値段バラバラ。多様化するクラウドファンディング市場で実践する「新たな本の売り方」

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「クラウドファンディング市場」が凄まじい勢いで成長を続けている。世界銀行の推定によれば、そのクラウドファンディング市場、2020年までに900億ドル(約8兆円)規模にまで成長するといわれている。日本国内でも、15年度の国内市場規模は前年度から68.1パーセント増、16年度も31.5パーセント増の477億8700万円になると予想されている(※)。

(※)矢野経済研究所の調査より。

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 個人から企業や団体までプロアマ問わず「アイデア勝負」で一般に訴求し、多くのパトロンから資金を調達。有名人でなくとも素人が影響力を生みだせるクラウドファンディングは、まさにインターネット社会を象徴するような仕組みだ。年々拡大する市場に呼応するように、寄付型や融資型、そして購入型など、ファンディングのタイプや役割も多様化している。

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 クラウドファンディングの販売方法の柔軟さに目をつけ、今回、一冊の本を“複数の売り方”で打ち出すのは「numabooks(ヌマブックス)」。これまでビールが飲める本屋「B&B」の運営や空間・メディアのプロデュース、編集など、本を通した場づくりやコンサルティングを手がけてきたクリエイティブエージェンシーだ。
 ヌマブックス記念すべき第一弾は、日本を代表する現代写真家・森山大道の写真集『新宿』から全128点をまるまるコラージュした作品集『新宿(コラージュ)』。アーティストの吉田昌平さんが大胆にコラージュし、世界に誇る写真家の世界観を再構築した一冊だ。

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 森山大道の写真をコラージュした作品というだけで、買わずしては眠れないファンもいるだろうが、今回実践するクラウドファンディングならではの「新しい本の売り方」はこうだ。写真集にサイン入展覧会ポスター付き、さらにコラージュ作品付きなど、“付加価値”をグレードアップさせながらパッケージ化し、値段のオプションを用意。「この本なら本体価格以上払ってもいい。むしろ払いたい」というファンの思いを実現するプラットフォームとして機能させる。資金調達というよりは、「特定のファンに訴求するインターネット先行発売」というわけだ。

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 モノの金額でなく、“消費者の価値観”を物差しにする販売方法は、クラウドファンディングが資金調達以外に担う新たな機能になりそうだ。

詳しくはこちらから。

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Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine: HEAPS Magazine

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