“カリフォルニア”と聞いてまず頭に思い浮かべるものといったら、なんだろう?
サーフボードを抱え人々が集まるビーチ、海岸沿いに立ち並ぶパームツリー。
それにさんさんと降り注ぐ太陽。
そう、太陽。
カリフォルニアをジリジリと照らす太陽、その写真を集めただけの“太陽愛”にあふれる異色ジンがある。その名も「California Problems(カリフォルニア・プロブレムス)」。
本当は太陽が大好きなのに、カリフォルニアの問題は太陽だ、といわんばかりのタイトルはきっと愛情の裏返しなのだろう。
作者はカリフォルニア州中部フレズノ生まれの写真家、Tony Stamolis(トニー・スタモーリス)。23年間のニューヨーク生活に終止符を打ち、2年前に故郷に戻ってきた。
ロサンゼルスで新生活をスタートしたトニー。東海岸の寒い寒い冬とおさらばした彼は里帰りした記念にと、1年で292日が晴れであるロスで“292の太陽”を撮った。
60年代ニューヨークで活動していたフォークグループ、Mamas&Papas(ママス&パパス)は代表曲『夢のカリフォルニア』でこう歌った。
「木の葉はみんな枯れた色で空は灰色。/ある冬の日ぼくは散歩をしていた。/もしロサンゼルスにいたらあったかくて心地よいのに。/こんな冬の日にはカリフォルニアを夢見るのさ。」
自然の恵み“太陽”だけで人を惹きつけてしまう地、カリフォルニア。トニー自身が“warm(暖かい)”と形容するジンで、カリフォルニアの夏の太陽を思いっきり感じよう。
[nlink url=”https://heapsmag.com/?p=10433″ title=”60回の夏をかけて撮り続けた、“労働者のビーチ・リゾート”の姿。 写真家ハロルド・ファインスタインがネガに残したもの”]
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All images via Tony Stamolis
Text by Risa Akita