460回洗える?現代へのティッシュの適応「1回で捨てない」へ。しばらく使えるマイポケットティッシュ「LastTissue」

ポイポイ捨てない。洗って何度でも使える〈コットン製のティッシュ〉登場。でもコットン製ってことは、これ...?
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ティッシュが日用品として世に出回ってから、もうすぐ100年。ササッと気軽に使ってポイッと捨てる。「でも、使い捨てって環境に悪いよね?」。そこに〈洗えるポケットティッシュ〉がデンマークで登場した。ティッシュの無駄遣いも、ティッシュの1つ1つの包装の無駄もやめよう、という発想だ。

洗って何度も使える〈“コットン製”のティッシュ〉

 鼻をかんだり、机を綺麗にしたり。メガネについた指紋も、こぼした醤油も、流した涙も、素早くササッと拭き取ってくれる。その便利さたるや、ティッシュ。でも、一度使えば躊躇なくゴミ箱行き。さまざまな“使い捨て”が見直されるいま、ティッシュにもその波がきた。「いままで当たり前に使い捨てていたけど、多用するのって環境に悪いんじゃないの?」

 世界で初めてティッシュを生活用品として売りだした米国では、現在、ティッシュのために毎年約800万本、つまり毎日2万本以上の木が伐採されている。ティッシュの製造も含む製紙業をみてみると、地球温暖化に影響を及ぼす産業として、堂々の第3位にランクインしている。

 環境に悪いとわかっていても、いまさらティッシュなしの生活は考えられない。じゃあハンカチで代用するか? いやいや、ハンカチで鼻をかむには抵抗がある。鼻をかんだハンカチをカバンやポッケにしまうのも気が引ける。そして鼻水まみれのそれを使い回すのもごめんだ(いや、鼻をかむだけがティッシュじゃないってわかっているけど、この時期はどうもね…)

 そんなティッシュのイシュー(問題)を解決すべく登場したのが、「洗えるポケットティッシュ」こと「LastTissue(ラストティッシュ)」。デンマークのスタートアップ「LastObject(ラストオブジェクト)」の開発。ティッシュ以外にも、洗って使い続けられる綿棒「LastSwab Beauty(ラストスワッブ・ビューティー)」など、使い捨てることが当たり前だったアイテムを再利用可能にすることで、環境問題に取り込んでいる。

 ラストティッシュはオーガニックコットン製のティッシュで、専用のケースに6枚収納されている。ケースは、食器洗浄機でも洗えるシリコン製。ずっと使えるポケットティッシュを持ち歩く感じか(ちなみに、ポケットティッシュは日本生まれ)。ポケットティッシュ同様に、使いたいときにケース底から取り出して使う。使用済みは仕切りつきのケース上部にまとめるので、使用前ティッシュが汚れる心配はない。6枚使い切れば洗ってケースに戻し、再利用できるという仕組み。1枚でたとえば何回まで鼻をかめるのかが気になるが、そこに関しての記述はなかった(1枚一回だと、6回しかかめないなあ、困るなあ)。

 ラストティッシュを1ケースを使用することで、2リットル分の水の節約と2,800枚のティッシュの削減に繋がるという。キックスターターにて資金調達開始約40分で目標金額の1万2,000ドル(約130万円)を達成した人気商品は、6月から世界各国に発送開始だ(日本からも注文できるぞ)。




ティッシュ? ハンカチ? その中間か。

「ラストティッシュって名前だけど、コットン製ってことは、これ、ただのハンカチなのでは?」。そんな感想も結構あった(「スタートアップがハンカチを開発したらしいぞ! 急げ!」なんてちょっと皮肉のコメントも)。
 ラストティッシュは、最大460回洗って使えるという。存在としては確かにハンカチに近い。しかしだ、手の平サイズのコンパクトケースに数枚収納し持ち運びやすいという点では、ポケットティッシュに寄せた設計(白一色で統一された見た目もティッシュっぽい)。洗って何度でも使える肌触り抜群のハンカチと、持ち運びも便利で使い勝手がいいポケットティッシュの長所を掛け合わせた中間的存在だといえる。とりあえず、オーダーして1枚で何回鼻がかめるか試して、また報告しようと思う。
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Eyecatch graphic by Midori Hongo
All images via LastTissue Press Kit
Text by Ayano Mori
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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