トンコツに続けるか?「ストリート・ラーメン・コンテスト」にみる、NYCで今後注目のフレーバーはこれだ!

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安くて1杯、1,000円ちょい。ビールと餃子を追加した日にゃあ、消費税とチップを合わせて3,000円を超すニューヨークのラーメン。日本人の感覚でいえば「ラーメンにそこまで出せない…」のが本音だが、ニューヨーカーはそれでも行列に並ぶし、美味けりゃチップも弾ませる。

ラーメンブーム勃発からはや数年、いまだその熱はアツアツのラーメンのスープのごとく冷めやらぬ。はて、いまだに去らないブームの理由って何なんだ?
今年開催された「NYストリート・ラーメン・コンテスト」から見えた、いま人気の味と、次に来る(!?)であろうラーメンを独断で予想してみた。

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“Ramen戦争勃発”から数年。その人気、まだまだ健在

「Sushi」に並ぶ日本食の代名詞「Ramen」。ニューヨークのラーメンブームの火付け役「モモフク・ヌードル・バー」のオープンを追い風に、2007年に「せたが屋」、2008年には「博多一風堂」と、日本の有名ラーメン店が続々上陸。地元メディアに「Ramen戦争勃発!」なんて取り上げられてからはや数年。いまでは日本人経営じゃないラーメン屋も目立ち、ラーメンマップたるものまで販売。その勢いはまだまだ衰え知らず、なんなら増す一方なのだ。

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 事実、ブルックリンに「一蘭」がオープンした今月19日、筆者のSNSのタイムラインは「天然とんこつラーメン」一色に染まった。価格は1杯約,2000円と他店に比べて少々強気(平均は1,300円前後)。なのにもかかわらず、開店前から行列の途切れることナシの盛況ぶりだったとか。

 ラーメンなら何でもいいわけ? んなこたぁないらしい。
じゃあ実際、いまニューヨークで人気の味って何なの?
次にくるのはどんなラーメン?
そもそも変わらず人気の理由って?
それらの答えを探るべく、10月16、17日に開催された、日本の文化を紹介する「ジャパン・フェス」の一環「ストリート・ラーメン・コンテスト」に行ってみた。

日本からの新参者、NYのテッパン「豚骨」にもの申す!?

 当日はニューヨーク、ニュージャージー、フィラデルフィア、日本から計12店の日系ラーメン店が参戦。湯気と熱気がムンムンの会場に響く「最後尾は1時間待ちでーす!」に、改めて人気を再確認。

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「チャーシューさえあれば何でも」「正直ラーメンの味はどれも同じ。だから違いを知りたくて」「この時期は週3で通う」と、客層は千差万別。聞き込みの結果、いまニューヨークで市民権を得ているのは断トツで豚骨といった印象。ニューヨーカー、あのこってり濃厚スープにぞっこんらしい。

 圧倒的な長蛇の列で人気を博していたのは、日本から参戦の「麺屋二郎」。店主は「豚骨は博多だけじゃないんです!」と、従来のこってりスープに細麺ではなく、中太麺にあっさりスープの伝統的な鹿児島ラーメンで勝負に出ていた。

麺屋二郎

 店主曰く、「通はあえて麺にスープを含ませ、伸びた麺を食べる」らしい。ところで、熱々スープが苦手なニューヨーカーのために、あえてぬるめに出されるこちらのラーメン(エクストラ・ホットと伝えないと温くて食べれたもんじゃない、なんてことも)。うん、伸びても美味しく食べれるとは。これ、うけるんじゃないか?

175゜DENO担担麺

 同じく日本から参戦、自家製ラー油とサンショウを効かせた担担麺を販売していたのは、北海道の「175゜DENO担担麺」。「担担麺の知名度はまだまだこれからって聞いたので!」と意気込む店主。隣で丁度食べていた男子学生は「サンショウって初めて。ユニークだし好きかも」と好印象の様子だった。

今後の注目は、ワンランク上の上品なあっさり系?

 コンテストは、前述の「麺屋二郎」と「175゜DENO担担麺」が同点1位だった。こだわりの味を武器にニューヨーク進出を目論む両店の共通点は、「ラーメンの新しい味を確立」させること。
 これまでニューヨークで一番人気の座を譲らなかった濃厚・こってり一辺倒の豚骨に対し、今後はこういった新しい味に注目が集まるのでは、と思わせる結果となった。

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 たとえば。非常に個人的な予想だが、今後来るのは「あごだし(トビウオ)ラーメン」だと思う。唯一あごだしを販売していた店の前では「いままでにない繊細な味!」「あっさりなのに甘味がある〜」と、ラーメン・コアファンなお客たちが体を温めていた。
「多くの有名店が豚骨をウリにしていることもあり、あごだし認知度はまだまだ。でもこの上品で独自な旨味。2、3年後に来ますよ」と店主、額に汗を浮かばせながらニヤリ。

 スーパーでインスタントを買えば100円以下なのに「値段を日本の倍にしても売れる」し、「お客は2時間でも待つ」。
 そこまでして食べたいと思わせる理由、それは味以外の付加価値にもある。行列による宣伝効果、並ぶというエンターテインメント、スープの濃さや麺の硬さを選べるオプション。これら体験がニューヨークでのラーメン人気を後押しし、ニューヨーカーはその一杯に高額を払うのだ。
 売り切れ店が相次ぐ中でも人がごった返していたイベント終盤。「この勢い、第2次Ramen戦争勃発も近いか?」なんて思わせるくらい、まだまだニューヨークのラーメンブームはホットだ。

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Text and Photos by Yu Takamichi

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