世界初「靴の型」を作ったメーカーの伝統と、世代の感性で生まれるテック〈ClarksJAPANxIddrisSandu〉が始動!

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2019年11月末から12月の頭。世界からオファーが止まない超多忙スケジュールの中、“最後の1週間”にてHEAPS(ヒープス)とのイベントに来日を果たしたテックシーンの最注目の創り手、アイドリス・サンドゥ(22)。
Z世代の視点と人間らしさを重視し、社会を見通すまなざしと世代の身体性を武器に、テック業界やカルチャーシーンが抱えるさまざまな課題に挑戦しつづけるアイドリスが来日した1週間。2日間のイベントをおこないながら、東京のあちこちで作戦会議を重ねていました。そして今日、2020年アイドリス・サンドゥと発足する日本初のプロジェクトを発表します(プロジェクト始動の動画も本記事にて公開!)。

冬のトウキョウに降りたって。イベントとラーメンと、作戦会議の1週間

 アイドリス・サンドゥという名を「いまここではじめて聞いた!」という人のために。まずは、“テック界の異端児”と呼ばれる〈アイドリス・サンドゥ〉ってだれ? から。ヒープスとは本誌人気連載『青二才のあれこれ』で、昨年の夏前に取材したときからの仲です。

文化の建築家、IDDRIS SANDU/アイドリス・サンドゥ(22)

ロサンゼルス出身のプログラマー/ソフトウェアエンジニア。10歳から図書館に通いプログラミングを学び、13歳からグーグルのインターンに参加し。そのままテックの現場入りへ。その後、インスタグラムやスナップチャットなど有数のテック大企業と携わる。

自身を「ソフトウェアエンジニアでもないしプログラマーでもない。カルチュラル・アーキテクト(文化の建築家)だ」と称し、2000年代以降にスマートフォンとSNSの浸透で急速に動き出したテック業界を、10代の視線と経験で捉えてきた。

その後は、ラッパーの故ニプシー・ハッスルとタッグを組み、アマゾンゴーよりも早くスマートショップを実現し、カルチャーへの理解とテックのスキルを生かした創造を発揮。カニエ・ウェストやヴァージル・アブロー、ジェイデン・スミスといったクリエーターやアーティストたちとの制作を、AR(拡張現実)や3Dを駆使して手がける。類い稀なるテックスキルとZ世代の等身大の目線で、世の中のデザインやイメージ、コンセプトを発信してきた。
そのほか、アップル社で1日クラスを開講、アディダスの女性エンパワメントキャンペーンメンバーに抜擢、最年少で名門ニューヨーク大学卒業式のスピーチも務めた。

▶︎アイドリス・サンドゥ取材記事「ソフトウェアエンジニアでもないしプログラマーでもない。テックを使う“文化のアーキテクト(建築家)”だ」

 13歳でテックの現場入りを果たしてからの華麗な経歴に注目が集まるアイドリスですが、彼の本質は「いまとこれからの世代のためのビジョンとストーリーが何よりも大切で、テックはその実現のために駆使するもの」という創り手としてのスタンスと実行力。


「本当の意味でのカルチャーや多様性を、テクノロジーは可能にしているのか?表現しているのか?」
「女性の存在や女性の感性も、テック業界にももっと取り入れていくべきだ」

 その“テック×カルチャー”の創造を繰り広げている彼を、東京へ呼んだのが昨年の12月のこと。2日間立てで、ゲストの方と読者を招いて「世代の感性で、もう一度『いま』をつくるイノベーション」というテーマでイベントをおこなった一方、もう一つアイドリスの滞在中に粛々と進めていたのが、今年2020年より本格始動するHEAPSの新たな取り組み〈DON’T BLINK ドント・ブリンク〉の一環で、「HEAPSが誌面作りを通して繋がってきた世界各地のユニークな個人と、日本のクリエーターや企業とで協働し、有機的に仕掛けていくプロジェクト」の打ち合わせ。来日中の1週間、お昼には毎度ラーメンを挟みつつ、作戦会議(打ち合わせ)を重ねていたわけです。




昨年12月の来日時のイベントの様子。

———DON’T BLINKとは?———
2015年に再創刊して以来、世界各地の個性的な個人たちを取り上げて制作してきたカルチャージャーナリズムのウェブマガジンHEAPS。その世界各地の500人の個人たちと、トークやワークショップなどを継続的に開催するシリーズイベント。
また、その各個人たちと、日本のアーティストやクリエーター、企業と有機的にパートナーシップを形成し、唯一無二のプロジェクトを仕掛けていく。


Don’t Blink:「見落とさない・見逃さない・見ないふりをしない」

2020年、第一弾が始動!老舗シューメーカーの伝統と世代の感性とテックの反応

 アイドリスがヒープスとの1度目の取材にて、これからの展望を語ったときの言葉。新しい視点や世代の感覚でさまざまなことを仕掛け、また同時にたくさんのことを目論む中で、これからの社会をどう見据えているのか。
“みんな(WE)”だ。“俺(I)”ではなくて、“みんな”。魚の大群について聞いたことあるだろう? 小さな魚たちが一緒に泳ぐことで、大きな魚のように見せかけると、敵が逃げていく。俺たちもこんな感じ。俺たちはいろんな種類の小さな魚の集合体で、1匹の大きな魚となるんだ。

 HEAPSは、アイドリスを日本に連れていくにあたり、“みんな(WE)”として協働するクリエーターや企業を募り、プロジェクト化を進めてきました。来日から数ヶ月遡る頃からのメールや電話会議、そして来日中の打ち合わせを経て、ついにその第一弾が発足。アイドリスと最初に“WE”となるのは、世界で初めて「靴の原型」をつくった英国発のシューメーカー「Clarks(クラークス)」の、Clarks JAPAN(クラークスジャパン)です。

 1825年、日本は江戸時代。海の向こうの英国で二人の兄弟が創始したクラークス。スリッパにはじまり、世界で初の「足の形をした靴」を世に生み出しました。職人技術と手作業の伝統を踏襲しながら、つねに新たな靴の在り方に果敢に取り組み、〈デザートブーツ〉や〈ワラビー〉などカジュアルシューズの代名詞を世界の足元に届けてきました。高度な製造技術やテクノロジーも取り入れ、創業当初からの「他人とは違う考え方、やり方を模索する」を引き継ぎながら、現代にとっての最適な靴を追求し続けています。


「これからの世代が、本当に必要としている靴とはなんなのでしょう。履きたいと思う靴は、なんなのでしょう。伝統を紡いできた私たちが靴のブランドとしてこれから取り組むべきことの、最初のドアをアイドリスと開けてみたい」。クラークスジャパンが、アイドリスとのコラボを決めた理由は、アイドリス・サンドゥからの“クラークスへの正直な想い”からはじまりました。

「いまの世代にとっての、“最高にクール”ではない」老舗ブランドへの正直な想いの挑戦状

「コンフォート(快適性)」をコンセプトに誕生し、1970年代の大学生、80年代のサーファーのあいだで大流行した〈ワラビー〉。“20世紀のアイコニックな靴”として一度は耳にしたことのある〈デザートブーツ〉。カジュアルシューズのアイコンともいうべき靴を生み出し、かつての若者世代の一歩いっぽに寄りそってきた歴史がクラークスにはある。が、「クラークスには課題があります。それは『いまとこれからの世代にとっての大切なこと』を、シューメーカーとして、どうやってクラークスにしかできないやり方で表現し、実現していくのか」。
 実はアイドリスも、クラークスのシューズに最初こそ興味を示さなかった若者のひとり。「正直言って、いまの世代のカルチャーと本当の意味では融合していないと感じる」と、正直な想いを口に。だけど、「クラークスが200年も紡いできた、革命と歴史のアーカイブは、唯一無二のものだと思う」。だからこそ、伝統を紡ぎながらいまの世代との接点を見つけたとき、「これからの世代にとっての大切なシューブランドの一つになるはず」。

 会話の中で、アイドリスがクラークスの靴のデザイン面でコラボレーションをするというアイデアも出るなど、さまざまな会話が起こりましたが、「表層的に変わっても、それはブランドにとっての変革ではないと思う。一瞬見た目が変わるだけだと意味がない。変革をするか、変革への一歩になることを、思い切ってやってみない?」。それが、今回の長期的プロジェクトであり、アイドリスの日本での最初の挑戦ともなる「ClarksJAPAN×IddrisSandu×HEAPS」の発足となったわけです。

 ユース世代の感覚と感性を大切にしたアイドリスのイノベーションと、伝統を守りつつも変わることを恐れないクラークスの前進の構え。どんな化学反応を生み出し、どんなクラークスの未来の一片を、日本のこれからの世代に向けて描き出すのか? アイドリスから届いた告知動画がこちら。

Clarks JAPAN×IddrisSandu×HEAPS from HEAPS on Vimeo.

