アメリカの朝の食卓からあるものが消えつつある。それは、カラフルでポップで、砂糖いっぱいのシリアル。
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最近、ミレニアル世代の中ではもっぱら「シリアル離れ」。理由は食器を洗うのがめんどいからというのはさておき、フーディーな彼らは朝食もこだわる。
“アメリカの朝食といったらシリアル”なんて考え方はもう古いんです。
いま流行りの、そしてブーム目前の新しい朝食メニューを独断でピック。
テキサススタイル、朝タコス。流行りなるか
朝からタコスかよって。朝からタコスですよ。
テキサス州発祥の朝ごはんである、ブレックファストタコス。メキシコと国境を隔てているテキサスならではの食文化、現地では定着している。
カフェでもガソリンスタンドにあるフードトラックでもみんな朝タコス。コーヒーと一緒に朝タコス。
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Photo: Jalapa Jar
スクランブルエッグにベーコン、チョリソー(ソーセージ)、ビーンズ、チーズ、トマト、玉ねぎ、ベイクドポテトなど、朝ごはんのプレートをそっくりそのままトルティーヤの皮で包んだようなテキサス流ブレックファストタコス。サルサソースやハラペーニョのスパイシーな味付けも、ピリッと朝からいい刺激がありそうだ。
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Photo: Jalapa Jar
ついこの間もテキサスでは「タコス戦争」となるものが勃発。発祥地はオースティンだ!いや、サンアントニオだ! で揉めていたほど。いま何かとアツいブレックファストタコス。まもなくニューヨークでも流行の兆しだ。
オースティンスタイルのタコスを提供する「Jalapa Jar(ハラパジャー)」が、ブルックリンはブルックリンハイツ地区のClark St.(クラークストリート)駅構内に今月中にもオープンする予定。
ベーシックなスクランブルエッグ、ビーンズやベーコンの他にも、ハラペーニョ・ガーリックで味付けしたマッシュポテト、チョリソー、ステーキなどのトッピングを用意。サルサもマイルドなOriginal Blend(オリジナルブレンド)、ミディアムのBrooklyn Blend(ブルックリンブレンド)、ホットなAustin Blend(オースティンブレンド)の3種のオリジナルから選べる。
オースティン直産の豆「Summer Moon」で淹れたコーヒーも忘れずに。
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Photo: Jalapa Jar
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Photo: Jalapa Jar
朝ごはんの食器洗いなんて忘れて、グラブ&ゴー。ブルックリンのヒップがコーヒー片手にタコスを頬張る光景が朝の定番になりそうだ。
ナイフとフォークでいただく、こだわるトースト
ちょっと焦げてても気にしない。マーガリンとジャムをぺぺっと塗っておしまいなんてトースト、もの足りない?
2年ほど前にサンフランシスコのカフェのあいだで話題となった“4ドルのトースト”こと「アルチザナルトースト」。“artisanal(職人技)”との名のとおり、手間をかけて作られているハイエンドなトーストで、こちらはお店に入って朝ごはんをゆっくり時間をかけて楽しみたい人にぴったりのメニューだ。
ライ麦やケシの実、ローズマリーなどの風味にこだわった厚切りパン、そしてクリームチーズやシーソルトペッパーなど塩気のあるトッピングや、バター、シナモンシュガー、はちみつなど甘いトッピング。チーズもゴートチーズを使ってみたり、アボカドやラディッシュ、トマトなどサラダを載せちゃったようなトーストも。
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Photo by Scott Mitchell
フレンチブレッドにアボカド、ベーコン、フォンティナチーズを挟んだ、ぜいたくな一品
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Photo by Scott Mitchell
マッシュルーム、ほうれん草、トマト、ハーブ風味のゴートチーズ
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Photo by Scott Mitchell
トマトとベーコンにモッツアレラチーズがよく合う
このこだわりトーストブームはいまも健在。テキサス州はダラスで、アルチザナルトースト専門レストラン「TOASTED Coffee + Kitchen(トーステッド・コーヒー+キッチン)」 が今夏オープン予定。ライ麦パンや地元産のクリームチーズやジャム、ひまわりの種からできたソースなどすべて天然素材にこだわるなど、これからもっといろんな「こだわりトースト」が登場しそうだ。
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Photo by Scott Mitchell
サーモン、ハーブ風味のゴートチーズのこだわりの組み合わせ
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Photo by Scott Mitchell
バナナにチョコレート、ひまわりの種からできたサンフラワーソース添え
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Photo by Scott Mitchell
見た目も美しい
しょっぱさと甘さのシンフォニーにやみつき。ベーグルの次をゆくのは、「エブリシングドーナツ」
ウェストビレッジにあるドーナツ屋「The Doughnut Project(ザ・ドーナツ・プロジェクト)」 から今年、新生ドーナツが登場。その名も「everything doughnuts(エブリシングドーナツ)」。
なんだか聞き覚えがあるのもそのはず、ごま・ポピーシード・ガーリック・玉ねぎ・岩塩などをトッピングしたベーグル「エブリシングベーグル」のドーナツ版なのだ。
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Photo: The Doughnut Project
エブリシングドーナツは、ドーナツにスイートクリームチーズとごま、ガーリック、ポピーシード、ペピタス(炒めて甘辛く味をつけたかぼちゃの種)、海塩でトッピング。
“ドーナツは甘いもの”という概念を覆す美味さだ。
ネギとレーズン、相性抜群? ベーグルはこう食べる!
ドーナツもいいが、ニューヨークといったらやっぱりベーグル。
街角のデリやフードトラックでさっとピックアップできるニューヨーカー定番の朝ごはんも、やっぱり“甘い×しょっぱい”がいいらしい。
ブルックリンのあるスーパーでピックできるのがこのベーグル。ほんのり甘いレーズンベーグルにハムを挟み、スカリオン(青ネギ)を混ぜ込んだクリームチーズをたっぷりと。
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Photo by Tetora Poe
レーズンベーグルにハム、青ネギクリームチーズ、という組み合わせにちょっと躊躇してしまうかもしれないが、試してみないと損。新しい味覚の境地に連れて行ってくれること間違いなしだ。ハムの代わりにスモークサーモンを入れてもこれまたイケる。青ネギクリームチーズは、プレーンのものに刻んだネギを混ぜればできるので、自宅でもできちゃう。
トーストはパンでなくてもいいんじゃない? スイートポテトトースト
最近インスタグラムで流行っているのが、オレンジ色のトースト。
このオレンジ色、実はスイートポテト。スイートポテトを5ミリくらいにスライスし、トースターでこんがり焼く。そしてあとは気の向くままに好きなものを載せるだけのシンプルレシピなのだ。
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Photo: Little Bits Of
インスタグラムでは、アーモンドバター+バナナ+シナモンの甘い好きにぴったりのコンビネーションや、アボカド+塩コショウ+レモン汁とすっきり仕上げたもの、スモークサーモンにポーチドエッグを加えるなど(週末ブランチにおすすめ)、組み合わせのチョイスは無限。
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Photo: Little Bits Of
スイートポテトがもつ自然の甘みとトッピングの旨味が絡むのが絶妙だとか。カボチャで作っても美味しそう。
仕事の合間のランチ、付き合いでの夜ご飯。何ものにも邪魔されずに堪能できるのって、1日のはじまり、朝ごはんなのかも。
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Text by Risa Akita