「安い航空券見つけたから行こうよ、バルセロナに」
ドイツ・デュッセルドルフ在住のグラフィックデザイナー、Jonas Möllenbeck(ヨナス・メレンベック)は、友人にそう誘われて“太陽と情熱の街”へと旅立った。
安い航空券と、いい天気。理由はそれだけだった。
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そこから生まれたのが、バルセロナの旅行記を写真にして仕上げたジン『Barcelona Zine(バルセロナ・ジン)』。
「ツーリストの視点でなく、あくまでも街の持つスピリットを捕まえたかった。訪ねる場所よりも、そこまで行く道のりやそこで会った現地の人々をドキュメントする、というね」
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そうヨナスが語るように、きっと空港に到着して撮ったのだろう、空港で荷物を引くおじいさん、お父さんに手をひかれ笑顔を見せる少年、スプリンクラーで遊ぶ少女、スケートボード小脇にたむろす青年たち、ひとと戯れる犬、モダンな建築などが被写体の淡い色合いのストリートフォトからは、観光本では感じられないその街、その道で採れた異国の日常が浮き上がってくる。
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市井の人を写したフォトたちに負けず劣らず美しいのは、装丁だ。バルセロナの太陽のように眩しい黄色の表紙デザイン、赤と黄のスペイン国旗色がビビットな中表紙に、グラフィックデザイナーならではのセンスが光る。
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旅のきっかけはなんだっていいじゃないか。カメラだって、プロ仕様の一眼レフでも、凝ったフィルムカメラでも、使い古したコンパクトカメラでも、携帯カメラでもいい。あなたしか撮れない旅の一コマをドキュメントすればいいのだから。旅をすれば誰だって作れるのが、旅ジンだ。
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All images via Jonas Möllenbeck
Text by Risa Akita