“博物館のメッカ”と呼び声高い米国の首都ワシントンD.C.には、国立航空宇宙博物館や国立自然史博物館など、19もの博物館で成り立つ世界最大規模のスミソニアン博物館群がある。今秋、その博物館群のひとつである国立アメリカ歴史博物館にて開催されるのは、展覧会『Girlhood (It’s complicated)』。
テーマは、米国の政治やコミュニティ形成にいかに女性が貢献し影響をあたえたか、そして米国にて女性として育つのはどういうこと? を問う、“ガールフッド(女性像)”の歴史。「教育」「ウェルネス」「仕事」「ファッション」「7つの伝記の物語」の5つのセクションには、1781年から2019年までの米国の歴史に関する同館のコレクションから、200点以上が集まる。
たとえば、初めてスケートボード雑誌の見開きを飾ったガールズスケートボーダー、シンディ・ホワイトヘッドのスケートボード。シンディは、圧倒的に男性優位だったスケートボード界に女性の居場所を作ろうと、ブランド「Girl is NOT a 4 Letter Word」を立ち上げたガールズスケートボードの先駆者だ。また、銃規制を求める「マーチ・フォー・アワー・ライヴス」に最年少スピーカーとして登壇したナオミ・ワドラーのスカーフ(スピーチ前夜に叔母が編んだもの)や1892年のヘレン・ケラーの時計、1957年に起こった人種差別騒動「リトルロック高校事件」の当事者のプロムドレスなども並ぶ。
女の子は何でできている?
砂糖にスパイス
それにすてきな何か
そんなもので女の子はできている
女性の中身ってなんなのだろう。砂糖やスパイス、“すてきな何か”より、もっと“強い何か”がある。それが社会を突き動かしてきたのだ。
同展では、ニューヨーク在住イラストレーターのクリスタル・キレスによるエネルギッシュな女性の姿をカラフルに描いたイラストが来館者を迎える。残念ながら現在も新型コロナウイルス感染対策のため一時閉館中。再開の目処はたっていないが、今秋の展覧会後は2023年から25年にかけて国内を巡る予定だ。まずはヒープスのウェブ上で、カラフルでちょっぴり複雑な“ガールフッド”を感じよう。
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Text by Rin Takagi
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine