時代が変わろうが、人々を魅了し続けるBoobs(お◯ぱい)。いかなる状況においても、無意識に目を奪われ、手を止めてしまう、いわば“魔法”のような存在…。
そのBoobsを惜しみなく丸出しして、夜な夜なバーに現れる突飛なレイディーたちがいるという。
超ド級の、女たちのおふざけの実態は?
※このコンテンツは、少々過激なイメージ・内容を含んでいます。
いざ、彼女たちのいるバーへ
トップレス(上半身裸になること)はニューヨークでは合法だ。だからといって、日常的にトップレスで過ごす人がいるかと聞かれたらそうではない。というか、イベント以外で見たことがない。
ほんとに丸出しの女性がそんなに集まるのか?
調べてみると、その女性たちの写真を集めたTumblrアカウント「Boobs of Bushwick (ブシュウィックのおっ○い)」を発見。
たしかに、そこにはTシャツをまくり上げた女性、上半身裸の女性(や男性)の姿、姿。
しかし、やらせという可能性も…?埒が明かないので、FacebookからBoobs of Bushwickに直接コンタクト。すると、数分もせず「今夜イベントをするから来たら?」。ちょっと興奮気味なこちらの、カ、カメラは持っていってもいいんですか、には、言い切らないうちに「Of Course(もちろんよ)」
美人、“ローカル・お◯ぱい”コレクションのブログを立ち上げる
「女性でも誰でも、すごーく過ごしやすくて、それから楽しいのが一番でしょ?」。先程の丸出し夜遊びをはじめた女性、Kate Chiplinsky(ケイト・チプリンスキー、以下チップ)。一体どんなクレイジーな女性かと思えば、フツーに美人。がしかし、本当だった。目の前で話す彼女、丸出しだ。
ことのはじまりは2年程前だという。その年の夏は以上な暑さと湿度を誇ったのだが、それが後のブーブス丸出しのきっかけだった。
Photos Via Boobs of Bushwick
「その年の夏、とんでもなく暑かったでしょ?だから友達とシャツの袖を切りっぱなしで着てたのね。そしたらみんな横からおっぱいがちょっと飛び出したり、谷間どころか乳首が思いっきり見えてたり。で、面白いじゃない、と思って。私の友達まわり、つまり『ローカルおっぱいを集めたブログ』をはじめたの。“ただのおふざけ”ではじまったのよ」。それから、夜な夜なブシュウィックにてトップレスでパーティーへと出没し、写真を撮ってはタンブラーへとポスト、ひたすらポスト。それがBoobs of Bushwickというわけだ。いまでは定期的にイベントを行うように。
丸出しなのに、エロくない。
この日のイベントに行くまでは、お○ぱいを出した女性たちがたくさん、むしろそのために貸し切りにでもしている勢いかと思えば、そこにいた当該女性は、10人未満だった。
普段通りの人々、仕事帰りのスーツの人が飲む中、ところどころに「上半身はだか」の女性が点在する感じ…。そうすると、なんだろう、あまりにも自然に存在しすぎて“溶け込んで”いる。だから、なぜか全然エロくないのだ。思ったよりもエロくありませんね、と伝えると、
「そうよ。このイベントにはエロは必要ない。ただただ、それぞれが解放感に溢れていて、“楽しい”。ただ楽しむためのイベントなんだから。上半身はだかになれば開放感がすごい。誰とでも仲良くなれてしまう」とチップ。
確かに、親しい友人間には、恥ずかしい出来事や互いのダメなところを見せ合ったうえで生まれる“受け入れられている感”があるように思う。おっぱい見せちゃってるし、いっか、と何でもさらけ出して話せるといった感じなのだろうか。
「レイプはレイピストを責めるべき」
フェミニズムのムーブメントなどとは一切関係のない“ただのおふざけ”と言い切るチップだが、一人の女性からのコメントには苦言を返した。
イベント自体がもちろん賛否両論で、「変態、ただ注目されたいだけ、目障り、同じ女性として嫌だ」などというコメントも少なくない。基本的には「流しちゃうわ」という彼女だが、「そんな格好してたら、レイプされてもおかしくない」というコメントには反応。
「これは、結局レイプされる女性が悪いということでしょうか?悪いのはレイプをした人です」と。
「私は2度、レイプの被害に遭ったわ。でもどちらもトップレスでもなければ肌を露出するような格好でもなかった」と、自身の経験をもって、露出している女性がレイプされるんだ、という考えに首を横に振った。
「とにかく、Boobs of Bushwickはフェミニズム団体でも、プロテストムーブメントでもない。ただ、“おふざけ・面白さ”のためにやってることなの。そこに“面白さ・楽しさ”が、あればいいの!」と気持ちよく、明快にチップは語った。
とはいえ、おふざけには時にハプニングがつきもの。「知らない女性に、顔面パンチをくらったわ」と話すのは1周年記念パーティーでのこと。パーティーは大盛況で、会場は人が溢れかえるほどに(普段はちょっと寂れたバーが、その日は大行列をつくっていた)。
みんながおふざけに夢中になる中、事件は起こる。チップは突然、見知らぬ女性から顔面パンチを食らった。
実際の写真。Photo Via Kate Chiplinsky
「朝起きるとベッドは血だらけ、鏡に写る自分をみて泣きたくなった」。そんな思わぬ災難に見舞われながらもなお、彼女はおふざけを続ける。
「みんな、ただただBushwick of Boobsの“おふざけ”を面白いと思ってるのよ。大人も子どもゲイもストレートも男性も女性もみーんなBoobs、好きでしょ!Boobsがあれば、幸せになれるでしょ!それって紛れもなくハッピーな気持ち!」
チップと女たちの潔いまでの、“おふざけ”に対する貪欲さに感服するとともに、みんなを笑顔にするおっぱいの力に、ノックアウトだった。
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Event Photos by Sako Hirano
Text by Tetora・Poe,
Assistant : Shimpei Nakagawa