「ひなぎくが、ヒゲ、そして、ぼくの人生を変えたんだ」
何のこっちゃ? という声が聞こえてきそうだが、これはある男が自分のヒゲに新たな可能性を発見した瞬間だったのだ。
これでもかと言わんばかりに蓄えられた、髪の毛よりも大きい、ご立派な“おヒゲ”。それは、漢(おとこ)のロマンであり哲学ともいえる。そんなおヒゲをめかしこむことに人生を捧げる愛すべき男は、ロサンゼルス在住のSaagar Shaikh(サーガル・シャイフ)。
自身のヒゲデコレーションを集めた写真集『Beards of Glory(栄光のヒゲ)』を出版するべく、キックスターター(米クラウドファンディングサイト)でみんなにヘルプを求めた。
冒頭にあるように、彼と『栄光のヒゲ』への道は2年前にたまたま立ち寄った“ひなぎく畑”がはじまり。何気なくヒナギクを自慢のおひげに刺しSNSヘアップしたところ、返ってきたのは驚くほどの反響。
そこで“ヒゲおめかし”に目覚めたというわけだ。主に祝日にヒゲでお祝いする。
アメリカ中がうさぎであふれかえる、「イースター(復活祭。キリスト教徒にとってはクリスマスとならぶ重要な祝日)」
こちらはクリスマスバージョン「Happy Beards Christmas」
新年は、「Happy New Beard!」
アメリカがアイリッシュビールまみれになる祝日「セント・パトリックス・デー」
重くてヒゲに挿さらないものもあるようで、その工夫が大変。ヒゲをデコり、栄光を勝ち取るには時間も費用もかさむのだ。
残念ながら資金不足のためプロジェクトは不成立となってしまった。が、彼はいまでも人生を捧げて、“栄光のヒゲ”への道の真っ只中だ。
[nlink url=”https://heapsmag.com/?p=7851″ title=”全米最強の髭男は俺だ。”]
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Text by Shimpei Nakagawa