むだ毛処理OK。心の準備OK。 向かった先はデート…ではなく 「Naked Yoga(全裸ヨガ)」

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2014年、登場とともに世界中の話題をかっさらった新手のヨガ。
身軽なウェアどころか素っ裸、余計なものをすべてはぎとって行う「Naked Yoga(全裸ヨガ)」。
クラスは男女混合。男も女も素っ裸でないと参加できない。

あの衝撃から2年半。あの時の人気っていまも健在なんだろうか?
炎上なみのブームは去ったことだし、いい頃合いってことで、文字通り一肌脱いできた。

本当は行きたくなかったけどね

※このコンテンツはちょっと過激な内容を含みます。

 ええ、行きたくなかったですよ。興味はもちろんあったけど、身近な誰かの体験談聞ければいい、くらいで。
 だけども筆者、企画会議の前夜、ネタ数が足りず焦っていた。「このままじゃいかん。怒られたくない」。脳みそから血が出るわぁくらい悩み考えたところで降ってきたのが「Naked Yoga(全裸ヨガ)」の体験レポート。我ながらゲスいアイデア。ダメだと思って提案したのに…まさかのGOサインが出たときは正直複雑な気分だった。

これが、噂の裸ヨガ。

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Photos by Judyth Greenburgh

 2014年1月「男女混合の全裸ヨガコースが開講!」とロイター通信が報じたのをきっかけに、世界中に拡散。サイトには「性的反応が起きても恥ずかしがることはない。これを機に関係が始まることも自然なこと」なんてインストラクターのコメントが。どういうこっちゃ。実際の動画では参加者みんな真剣そのもの。カメラマンの、大事な部分を映すまいという絶妙な撮影テクが妙にウケた。

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これも、
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こんなポーズでも、裸でやる。

 体験当日までは気が気じゃなかった。「女の子の日なんです」を武器に、企画自体をフェードアウトさせようとすら考えた。が、編集長には通用しない。「どうせやるならいけるとこまでだね、頑張って〜」。率先してヨガマットも用意してくれた。
 女性専用クラスもあったが、ちゃんと男女混合クラスを選んだ。

「目の前でユサユサされたら呼吸どころじゃない!」。ヨガ玄人ならこんな心配もできるかもしれないが、「ヨガ経験は過去2回。いずれも友人にタダと誘われ行った」ことしかない私は超初心者でして。自分の裸を見て周りに後ろ指差されるんじゃないかとか(日本人だもの、アメリカ人の体型と比べたらそりゃあね…)、あらぬことが起こってしまうのではとか、そっちの方が不安でしょうがなかった。だから、無意味と分かっていながらも、三日前から腹筋やスクワットを始めてみたりと、微々たる努力は一応したつもりだ。

全裸必須。でも性的接触はNG

 今回参加したのは全裸ヨガのパイオニアが講師を務める「Bold & Naked(ボールド&ネイキッド)」ヨガ教室。ビルの一室にあるスタジオ内は、窓のブラインドが全て閉まっていること以外はいたって普通。ちなみに参加条件はシンプル。「全裸必須」「(あらぬ目的での参加を防ぐため)写真付き身分証明書の提示必須」「ボディタッチNG」以上を守れる21歳以上の男女なら、誰でも参加できる。

 当日ドキドキしながらインターホンを鳴らす私を出迎えてくれたのは、ベリーショートと笑顔がよく似合うインストラクターのMonika Werner(モニカ・ワーナー)。受付中「身体のコンプレックスを克服して、自信をつけること」が全裸でヨガをする目的だと話してくれた。そうすることで“自分”と“他人”を深く受け入れる心が養われ、ヨガの基本的な理念の浸透につながるらしい。

 ちなみに彼女いわく「アメリカ人はヨーロッパ人に比べてシャイ」。ヌーディスト・ビーチが多くあるヨーロッパでは、裸になることへの抵抗があまりないというのも理由の一つだそう。事実、このクラスではアメリカ人よりヨーロッパ人の参加者が多い。モニカもドイツ出身、生粋のヨーロピアンだ。

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え。女性、私ひとり??

 受付を済ませ、緊張をほぐそうとバランスボールに座っていると「1人は生理でキャンセル。でもあと5人来るはずなんだけど…」とモニカの呟きが聞こえた。日曜の夕方、しかも雨とあってか、10人前後と聞いていた参加者は開始5分前にもかかわらず、白人男性2人と私の3人だけ。「まじっすか…」。

 モニカの「さっ、そろそろ脱ぎましょう」でみんな、迷うことなく一斉に脱ぎ出したので私も渋々脱いだ。汗拭き用タオルで体を隠しながらマットをセット。個人的に重要視していたのはポジショニング。後方でひっそりとやりたかったが、3人しかいないこの状況でその選択肢はなく、モニカを正面に3人仲良く横に並んだ。とその時、女子4人組が遅れてやって来たーーーー!
「ホッ」としたのも束の間、彼女たちに背後をとられた。これから1時間半、彼女たちからの視線を浴びるのかと思うと逃げ出したくなった。

 参加前にレベル分けのためのアンケートを記入したのだが、実際クラスには私含めド級の初心者もいれば、モニカから「やるわね」と褒められる上級者までと、幅広い。

 両手両足を地面に付けお尻を高く突き上げるポーズの際、自然と後ろの様子が伺えたのだが、背後のふくよかな女性、なんと早々にダウン。モニカが「大丈夫?」と声をかけるも、完全に床に寝そべってピクリとも動かない。それくらい初心者にとってはハードな内容だった。

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Photos by Judyth Greenburgh

 インストラクターというだけあってモニカ、堂々としていた。しゃがみ込み両足を左右に大きく開くポーズ(M字開脚のすごい版)や、仰向けの状態で体育座りの体勢になるポーズ。見ているこちらが恥ずかしくなるくらい、もうほんと、すべてが丸見えだった。隣にいた爽やか系白人男子の反応が気になってちら見したが、エレクト(↑)している様子はなく、その表情は真剣そのもの。

結果、まったくヨガに集中できなかった

 結果をいうと、受講した1時間半、ヨガにまったく集中できなかった。「目を閉じて深呼吸」と言われてもうっすら開けて周囲が自分を見てないか見回してみたり、目の前のモニカの身体をチラ見してみたり。終盤の瞑想的な数分感にいたっては、隣に並ぶDたち(男性器)のことを考えずにはいられなかった。

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Photos by Judyth Greenburgh

 クラスには性的接触を計ろうとする人なんていなかったし、なんなら着替えながらお喋りするくらい和気あいあいだった。さりげなく輪に入りそれぞれの感想を聞いてみると

「誰も自分の裸をジャッジしないのがいいよね」
「普段は汗で服が肌にくっついて、気になってヨガに集中できない。けどこれは気にする必要がない」
「この開放感がクセになっちゃって。今日が三回目なんだ」

と、考え方は参加者それぞれのようだ。

 ヨガの知識も経験もなく、正直イヤイヤ参加した私、「身体に自信がついたかも!来週も参加しちゃおっかな!」といった“自己愛”とか“身体と精神の深い一体感”なんてのは一切感じなかった。

 日本での男女混合の全裸ヨガは、会員制の教室であったとしても公然わいせつ罪が成立する可能性があるそうな。そう考えると、ニューヨークでのそれはまあ有意義な経験だったのかも、と思える。
 ただ、それなりの金額を払い素っ裸であんなポーズやこんなポーズをキメるのは、何ともいえない気分だった。

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Text by Yu Takamichi

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