20世紀を代表する仏写真家のアンリ・カルティエ・ブレッソンはかつてこう言った。
「写真を撮ること、それは、同じ照準線上に頭、目、心を合わせること。つまり、生き方だ」
被写体に頭や目、心を重ねて撮影された写真は「過去の瞬間」という息を吹き返す。
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サンフランシスコ出身のアーティスト/ゲームデザイナーのDoctor Popular(ドクター・ポピュラー)の『American Analog(アメリカン・アナログ)』は、彼自身の目線がたどった先にいる人、ある物、その瞬間を捉えた写真が散りばめられた、モノクロストリートフォト・ジンだ。
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2013年1月に、クラウドファンディング、キックスターターのプロジェクトとして刊行、第1号ではサンフランシスコ、第2号ではニューヨーク、第3号では旅をテーマに特集し、徐々にファンを得てきた。
作者が「Charming(魅力的)」と形容する同ジンの魅力は、写真を説明する言葉が一切語られていないこと。
「写真自身に語らせること」を根底に、鳩おじさんやスケーター、歩道でチェスをする人々や風景に、「日常」を代弁させているのだ。
モノクロの写真に、街の彩りが見えてくる。
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サンフランシスコのショップの他に、以下ウェブサイトからも購入可能。次号は、米ニムスロ社の35mmフィルムカメラで撮影された3Dフォトを集めたジンになるというから楽しみだ。
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docpop.org
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Text by Risa Akita