#003「浮気をしたら罰金3,000円。そのイヤらしい目つきも罰金です」/ URABN ISSUE

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今回は、編集部によるニューヨーク“現地の小話”100話を詰め込んだ
「URBAN ISSUE」(2014年9月下旬発行。好評につき完売いたしました)より、
選り抜きのストーリーをいくつかお届け。

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#003「浮気をしたら罰金3,000円。そのイヤらしい目つきも罰金です」

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 きれいな人、かっこいい人がいたら目で追ってしまうのが人間の性。それがイヤらしい目つきになってしまうときも、まああるだろう。しかし、ニューヨークでは要注意。道端で女性をイヤらしい目つきで見たら罰金25ドル(約3,000円)という法律があるのだ。無意識にもチラッとやってしまうあなたの目つき、犯罪になる可能性がある。

 上記の法律以外にも、ニューヨークには変な法律がたくさんある。たとえば「面白半分でボールを誰かの頭に投げつけるのは禁止」。じゃあ真剣にぶつけるのはいいのか?と思わずつっこみたくなる。あとは「日曜日にアイスクリームのコーンをポケットに入れて歩くのは禁止」。なぜ日曜日だけなのか、そもそもなぜアイスクリームのコーンなのか…。
 
 ブルックリンでは「バスタブにロバを寝かせてはいけない」というのもある。それから、「コンサートの最中にピーナッツを食べながら歩道を後ろ歩きしてはいけない」。こんな常識のない人、探す方が難しいんじゃないか?
 よくわからない法律に呆れるも、その中で「ちょっと押さえておきたい」と思ったのが、浮気に関する法律。ニューヨークでは、浮気をしたら州に罰金を払わなければならないのだ(しかし、金額はたったの3,000円なのだが)。

 風変わりな法律は挙げだしたらキリがないのだが、その背景には訴訟社会という現実があるようだ。アメリカではどんな些細なことでも裁判になる。よく知られている話ではコーヒーをこぼしてやけどをした女性が訴え、責任はコーヒーを販売した某ファストフード店にあると判決を下された事例、濡れた猫を乾かそうとして電子レンジでチンしたら死んでしまい、説明書にその注意書きがなかった!と主張して裁判を起こした事例もある。被害を受ければとにかく訴える。訴訟を避けるために細かく法律を定めた結果、おかしな法律ができあがってしまったケースが多いというわけだ。

 これは筆者、先日実際に居合わせた話なんだが、地下鉄で隣の席の人がいきなり警官にしょっぴかれ、罰金を払っていた。その彼はべつだん不審な行動を取っていたけでもなし、外見もいたって普通。気になって警官との会話を聞いていると「座席を二つ占領していたから」と理由が判明。もちろんこれも、きちんと州法に則っている。
 とはいえ、この法律はあんまり浸透してないように思う。ちょっと太った母ちゃんたちは二席占領は当たり前だし、悪ぶる兄ちゃんなんかはこれでもかと股を広げて三席くらい占領するし。この法律だけは、もうちょっと取り締まってもらえるとうれしい。
 
URBAN ISSUE
special3

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