非合法」だのあるが、一体全体何が違うんだということでダンに聞いてみると、まさかの「成分は一緒」。品種によって含有量の違いはあるものの、マリファナそのものの成分自体に違いはまったくないとのことだ。まじか。

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 では一体なにが違って差別化されるのか。

 それは、

1、入手方法
2、税金による価格の違い

この二点だという。

「医療用」はマリファナ・メディカル・カード保有者かつ医師から処方箋を提示することで購入可能であり、「娯楽用」は誰でも購入可能。「非合法」とは合法化されていない州での購入やブラックマーケットからの購入である。
 たとえば「イエローバナナ」という品種のマリファナがあるとして、それをストリートの兄ちゃんから買えば「娯楽用」になり、医師の処方箋のもとディスペンサリーで購入すれば「医療用」になる。

▶︎記事信じるのは医療大麻の力。修道女がはじめた“吸わないマリファナ”ビジネス

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 価格についての違いだが、「医療用・娯楽用共に合法化」されているコロラド州、オレゴン州、ワシントン州などは医療用が娯楽用に比べて安い。
 なぜなら、医療用は娯楽用に対してマリファナにかかる税金が安いからだ。オレゴン州においては医療用マリファナは不課税。一方で「娯楽用」には消費税に加え、マリファナそのものにかかる税金があるため、必然的に価格も上がる。

 ワシントン州においては医療用ディスペンサリーを廃止し、娯楽用ディスペンサリーのみにしようとする動きがある(税金狙いで)。年々医療用ディスペンサリーは減少しているという。

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マリファナ美容クリームに食品。マイクロソフトも参入する成長産業

 
 2015年、アメリカ国内合法取引でのマリファナの売り上げは54億ドル(約5400億円)だったのに対し、16年は67億ドル(約6700億円)に達するといわれている。うなぎ登りのマリファナ産業の中で、新たな分野として注目をされるのがマリファナを使った「美容クリーム」や「マリファナドリンク」などの美容商品や食品があげられる。が、注目株はマリファナ版電子タバコ、「マリファナベーパライザー(電子マリファナ)」だろう。これはいわばマリファナ版電子タバコなのだが、電子タバコの普及も手伝って、2020年までにマリファナの50パーセントがマリファナベーパライザーになるとまで予想されている。

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 この成長著しいマリファナ産業にはマイクロソフトも今年6月に参入を発表。これまで多くの企業や投資家がその時機を待ってきたが、それが2016年だといわれているのだ。

スタバの数を上回る「マリファナ合法薬局」

 数年前まで違法だったこともあって、それが法律上よしとされても、マリファナ自体が不透明なものだった。が、しかしここ数年の数字が証明するように、民間レベルに浸透しだしたいま、マリファナの価格は年々低下する一方だというダン。

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 現在、コロラド州では900を超えるディスペンサリーがあり、なんとその数、コロラド州にあるマクドナルド、スターバックス、セブンイレブンを合わせた数を上回る。それに加えて、法的に「最低販売価格」が定められておらず、ディスペンサリーでの「価格競争」が年々激化しているそうだ。

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「価格競争」が起こるまでに民主化の進んだマリファナ産業の勢いは、近年予想されてきたように、昨年全米で合法化された「同性婚」同様に全米全土に間違いなく広がるだろう。

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ChameleonsEye / Shutterstock.com

 さて、価格競争の激化と先述したワシントン州やコロラド州に見れるように、「州ごと」のマリファナ政策がすでにはじまっていることからもう一つ先を予想したい。
 お値段、税、マリファナへのアクセス、そしてマリファナフレンドリーにおいて新たな格差がすでに生まれていることから、ゆくゆく引き起こされるのは人口流動だ。「嗜好」がプライオリティであるミレニアルズは特に見込めるだろう。

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 これは各州にとって好機ともいえる。SXSWで1日158人が移住するようになったオースティンの街のように、マリファナで「街おこし」「カルチャー形成」なんてのも現実味を増してきた。
 州の人口数・構成にさえ影響を与えようとしているマリファナ。アメリカの行く先を左右する点では、トランプ候補よりは息が長い(はず)。当分は目が離せない。

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Text by HEAPS & Shimpei Nakagawa

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