そこに行くこと、その空間で過ごすことを愛好するカフェ好きと、コーヒー好きはまた違う。近年ニューヨークでは、コーヒー好きのための、カフェではなく「コーヒー・バー」が人気だ。
Photo by Kohei Kawashima
その場でグイッと飲むか、買って立ち去る
生活の一部のように、仕事に行く朝、散歩中にさっとコーヒーを買う。その場でぐいっとエスプレッソを飲み干すのもいい。コーヒー好きは、旨いコーヒーが飲みたいだけなのだ。
昨年4月にも、新しいコーヒー・バー「Mixtape(ミックステープ)」がブルックリンのブシュウィックにオープン。相変わらずの人気だ。
店内スペースを排除し、通りに面したカウンターで注文、grab & go (グラブ&ゴー:テイクアウト)のスタンドタイプ。まさしくカフェというより「コーヒー・バー」といったほうがしっくりくる。
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そしてメニューに書いてあるコーヒーの値段を見て驚くなかれ。
1杯、なんと1ドル(約110円)。セルフドリップのコンビニのコーヒーではない、こだわりのコーヒー※が110円なのである。
※現在、Mixtapeではブルックリンのカフェ/ロースター「Oslo(オスロ)」が自ら焙煎する豆を使用。コーヒー1ドル、エスプレッソ2ドル、アイスコーヒー3ドル。うん、安い!
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ベスト・エスプレッソが200円ちょい
イーストビレッジにあるカフェ「Abraço(アブラッソ)」も忘れずに。5人ほど入れば肩がぶつかってしまうほどの小さな店内では、“ニューヨークのベストエスプレッソ”とも名高いエスプレッソをオーダーをうけてから一杯ずつ抽出する。価格は2ドル(220円)と、これまたお手頃だ。
空間よりもコーヒーそのものに力を入れている点で今年最注目なのが、「SuperCrown Coffee Roasters(スーパークラウン・コーヒー・ロースターズ」。コーヒーの目利きが選び抜いた旬の豆を週替わりで使用し、最新のドリップマシーンで“ブレなく”淹れるスタイルがサードウェーブの先を行く新しさだ。
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とまあこんな具合で、コーヒー好きにはコーヒー好きのための場所がどんどん確立されている。必要最低限で提供してくれるから、値段も安い。旨い・早い・安いときたら、純粋なコーヒー好きにはたまらない。
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知っておきたい。ザ・コーヒーワード
カフェでの時間よりも、純粋にうまいコーヒーを求める忙しいニューヨーカーたち。コーヒー・バーで、彼らが口にするあの単語やこの単語、ちょっと聞き耳を立ててみよう。
・Sipsters (シップスターズ):常連客
・Cappuccigo(カプチーゴー):カプチーノ(cappuccino)をテイクアウトすること。
・Red eye(レッドアイ)/Black eye(ブラックアイ):ドリップコーヒーにエスプレッソ1ショットを加えること。
・Baby Blanket(ベイビーブランケット):ホイップクリームつき
Can I have double tall mocha with baby blanket?
ダブル・トール・モカのホイップ・クリームつきをお願いします。
・Party with Friends(パーティー ウィズ フレンズ):いつもの“あれ”
Barista: Hi! How are you doing? Everything is ok?
バリスタ:やあ、ジョン!調子はどうだい?
John: I am good! Please, “party with friend”.
ジョン:いつものくれるかい?
Barista: Ok! I know what you want! Here you are!
バリスタ:もちろん、君がいつも飲んでるものは覚えているよ! どうぞ!
John: Thank you! Have a good one!
ジョン:ありがとう、またね。
[nlink url=”https://heapsmag.com/?p=5288″ title=”ほの暗い倉庫にて、焙煎士たち “コーヒー文化” 秘密会議中。”]
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Text by HEAPS