週4のライブハウスから、現場のミュージック「#011 ヘナチョコやんちゃ吟遊詩人 『Mac Demarco (マック・デマルコ)』(独断と偏見でインディーバンドを選びます)

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ニューヨーク在住17年、週に4度のライブハウスを欠かしたことはない。
行ったライブハウスの数はもはや200を越える…(と思う)。
そんな音楽ライター、サワイ・ヨウコが独断と偏見で選ぶ、いま聴いておきたい、知っておくべき現場のインディーバンド。

#011
ヘナチョコやんちゃ吟遊詩人
「Mac Demarco(マック・デマルコ)」

前々回のダウンタウンボーイズの熱さと比べたら、なんとのほほんとしているのだろう。トレードマークは、ブルーのチェック・ボタンダウン・シャツにオーバーオール、後ろ前に被ったベースボール・キャップ、そして隙っ歯。その辺にいるやんちゃなブルックリンの音楽好きキッズ代表である。

つま弾きギターと、どこかセンチメンタルなヴォーカルは、ブルーウェイヴ、スラッカーロックとも呼ばれる。バックヤードでハンモックに揺られ、本を読んでいる、そんなレイドバックなギターポップ・ディドリームが、彼の曲には詰まっている。まだ26歳のくせに「フロリダに家を買って〜」などと、リタイヤを仄めかしたり。

なのにショーでは、観客へダイブはもちろん、オーディエンスとのコール・アンド・レスポンス(ジョークや下ネタが多い)、カラオケ大会など熱くやんちゃにパーティするのだ。ショーに行くたび、今日は何をするのかな、と期待も上がる。声も良いし歌も上手い。冗談のようなビデオだが、歌詞は現実的、子どもなのか大人なのかわからない。
 疲れた時についつい、この爪弾きギターを聞いて、「人生大丈夫だっけか?」と自分に問いかけたくなるのだ。

mac-demarco.com

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サワイ ヨウコ/Yoko Sawai
ニューヨーク在住歴17年の音楽ライター。音楽イベント企画、メディアコーディネイト、レコード・レーベル経営(コンタクト・レコーズ)。ブルックリン・ベースのロックバンド、ハード・ニップスでも活躍。hardnipsbrooklyn.com

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