お洒落映画に疲れているあなた、出来の悪いB級映画を見よう
チープでグロテスクでナンセンス。
趣味の悪い所謂はB級、そんな”Bad Movies(バッド・ムービーズ)”がなぜか憎めない、どうしてかそんな映画を愛してしまうという人の心の内がそのままそっくりタイトルになったジン、『I Love Bad Movies 』。
ブルックリン在住のマットとキセニア夫妻が、知り合いのライターやアーティスト、コメディアン、映画オタクと一緒に作りあげているこの同人誌。
「食」「ラブ、セックス、友情」「子ども向け」「近未来」など各号異なるジャンルで紹介する映画は、あまりにも酷すぎる出来で笑ってしまうと悪評のホラームービー 『Troll 2』(1990年)、カルト的映画として話題となったロマンス映画 『The Room』、エロティックでキッチュなSFファンタジー 『Barbarella』(1962年)など聞いたこともないようなタイトルのB級映画が勢ぞろい。
だめ〜な映画への愛が、エッセイや写真、イラストを通してどのページからもバシバシと伝わってくるではないか!
作品紹介だけでなく、監督へのインタビューや「B級映画デートの指南」などのコンテンツもあり、れっきとした映画雑誌だ。作者のマットとキセニアが”Good-Bad”と喩えるこのジン、残念ながら現在は夫妻に子どもが生まれたため忙しくなり販売、制作を一時休止中とのことだ。
ちなみに、彼らのイチオシ・バッドムービーを尋ねてみた。
キセニアお気に入りは、デミ・ムーア主演のコメディ『No Small Affair』(1984年)、
マットの"ベスト悪趣味映画"は、ゴールデンラズベリー賞(アカデミー賞の前夜に決まる最低映画賞)総なめの『Gigli』(2003年)などなど。
今週末は、B級映画について好き勝手コメントする夜もいいかもしれない。
I LOVE EBAD MOVIES / ilovebadmovies.com
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Text by Risa AKita