動画を見られない方はhttps://vimeo.com/388120467へ。

靴やシューズって、自分にとってどんなもの?#firetheclarksをみんなの言葉でもっと「fire(ファイア)」に🔥

 そして、「Clarks JAPAN×IddrisSandu×HEAPS 」ではみなさんの「クラークスへの意見」を気軽に取りいれられるようにしていきたいと思います。

 たとえば、「クラークスってどう思う?」「クラークスのどのシューズが好き?」「クラークスにどんな靴を作って欲しい?」、それから、クラークスに限らず「靴に求めること」「靴が自分にとって大切な理由」「そもそも未来の靴ってどんなもの?」、いやいや、靴に限らず「自分にとって、身に纏うことの大切さ」「ブランドに対して求めていること」まで、いろんなことを「いまの世代とこれからの世代にとっての大切なこと」を聞いてみたいと思っています。

 新しいアイデアやデザインの話をするときの高揚も、企画のやりとりをするメールやメッセージでの肯定や、素晴らしいラーメンに出会ったときの感動も、アイドリスの口癖で表せば「That’s fire!(ファイア!)」。彼ら世代のスラングで、クールな、イケてる、いいね、いいじゃん、最高、ってところの言葉です。いつでも前向きなアイドリスからは1日15回くらいは聞こえてきます。「それいいね、そうしよう」ってのも一言、「ファイア🔥」。クラークスもファイア(さらにかっこよく)したいねということで、今回のタグラインにしたという背景です。
 #firetheclarksは、このプロジェクトを x iddrissandu、x HEAPSにくわえて、より多くのみなさんと「x」していくための合言葉です。みなさんそれぞれの声や言葉を、#firetheclarksで、SNSにていろいろ聞かせてください。もちろんヒープス宛にメールをお送りいただくのも大歓迎です。

 365日のほとんどを、足元を纏って日々を生き抜いているわけですから、クラークスというブランドの一つの挑戦にジョインして、クラークスのシューズにとどまらず、靴を履いて日々生きることそのものをファイア!したいですね。

 新風まきおこすテック寵児の攻めの“コード”が、テックとファッションという“システム”のなかで、どのようなあたらしいカルチャーを構築していくのか——その現場を、2020年、ヒープスと一緒に目撃しましょう。


#firetheclarksプロジェクトチームから、Clarksを一足プレゼント!

クラークスの「デザートブーツ」もしくは「ワラビー」を、#firetheclarksとともに意見を寄せてくださった方から5名さまにお贈りしたいと思います(※色はお選びいただけません、ご了承ください)

<#firetheclarks投稿の〆切り>
2020年2月29日(土)

<応募対象者の方>
応募方法は、「あなたが思うクラークスをもっとファイアにするためのアイデア」を#firetheclarksを添えてツイッターもしくはインスタグラムのポストやストーリーズでご投稿ください。
(インスタグラムのストーリーズで投稿いただく場合、@heapsmagazineをタグ付けしてください!)


「クラークスってどう思う?」
「クラークスのどのシューズが好き?」
「クラークスにどんな靴を作って欲しい?」
「アイドリスとクラークスにやって欲しいこと」
「靴を履いて変わる自分」
「いま本当に欲しい靴」
「未来のシューズ予想図」

などなど、そんなご意見をお待ちしています!

<その他、条件>
・今回は、日本在住の方のみを対象といたします。

<注意事項>
・当選者さまには、HEAPS編集部より該当SNSのDMにて、商品送付先および応募確認のご連絡を差し上げます。ご返信をもって当選確定といたします。
・アカウントを非公開にしている場合、応募の確認をすることができないため、応募対象外となります。
・DM(ダイレクトメッセージ)を受信拒否設定している場合、当選連絡をすることができないため、応募対象外となります。

🔥いろんなご意見、お待ちしています。クラークスとアイドリスとヒープスと、ファイアしましょう🔥




Graphics by Midori Hongo
Event Photos by Yuichi Yamazaki
Text by HEAPS
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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