世界地図の末端、アフリカの”現地”。
常套句だが、貧困にあえぎ、学校に通うことのできない子どもたちが溢れているのが現実。
その途方もない現状にいま「雇用」を生み出そうとしているのは、廃棄されるはずの「バナナの茎」だ。
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バナナでつくる、紙
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バナナの茎から生み出すのは「紙」。アフリカ、ザンビアにて廃棄されるはずだったオーガニックバナナの茎を繊維にし、日本へ輸送する。日本の技術を用い、古紙と配合することで作られるペーパー、その名もその名も「バナナペーパー」だ。
現地の村に適正な賃金で雇用する機会を与えるだけでなく、木を一本も切る必要がないため、環境問題、野生動物保護にも貢献できる。くわえて、日本の和紙技術の新たな可能性を見出すフェアトレードのペーパーともいえよう。
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バナナの茎のから繊維を抜き出し、乾燥。日本に輸送し、パルプに加工する
バナナの茎の繊維質感はバナナペーパーの味だ。その特色を生かし名刺、卒業証書、包装紙、紙テープ、シール、ノート、ハガキ、カレンダー、ブーケなど多岐に渡る製品が作られている。
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クラウドファンディングMakuakeにて資金集め期間が終了した現在、ザンビアでの工場建設が進んでいるそうだ。
「バナナペーパーで現地により雇用機会を作りたい、バナナペーパーを世界に広げたい」という思いは強い。
酋長制度が残るエリアで、手に入れた土地は約8,000坪。地元の伝統文化をリスペクトし設計された藁葺き屋根のオフィスや黄色の壁に緑屋根のバナナ色の工場建設ほか、自然風の最大活用や、ソーラーやバイオマスエネルギーの導入、廃材や環境認定の建材利用、オーガニック畑などでグリーン工場づくりを進める。
これまでの作業といえば、バナナの繊維とりまでだったが、今年は紙や紙製品も作れるよう工場の拡大と「現地バナナチーム」のスキル開発に力を入れる予定だ。
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Text by Shimpei Nakagawa