「Phobia(フォビア)」ー日本語で「恐怖症」。他の人にとっては怖くもなんともないような「ある特定の状況」や「物事」に対して恐れを抱くこと。
欧米では500種類以上もの恐怖症があるとされ、共感できる人も多いであろう「高所恐怖症」から、分からなくないこともないが、ちょっと謎な「ピーナッツバター恐怖症」(ピーナッツバターが上顎にくっつくのを恐れること)ものまで、人の数だけ“こわい”も存在する。
人それぞれの「こわい」を、ユーモアと温もりで笑い飛ばしてくれるのがメンタルケアジン『HOORAY FOR PHOBIAS! (恐怖症バンザイ!) 』。
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「私もかつて社会不安(人への不安や恐れ)を抱えていた」とは、ジン作者のAmber B Dianda(アンバー・B・ディアンダ)。
新しい人たちに出会ったり、初めての場所に行くのが好きなはずなのに、不安や怖さを感じてしまう。あるとき、そんなのばかばかしいと思ったのだという。そこで彼女は、恐怖症に悩まされる人たちに「こわいものは克服できるし、笑いとばすことだってできるんだ」というメッセージをこめ、このジンを作った。
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(左)Mr. Dustpan has Amathophobia (a fear of dust) 「ちりとりさんはホコリがこわい」
(右)Mr. Iggy pop has Frigophobia (a fear of too cold) 「イギー・ポップさんは寒いのがこわい」
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(左)Mr. Fartspray has Osmophobia (a fear of bad odors) 「おならスプレーさんは臭いがこわい」
(右)Mr. Sunnies has Heliophobia (a fear of the sun) 「サングラスさんは日光がこわい」
こわさを微塵も感じさせないチャーミングなイラストに添えられるのは、独特なユーモアが溢れるみんなの、こわい。いつもステージ上で上半身裸のイギー・ポップさん(パンクのレジェンド)でさえも、寒さがこわいのである。なんだか急にこわいのがばかばしく思えてしまうではないか。
とあるホラー映画監督は「撮影現場がウケればウケるほど、映画をスクリーンにかけたときにみんなが怖がる」といった。
“こわい”と“笑い”は紙一重なのかもしれない。あなたのこわい、を、笑いに変えたい方はこちらから。
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[nlink url=”https://heapsmag.com/?p=9734″ title=”【今週のZINE】モノクロ写真に色が見える、ストリートフォト・ジン『American Analog』”]
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All images via Amber B Dianda
Text by Shimpei Nakagawa