スマホを再利用して地球温暖化を食い止める

Share
Tweet

Rainforest Connection

小さなデバイスが変える地球の未来

Screen Shot 2015-05-31 at 5.36.01 PM

次々と新しい機能が搭載され世に送り出されるスマートフォン。最新機種を買って、古くなったも のは引き出しの奥で眠っているという人も多いかもしれない。実はそんな使わなくなったスマートフォンに地球の未来を変える可能性があった。

スマホ、森林の“ボディガード”になる

 飛行機や船、自動車などの交通機関が排出する二酸化炭素(CO2)より、伐採によって失われる森林の方が地球温暖化に悪影響を与えているという。しかもその伐採の50%から90%が違法で行われている。そんな違法伐採を阻止すべく動き出したのがTopher White(トファー・ホワイト)だ。彼がはじめたスタートアップRainforest Connection(レインフォレスト・コネクション)はスマートフォンを再利用した装置で森林を守るシステムだ。このプロジェクトはクラウドファンディングのキックスターターで2014年6月から7月のわずか一ヶ月で16万7,000ドル(約2,000万円)もの資金を集めたことでも話題になった。

 これまでも問題視され続けてきた違法伐採による森林破壊だが、その対策方法は衛星での監視だった。しかし衛星だと時間がかかり違法伐採を阻止するのが難しかった。そこでレインフォレスト・コネクションは使わなくなったスマートフォンにソーラーパネルをつけた装置を開発。木に取り付けたこの装置はチェーンソーの音を感知すると森林の管理者に自動で通知されるシステムで、連絡を受けた管理者はすぐに違法伐採の現場に行き、作業を中断させることができる。

Screen Shot 2015-05-31 at 5.36.15 PM

スマホ 1台 vs 車 3,000台

 スマートフォンの再利用と電源は太陽光というエコフレンドリーなこの装置。これ一 つで約2.6㎢をカバーでき、この面積の森林を守ること で約3,000台の車が地球上から無くなったのと同等の二酸化炭素削減効果があるとされている。すでにインドネシアのスマトラ島とカメルーンでこのシステムが実験的に導入され、実際に違法伐採の阻止に成功している。また今年中にはブラジルで市民団体と協力してアマゾンの広大な面積の森林を守るプロジェクトを始動する予定だ。

Screen Shot 2015-05-31 at 5.35.28 PM

 このプロジェクトの目的は、違法伐採者を取り締まるだけではない。「森林を守ることと同様に大切なのは、森林を守る現地の人々とのパートーナーシップを構築していくこと」と創設者のホワイトは話す。

 小さなスタートアップが作った小さな装置は広大な熱帯雨林を守り、地球の未来すら変えるかもしれない。これまで自然資源を搾取して発展してきた私たちの生活。これからは人間のためのテクノロジーではなく、レインフォレスト・コネクションのように自然のためという形でテクノロジーの一部を自然に還元する必要があるのではないだろうか。



※1ドル120円換算
rfcx.org
Writer: Akihiko Hirata

Share
Tweet
default
 
 
 
 
 

Latest

安息日のブランチも、同性愛への考えも各々の価値観。ユダヤ教女性2人組がインスタから発信する、現代のユダヤ教の本質

※(取材・執筆は2020年夏となります。当時コロナ禍以降、社会の根本的な価値観が変わりゆく予感のなかで、HEAPS編集部では宗教の現在地についての探究を進めていました) ユダヤ教には「ラビ」と呼ばれる指導者がいる。律法(…

「自分を僧侶だと名乗ったことはない。ただ僧侶たちと一緒に暮らした」米ミュージシャン・ヒンドゥー教徒の神秘な道

※(取材・執筆は2020年夏となります。当時コロナ禍以降、社会の根本的な価値観が変わりゆく予感のなかで、HEAPS編集部では宗教の現在地についての探究を進めていました) 国内のみならず世界中でもツアーをおこない、スポティ…

「礼拝は“義務”ではなく“神と会話できる機会”」インドネシアから独に渡ったムスリム、異国の地で再確認した神への愛

世界のムスリム人口は約18億人。イスラム教といえば中東のイメージが強いが、実はムスリム(イスラム教信者)が人口の過半数を占める世界最大の国は、インドネシアだ。さまざまな宗教が入り混じるなか、イスラム教を信仰する国民は約8…
All articles loaded
No more articles to load