ニューヨーク在住17年、週に4度のライブハウスを欠かしたことはない。
行ったライブハウスの数はもはや200を越える…(と思う)。
そんな音楽ライター、サワイ・ヨウコが独断と偏見で選ぶ、いま聴いておきたい、知っておくべき現場のインディーバンド。
#012
懐古主義は、ヒップスター王道まっしぐら
「EZTV」
前回のマック・デマルコと同じ、キャプチャード・トラックス(バーバーとコラボし、斬新な中古レコードショップも運営するサイドマン・レコードも経営)のバンド。
リアル・エステイツのマーティン・コートニーやクリストファー・オーウェンズ(元ガールズ)とステージを共にしたり、何かと話題に上り、ザ・ヒップスター・バンドを堂々突っ走る彼ら。
http://https://www.youtube.com/watch?v=cpkf9dGKBQ4&feature=youtu.be
EZTV – Pretty Torn Up
ライブを見ると、ビーチ・フォシルズ、ワイルド・ナッシング、ダイブなど同世代のバンドと同じく、「なよっとしてる男の子たち」。だが、毒のないジョナサン・リッチマン、爽やかなリアル・エステイツという、ジャングリーな楽曲を聞くと、70〜80年代辺りのパワーポップ・バンドを思い起こさせる。軽やかで器用、汗水飛ばしてなどは似合わない。
今年のレコード・ストア・ディにはニック・へスラーとスプリット7″(パワーポップのパイオニア、ミルクNクッキーズをカバー)を出し、より音楽の本質は変わらない感を醸し出した。良いものは良いし、これが、ヴァイナルの売り上げを伸ばす、現在のインディロック・バンドの最前線。
[nlink url=”https://heapsmag.com/?p=8272″ title=”いま一番注目すべき音楽シーンは「ニューオリンズ」!? ジャズとブルースの街の知られざる最新音楽事情”]
サワイ ヨウコ/Yoko Sawai
ニューヨーク在住歴17年の音楽ライター。音楽イベント企画、メディアコーディネイト、レコード・レーベル経営(コンタクト・レコーズ)。ブルックリン・ベースのロックバンド、ハード・ニップスでも活躍。hardnipsbrooklyn.com